イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ヴァーディ、マフレズ、ドリンクウォーター。レスターの主力は売り時か?残すべきか!?

グーナーのみなさん、ある日突然、「アレクシス・サンチェスとエジルとコシールニーが出ていくことになったから」といわれたら、どうしますか?「ルカク、ポグバ、デ・ヘアがいなくなるからよろしく」といわれれば、私はとりあえず部屋の掃除をします。もしかすると、レスターのサポーターのなかでも悲観的な方は、これらに近い話を突き付けられている気分なのではないでしょうか。プレミアリーグ2015-16シーズンにおける奇跡的な優勝の立役者であるジェイミー・ヴァーディ、リヤド・マフレズ、ダニー・ドリンクウォーターが、揃ってデッドラインデーの駆け込み移籍候補に挙げられているのですから。

なかでも当確といわれているのが、「スカイスポーツ」がトランスファーリクエスト提出と報じたドリンクウォーターです。3日前に「デイリー・スター」が2800万ポンド(約40億円)で獲得合意と先走っていたのですが、元々4000万ポンド(約56億8000万円)を要求しているといわれていたレスターは、ゴーサインを出していなかったようです。チェンバレンを取り逃がしたチェルシーは、お金で解決する話をブレイクさせたりはしないでしょう。レスターでは今季プレミアリーグ出場ゼロと出ていく気満々のセントラルMFは、マーケット最終日にロンドンに向かうものと思われます。

次に可能性が高いのは、突如マンチェスター・ユナイテッドが動き出したと報じられたリヤド・マフレズです。ガリー・リネカーが白いトランクス一丁で「マッチ・オブ・ザ・デー」に出演することになったあの素晴らしい年に、プレミアリーグ37試合17ゴール11アシストでPFAの最優秀選手に輝いたサイドアタッカーは、夏が始まる頃には既に「移籍したい」と明言していました。チャンピオンズリーグベスト8でおとぎ話を終えたクラブは、今度こそ出すのではないかと思われましたが、移籍金の額を譲歩してまで話に乗る気はさらさらなし。当初、噂になっていたアーセナルは噂に終わり、4000万ユーロ(約52億4000万円)まで上げたといわれるローマの熱心なオファーは、レスターがすべて却下したようです。

7月から「モウリーニョ監督がウインガーをほしがっている」と伝えられていたマンチェスター・ユナイテッドは、本気スイッチが入ればデッドラインデーに無為な駆け引きはしないでしょう。何かとゴシップのネタにされやすいクラブなので、「ペリシッチやベイルが獲れなかったから」と主張するフランスメディア「SFR Sport」の記事を鵜呑みにするわけにはいきませんが、左サイドに比べて右からの崩しに迫力を欠くクラブが動く可能性を否定はできません。

「エヴァートンがヴァーディに4000万ポンド」という「デイリー・ミラー」の記事が最も無理筋に見えますが、ウジョアまで契約延長したレスターがストライカーを余らせているのは事実です。3人の移籍の可能性を報じる記事を読んで私が思うのは、「全員、今が売り時であるのは間違いない」ということです。ナサニエル・チャロバーにも代表から声がかかっているなかで、ドリンクウォーターは今後は呼ばれなくなる可能性があり、マフレズはこのまま残っても今まで以上の数字を残すことはなさそうです。プレミアリーグ開幕節のアーセナル戦で2ゴールを決めたヴァーディは、既に30歳。この夏は、彼を高く売れるラストチャンスでしょう。

プレミアリーグの中堅クラブにとって、近年の最高のモデルケースは、選手を換金しながら上位に進出してヨーロッパリーグ出場権までゲットしたサウサンプトンだと思います。アルデルヴァイレルト、デヤン・ロブレン、ナサニエル・クライン、ルーク・ショー、シュナイデルラン、リッキー・リー・ランバート、ガストン・ラミレス、ララナ、マネ、チャンバース…。古くはウォルコット、チェンバレン、ガレス・ベイルもこのクラブで若き時を過ごしており、今季が終わればウォード=プラウズ、レドモンド、セドリク・ソアレス、バートランドといった選手たちが発射台にセットされるものと思われます。クオリティが高い選手たちばかりでなく、ポチェッティーノやクーマンという素晴らしい指揮官までも手離してきたクラブは、2016-17シーズンもELとプレミアリーグの両立に苦しみながらも8位に踏ん張り、今もなおペジェグリーノ新監督の下で上位を窺っています。

