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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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2010年のイタリアの二の舞…ブラジルで惨敗必至のイングランド代表、復活への奥の手は開き直り!?

「イングランド代表にがっかりした」「他の試合を観ればよかった」という声しか聞こえてこないような寒いゲーム…昨日の夜は、日本のサッカーファンにとって過去、例がないほどのさまざまな選択肢がありました。日本代表がベルギーとどう戦うかに注目した人。「フランスやポルトガル、スウェーデンにワールドカップはあるのか」と、失うものの大きさにドキドキしながらワールドカップ欧州予選プレーオフに集中した人。そのなかで、決して多くはないものの一定層存在したのが「やっぱりサッカーは、イングランドVSドイツだろう」と、ヨーロッパ伝統の一戦に質の高いサッカーを期待した人々です。プレミアリーグやブンデスリーガを観続けているオールドファンや、バイエルンミュンヘン、アーセナル、リヴァプールなどの熱狂的なサポーターのなかには、この3つめの選択をとった方がそれなりにいたのではないでしょうか。しかし残念ながら、いちばん失望したのもまた、彼らだったようです。イングランド代表は、タウンゼントのポストに当たるシュートぐらいしか見せ場のないまま、聖地ウェンブリーで36年ぶりの連敗を喫しました。しかもチリ戦、ドイツ戦とも無得点。フレンドリーマッチとはいえ、状況は深刻です。

エジルもケディラもトマス・ミュラーも、ラーム、ノイアー、クローゼもいません。フンメルスは途中出場で、実質Bチームだったドイツ代表。一方、イングランド代表は、ルーニーとスタリッジをトップに据え、中盤にはジェラード、タウンゼント。DFにアシュリー・コール、GKハートと、テスト色は強かったものの、ホジソン監督がブラジルで使いたい主力選手を要所に配した布陣です。結局、得点シーンは1回だけ。39分、CKのクリアをフォローしたトニ・クロースが再度ラストパスを出し、メルテザッカーがヘッドで合わせたゴールです。これをドイツが守りきり、そのままタイムアップとなったわけですが、「ホームでの敗戦」「無得点だった」というだけなら、プレミアリーグファンも「このゲームを観たのは失敗だった」とまではいわないでしょう。問題は、サッカーの中身です。ドイツBチームに対して、Aダッシュくらいのはずのイングランドは、あまりにも無策でした。サイドからのクロスと、FWやタウンゼントの個人での打開以外に打ち手がなく、単調な攻撃に終始したことが敗戦の理由であり、観戦した人々が感じた寒さの原因でしょう。

今のイングランドを見ていると、2010年のワールドカップ南アフリカ大会で新陳代謝がうまくいかずベテラン偏重となり、ピルロやブッフォンのケガもあって1次リーグで1勝もできないまま大会を去った前回優勝国イタリアを思い出します。基本的には慎重派のホジソン監督は、このままだと「結果が出ない→実績とメンタル重視→テリーやジェラード、ランパードなどベテラン重用→クオリティが上がらず敗戦」という、リッピ監督が歩いた道をそのまま辿ってしまいそうです。イタリアは、前回ワールドカップのあまりにも手痛い敗退を受けてチームを一新し、2012年ユーロ準優勝と復活を果たしましたが、未だ世界のトップレベルに返り咲いた感はありません。イングランドも早く手を打たないと、2018年どころか2022年まで尾を引くようなことになりかねません。

というわけで、こんな案はいかがでしょう。「ルーニー、ジェラード、ランパードなど、求心力のある主力を数人だけメンバーに残しつつ、それ以外は2018年に主力となり得る25歳以下の若手に思い切って切り替えていく」。スターリング、ヘンダーソン、チェンバレン、ルーク・ショー、ロドウェル、ロス・バークリー、タウンゼント、フィル・ジョーンズ、モリソン。そしてジャック・ウィルシャー。もっと思い切れば、ノースロンドンの期待の若手、ハリー・ケインなどという選択肢もあります。せっかくだから、もうそこまでいっときましょう。やり過ぎでしょうか。現実的には、結果を求めるイギリス国民の厳しい視線があり、ホジソン監督にとっては2018年など自分とは何の関係もなく、長期的なミッションを協会と握っているわけでもないので難しいのでしょうが、ショック療法をかますぐらいじゃないとイングランドはこのままなだらかに落ちていくだけだと思います。

プレミアリーグにおける自国選手の比率はたったの26%。しかもその多くはベンチに座っています。ブンデスリーガの48%と比べれば、層の薄さは明らか。国家的な若手の発掘・育成など、やるべきことは多々ありながら、少なくとも眼の前で伸びつつある若手だけは、きっちり花を咲かせなければなりません。ベテランを出しても負け戦となりそうな大会だからこそ、「開き直って若手作戦」は、逆に効果がありそうですが、ホジソン監督、いかがでしょうか。そんなに無茶な戦略でもないような気もしますよ。うまくはまれば、前回大会で開幕直前にCFとGKを代えた極東の島国のように…。(ラヒム・スターリング 写真著作者/Inge Knoff)

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“2010年のイタリアの二の舞…ブラジルで惨敗必至のイングランド代表、復活への奥の手は開き直り!?” への9件のフィードバック

