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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

足りないのは世界での実績だけ…プレミアリーグを彩る若きベルギー代表選手の顔ぶれ

GK:シモン・ミニョレ(リヴァプール)
DF:ヤン・フェルトンゲン(トッテナム)、トマス・ヴェルマーレン(アーセナル)
MF:ナセル・シャドリ(トッテナム)、ケビン・ミララス(エヴァートン)、
  ムサ・デンベレ(トッテナム)、ケビン・デブライネ(チェルシー)、
  マルアン・フェライニ(マンチェスター・ユナイテッド)
FW:ロメウ・ルカク(エヴァートン)、エディン・アザール(チェルシー)、
  クリスティアン・ベンテケ(アストン・ヴィラ)

本日の夜(日本では20日早朝)、日本代表が対戦するベルギー代表のメンバーで、プレミアリーグに所属している選手の顔ぶれがこれです。何とまあ、豪華なメンバーだこと。ここには負傷して今回、代表を外れているマンチェスター・シティのヴァンサン・コンパニや、今後の国籍選択で加わるかもしれないマンチェスター・ユナイテッドの若手MF、アドナン・ヤヌザイが入っていません。プレミアリーグ以外で活躍するベルギー代表選手は、バイエルン・ミュンヘンのファン・ブイテンやナポリのメルテンス、代表の正GKであるアトレティコ・マドリードのクルトワなどがいますが、クルトワはチェルシーからのレンタルです。このメンバーを見るだけでも、現在、FIFAランキング5位のベルギー代表から、どれだけの選手がプレミアリーグに参入してきているのかがわかります。今回の代表メンバーの平均年齢は、何と24歳。ワールドカップ欧州予選でクロアチアをものともせず、8勝2分でトップ通過したこの集団が、今後どこまで強くなるのかと考えると怖ろしくなります。

ちなみに現在、ベルギーリーグの上位は、川島永嗣が所属するスタンダール・リェージェ、ヘンク、ワレヘム、アンデルレヒトの順となっていますが、彼らの悩みは隣国オランダ同様、「選手が若いうちに国外へ流出してしまうこと」です。今季のチャンピオンズリーグに出場しているアンデルレヒトは、スタメンの平均年齢が22~23歳、過半数が20歳以下などということはザラ。控えにも有望な10代がゴロゴロいて、今や、この国におけるトッププレイヤーの王道は「10代で国内の有名クラブでレギュラーになり、2年ほど活躍したらプレミアリーグに高額の移籍金で買われること」なのです。

ある調査によると、今年の1月におけるベルギー代表選手の移籍金総額は、ブラジルとポルトガルに続いて世界第3位だったそうです。国外流出が少ないイングランドとスペイン、イタリアはともかく、ベテラン選手が多くて移籍金は上がるはずのオランダやフランスより上というところに、ベルギー選手への高い評価と熱い期待が込められています。そう、アテにならないFIFAランキングは置いといて、彼らは実質世界で3本の指に入るチームだといっていいでしょう。足りないのは、それを証明する国際大会での実績だけです。

歴史を振り返れば、ベルギー代表が世界にその名を知らしめた最初の大会は、1982年のスペインワールドカップでした。大会の初戦でディエゴ・マラドーナを擁する前回優勝国アルゼンチンに1-0で勝利。DFとMFが織りなす碁盤のように整備されたディフェンスの組織は「赤い悪魔の網の目」と呼ばれ、世界の注目を集めます。そして86年のメキシコ大会では、司令塔ヴィチェンツォ・シーフォとグルンらの活躍で世界4位にまで登りつめますが、この頃のベルギーは、あくまでもジャン・マリー・プファフやミシェル・プロドームといった小柄なGKを中心とした守りのチーム。2000年代後半には低迷した時代もあり、今のように攻撃のタレントがあふれんばかりのチームになったのは2010年を過ぎてからです。「ここで世界を獲らなければいつ獲るんだ!?」という”豊穣の10年”が始まったところ、というのが現在の彼らの姿。来年の夏、欧州勢が勝てないといわれる南米の地で、どこまでその実力を発揮できるのか、今から楽しみです。

コアなサッカーファンの間では、既に「ベルギーは強い」というのは常識となっており、明日のゲームを観る気満々な方も多いと思われますが、最近サッカーを観るようになった方々は、ベルギーといわれてもピンとこないかもしれません。ここでいいたいのは、「普段なかなか観られない世界最先端のベルギーサッカーを、この機会にぜひ堪能してください」「先日のオランダよりも数段、上のチームですから、本田圭祐の強気なコメントをうのみにせず覚悟して観てください」「いい選手を見つけたら、彼らを追いかけてプレミアリーグのチェルシー、エヴァートン、トッテナムの試合を観てみたりすると楽しみが広がります」ということです。15日にコロンビアとのフレンドリーマッチであっさり負けており、コンディションがやや心配ですが、若気の至りということで明日は超本気モードでくるでしょう。私の予想は「4-1でベルギー」ですね。横浜F.マリノスや浦和レッズが、海を渡ってチェルシー、マンチェスター・シティと戦う、ぐらいに思っておいたほうがいいと思います。アウェイですから、なおさら大変です。(トマス・ヴェルマーレン:写真著作者/Paul Blank クリスティアン・ベンテケ:写真著作者/Delval Loïc)

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“足りないのは世界での実績だけ…プレミアリーグを彩る若きベルギー代表選手の顔ぶれ” への4件のフィードバック

  1. プレミア大好き! より:

    個々の能力は最先端ですが正直チームとしてはまだまだ成熟してませんよね
    それでもやはり個の力で日本よりは確実に格上でしょうが、それでもつけいる隙は十二分にあると思います
    ここは2-1で日本勝利と予想しておきましょう
    あながち大穴でも無いと思っています

  2. チェルシー より:

    ベルギーはほんとにいい選手多いですよね(^^)

    過大評価なんて言われてますが、だてにクロアチア、セルビアと同居のグループを無敗で突破したわけじゃないでしょうし非常に楽しみです(^^)

    もう1つ下の世代にはヤヌザイ以外にもアンデルレヒトにルカクの弟、チェルシーからのローンでズレテ・ワレヘムにいるアザールの弟なんかもいてこれからドイツやスペインの様な強豪国になる可能性も秘めてますね。

  3. makoto より:

    プレミア大好き!さん>
    素晴らしい!ほぼ当たり、ですね。守備があそこまでおかしくなるとは思いませんでした。

  4. makoto より:

    チェルシーさん>
    そうなんです。小さな国なのに、今は欧州屈指の人材の宝庫です。80年代のユーゴスラヴィアを彷彿とさせますが、ベルギーは世界一や欧州ナンバーワンになれるのか、興味深いですね。

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