これに倣えば、レスターは今こそ功労者たちを売るタイミングなのかもしれません。イヘアナチョ、イボーラ、デマライ・グレイと主力の穴を埋められる戦力は既に手元にあり、マンチェスター・シティのデルフなどを最終日に獲得できれば、さほど弱くはならないでしょう。泣いても笑ってもデッドラインデー。上位クラブが起こすサプライズに加えて、一昨年のプレミアリーグ王者の立ち回りにも注目してまいります。

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“ヴァーディ、マフレズ、ドリンクウォーター。レスターの主力は売り時か?残すべきか!?” への5件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    レスターがトッテナムのように将来的にビッグクラブを目指すならばマフレズやドリンクウォーターを高値がついているいまのうちに売却するべきだと思います。

    ローマのマフレズへの52億のオファーを拒否したのは衝撃でした。
    プレミアで優勝した年ならともかく去年のマフレズを見ていると52億で売れるなら万々歳ではないかと思ったのですが。

    戦力的にはドリンクウォーターやマフレズを売却してもトップ10には入れると思いますし、若手の有望株を買って育てて行く時期なのかなと思っています。

  2. COYS より:

    セインツが若手の発掘と育成の両方に秀でたクラブであり、近年における最良のモデルケースの1つであるというのは仰る通りだと思います。
    ただ、中堅クラブからステップアップしようとした時に、主力を売って若手を育てるというアプローチを維持し続けられるのかが問題になってくるような気がします。
    特に選手を高く売ることは簡単でも、いい選手(実績のある選手)を取るのは難しくなってきている昨今、野心的なクラブほど移籍市場での立ち回りが重要になるかと思います。
    セインツ経営陣が現在のサイクルを維持してプレミアリーグでの安定した地位を選択し続けるのか、上を目指していずれ方針転換するのか注目しています。

    レスターは1度リーグ優勝を経験したことで、経営陣の今後のビジョンがやや不明確になってしまっているかもしれませんね。
    育成もうまくいくとは限らないですし、経営陣もなかなかチーム刷新に踏み切れないのかなぁという気もします。
    ここ1〜2年で再びCL(やEL)を狙いたいという野心があって主力放出に躊躇しているようにも思えます。
    ヴァーディ以上のストライカーは獲得も育成も簡単にはいかないはずですし。

    ところでアルデルヴァイレルトのセインツ在籍はアトレティコからの単年ローンだったので他に名前を挙げられている選手達とは事情が少々違いませんか?
    セインツは当時完全移籍での獲得も狙っていたようですし。最初に名前が挙げられていたので少々気になりました。

    今年もデッドラインデーリポート楽しみにしています。

  3. スーパースパーズ より:

    マフレズは球離れが悪いので要りませんが ドリンクウオーターはバックアップとしてイギリス人ですし欲しいですねーパスも上手かった印象が強いです。守備がどうだったか。。。忘れちゃいましたが。どうでしたか?

  4. グッチ より:

    更新お疲れ様です。
    一気に全員売るとかでなければ1人2人抜けることはそこまで問題にならないと思います。ラニエリ二期で分かったように、このクラブはやるべきサッカーがはっきり固まっていれば戦えるのが証明されており、またマフレズが抜けてもグレイがその分育ち、またドリンクウォーターはいい選手ですが変えの効かないレベルとも思えません。ヴァーディが抜けると強豪相手にジャイアントキリングは難しくなりますが、降格を恐れることはないと考えます。
    なので、「如何にいい相手に売るか。」が肝であり、売っちゃっていい段階と考えます。

  5. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    そうですよね。それでも戦績をさほど落とさずにいける可能性大です。

    COYSさん>
    セインツは「上を目指す」という方針のようですが、安く育てて(仕入れて)高く売るのが絶妙にうまいクラブですね。「選手を換金して」という意味ではアルデルヴァイレルトは違いますが、「これだけ放出しても」というニュアンスで出しました。文章が言葉足らずでしたね。ご指摘は妥当だと思います。ありがとうございます。

    スーパースパーズさん>
    ドリンクウォーターも、パスコースを切るポジショニングやサイドに追いやるマークなど守備はうまいです。

    グッチさん>
    同感です。プレミアリーグ優勝でお金が入り、若くていい選手を獲れるので。

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