  1. グーナー より:

    いつも拝見させていただいております。
    イングランドはW杯に向けて不安な点が多いですね。
    残りのシーズンで復調する選手や代表のポジション争いに加われる新星が生まれるといいですが…

    ちなみにニャブリはドイツ人だったと思いますが間違えていたらすみません。

  2. プレミア大好き! より:

    アーセナルの Gnabryならドイツですね

  3. makoto より:

    プレミア大好き!さん>
    失礼!アクポムと混同してましたね。ご指摘ありがとうございます。修正させていただきました。

  4. makoto より:

    グーナーさん>
    タウンゼント以外の「超新星候補」では、ハリー・ケインとリヴァプールのアイビーがおもしろそうですね。既にプレミアリーグで頭角を表している選手では、バークリーとマンチェスター・ユナイテッドユース出身のモリソンがさらに伸びればそれだけでも充分おもしろそうですが。

    ニャブリの件は、そのとおりです。すみません。文章書くときゼラレム、ニャブリ、アクポムを混同することがままありまして。プレイ見ているときはそんなことはないのですが。先ほど修正させていただきました。

  5. トーレス下さい。あ、赤い方ね より:

    正直内容がショボイのは想定の範囲内でしたので、その部分については何の驚きもありませんでした。ただでさえ微妙なメンツのイングランドを中堅監督ホジソンが率いてるんですから、そもそも期待してはいけないチームだと思ってます。
    そんな自分が何よりもがっかりしたのは失点シーンでした。メルテサッカーのヘディングが決まるまでの一連の流れで、イングランドはゴール前に3度クロスをあげられていました。そしてその全てでドイツの選手が先に触っていた(はず)んです。ゴールが決まったのは3度目の正直という形で、これには本当呆れました。テクや戦術で劣っても、球際やぶつかり合いだけは譲ってほしくなかったんで。

  6. トーレス下さい。あ、赤い方ね より:

    正直内容がショボイのは想定の範囲内でしたので、その部分については何の驚きもありませんでした。ただでさえ微妙なメンツのイングランドを中堅監督ホジソンが率いてるんですから、そもそも期待してはいけないチームだと思ってます。
    そんな自分が何よりもがっかりしたのは失点シーンでした。メルテサッカーのヘディングが決まるまでの一連の流れで、イングランドはゴール前に3度クロスをあげられていました。そしてその全てでドイツの選手が先に触っていた(はず)んです。ゴールが決まったのは3度目の正直という形で、これには本当呆れました。
    テクや戦術で劣っても、球際やぶつかり合いだけは譲ってほしくないものです。イングランドなんですから。

  7. makoto より:

    スタメンの大幅な入れ替えはジェラード等はおそらくこの大会で代表引退ですから、ショック療法としては最適だと思います。
    それを行わないで彼らが引退して空いたポジションにスライドするような形であまり苦労もせずポジションを得ると、以前書かれていたような代表軽視に繋がることにもなりかねませんしやる価値はあるでしょう。
    もっと言えば、あくまでビジネスでWCが終わればおさらばの外国人監督とは違い自国民のホジソンはそれをやるべきだと思います、自分のキャリアには関係なくても。
    ただ、ホジソンの場合、ショック療法が功を奏せず、それどころか傷口を余計に広げるような酷い敗戦を喫してしまう「持ってなさ」を持っていますが……
    でも、たとえそうなったとしても、数年後にイングランド代表が何かを勝ち取れば「あれがターニングポイントだったね、今考えれば」ぐらいには語ってもらえるかもしれません。
    リバプールの時はそんな一点すら存在しない暗黒だったので、なんとか立て直してほしいです。
    と、まあ、ここまで書いてきてなんですが、この土壇場での監督交代が一番のショック療法だと思います、経験者としてはホジソンは「時間が経てば自然になんとかなる」的な思考回路にしか見えないほど外部では変化が乏しいです、ので彼と「開き直り」は水と油のような気が……元も子もない言い方なりましたがそう思います。

    —–
    トーレス下さい。あ、赤い方ねさん>
    今、イングランドが厳しいのは、選手のレベルよりもスピリッツのほうじゃないかと思います。魂を込めて戦えているのはテリーをはじめとする上の世代で、中堅以下に強い気持ちを持った選手がいないんじゃないか、と。ソル・キャンベル、アダムス、ベッカム、リネカーらは、若い頃から精神的に強い選手でした。今の20代でいえば、ルーニーはそれがありますが、彼は別の理由で代表で力を発揮しきれていませんね。

    つまり、イングランドは変わってしまったのではないか、ということです。それをふまえていま一度、戦う集団を作るなら、今から若手に切り替えるくらいの思い切りが必要なのでは?と思い、今回の記事に至りました。「経験や場が人を創り、育てる」ことを信じているものですから。

  8. makoto より:

    浮気性なリバサポさん>
    おっしゃっていることをまとめると、「2018年までハリー・レドナップ」なんていいかもしれません。過去の話は水に流して。最先端の戦略・戦術に長けた方ではありませんが、短期的なモチベートと、イングランドらしいチームづくり、若手の薫陶、これらをバランスよくできる監督だと思います。

  9. sei5ewfg0x1 より:

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