イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Brazil2014】ペルーに3-0快勝!早期敗退予想のイングランド代表が、意外といけそうな4つの理由

何しろプレミアリーグばかり観ているので、ワールドカップとなるとイングランド代表は気になる存在。毎回実施されている、ゴールドマンサックスの経済調査チームによる数値分析によると、イングランド代表は未勝利でグループリーグ敗退となるそうですが、私はウルグアイとともに決勝トーナメントに進出するとみています。死の組といわれるグループDで敗れ去るのはコスタリカとイタリアでしょう。イングランドの好材料は4つ。「強豪国といわれる国のなかでは、ケガ人やコンディションの悪い選手が少ないようにみえる」「やろうとしているサッカーがわかりやすい」「リーダーシップをとれるベテラン、中堅、若手とチームのバランスがいい」「ジンクス」です。

30日に行われたペルーとの親善試合は、3-0と快勝したものの、ゴールシーンはミドルシュートとセットプレイのみ。連携がよかったのはペルーのほうで、イングランド代表は赤いユニフォームに再三裏をとられ、図らずもGKジョー・ハートの調子のよさをアピールする試合となってしまいました。とはいえ、今季のSAS大爆発ですっかり自信をつけた、ダニエル・スタリッジの先制ミドルシュートはお見事。32分、スローインを受けて自ら持ち込み、ここというタイミングで迷いなく左足を振り抜いた一発は、心身ともに好調であることを証明しました。

後半の2点はいずれもセットプレイで、2点めの左CKは、レイトン・ベインズのロングボールの精度とケーヒルのヘディングの巧さを再確認したきれいなゴール。3点めのジャギエルカは、相手のGKとCBが競ってしまうミスによる「ごちそうさまゴール」でしたが、直前の親善試合は、気分よく勝つことも大事。3トップのコンビネーションはまだまだで、ホジソン監督のチーム構築力にも不安は残りますが、おそらくこれが最後の大舞台となる66歳のイングランド代表監督の魅力は、明快で思い切りがよく、サッカーがわかりやすいところです。

3トップにしたことで、ウェルベックとスタリッジの守備の負担は軽減され、普段マンチェスター・ユナイテッドの左サイドで相手のサイドMFを追いかける仕事にストレスをためているウェルベックは、後ろにヘンダーソンやジェラードがいてくれるのを心強く感じていることでしょう。イングランド代表の4-3-3は、アルゼンチン代表と近しいフォーメーションで、ルーニーがメッシ、ララナがディマリア、マスチェラーノの役割をジェラードが担うことになります。ランパードやウィルシャーは、2センターよりも後ろにアンカーがいる3センターのほうがより前に飛び出すことができ、ユーティリティの高いヘンダーソンが、中盤と前線をつなぐ役割を果たします。後半、リードを奪われたら、サイドを切り裂くスターリングと、前線に厚みをもたらすリッキー・ランバートの出番でしょう。以前の2トップより、それぞれの役割と攻め方は随分わかりやすくなったのではないでしょうか。

スペインとドイツはケガ人だらけ、フランス代表は好調ナスリを選ばず、イタリアのモントリーヴォとオランダのファン・デル・ファールトは欠場。スアレスとクリスティアーノ・ロナウドの出場が危ぶまれているなか、イングランドは大きくメンバーを落とすことなく本番に臨めます。ウォルコットとジェイ・ロドリゲスがいれば…という声もありそうですが、彼らがいたとしても、サイド攻撃のオプションはララナとスターリングがファーストチョイスだったと思われます。ポール・スコールズは、「昨季のプレミアリーグで素晴らしかったリヴァプールのサッカーをやればいい。4~5人スタメンにしてはどうか」とまでいっておりましたが、ベインズを外してまでフラナガンを入れるかどうかはともかく、ウェルベックではなくスターリング、というのもおもしろいですね。「攻撃はリヴァプール+ルーニー」でいけば、クラブチームよりも連携の熟成度を上げにくい代表チームにおいて、手っ取り早く有機的なサッカーを実現できるかもしれません。

いやいや、そうはいっても、ブラジルやアルゼンチン、ウルグアイ、スペイン、ドイツ、オランダ、ベルギーと比べたらイングランドは劣るでしょう、普段誰のおかげでプレミアリーグの強豪チームは成り立ってるの?といわれれば、返す言葉がないのも重々承知しています。そこで最後に、とっておきの切り札である「ジンクス」を。

1966年、イングランドがワールドカップで優勝した年、チャンピオンズカップ(=チャンピオンズリーグの前身)を勝ったのはレアル・マドリード。スペインでバルサ、レアル・マドリードを抑えてリーグ優勝したのはアトレティコ・マドリード。さらに、その年のFAカップは、0-2からの逆転で、3-2で勝負が決まっています(優勝はアーセナルではなくエヴァートン)。どうです!イングランド、いけると思いませんか!?

とまあ、イングランドがいけそうな理由を並べてみたものの、私の優勝予想はアルゼンチン、ファイナルはブラジルとの南米対決、イングランドはベスト8で開催国に完敗というシミュレーション。応援するのはもちろん、香川真司と吉田麻也の日本代表です。そういえば、グループリーグでイングランド1位⇔日本2位、イングランド2位⇔日本1位なら、直接当たるんですよね。いくらプレミアリーグ大好きといっても、これは譲れません。日本とやらずに済めば、イングランドはベスト8にいける可能性がありますので、ホジソン監督はそのへんをよく考えて、星勘定をされたらいいのではないかと思います。というわけで、6月~7月の本ブログは「ワールドカップとプレミアリーグ、50:50」でお送りしたいと思います。この夏もぜひ、お立ち寄りください!

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“【Brazil2014】ペルーに3-0快勝!早期敗退予想のイングランド代表が、意外といけそうな4つの理由” への6件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    3トップ??
    ジェラード、ヘンダーソンの2ボランチの4231だと思いますが
    433はデンマーク戦でしたよ

  2. makoto より:

    ペルー戦に限らず、イングランドは4-2-3-1と4-3-3の併用で、試合中でもいろいろ変えてくる、という認識でしたが、私の解釈が間違ってますかね?少なくとも、ウェルベックの守備の負担は、マンチェスター・ユナイテッドよりも軽く見えました。

  3. londres nord より:

    W杯TOTOが面白そうです。悩んだのは独ーポルトガルだけで、英ー伊は、引き分け。日本ー象牙海岸は、日本の負けと引き分けで買ってみました。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    怪我人だらけのスペインの方が怪我人がたいしていないイングランドよりもいいメンツ揃ってるのが現実か
    いい加減自国の選手を育てる枠組み作らないとな

  5. makoto より:

    londres nordさん>
    おお、大胆な買い方しましたね。ベテランが多いコートジボアールは、後半バテそうなので、日本にチャンスありと読んでますが、どうなるでしょう。

  6. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    個々のクラブの育成頼りでは限界がありますね。FAがどうするのかに注目です。

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