イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Brazil2014】最後はスアレス!イングランド、ルーニーの初ゴールむなしく連敗で敗退寸前!

ガリー・ケーヒルとスアレスのマッチアップは、プレミアリーグで見慣れた風景。一方、スアレスとスタリッジが逆サイドにいる「SAS対決」はワールドカップならではです。両者0勝1敗、負けたらグループリーグ突破が風前の灯となるサバイバルマッチ。決定機の数はほぼ互角で、どちらが勝ってもおかしくないゲームでした。しかし、勝ったのはウルグアイ。マンチェスター・ユナイテッドサポーターとしては、ワールドカップ初ゴールで同点に持ち込んだルーニーに酷なことを言いたくはありませんが、結局は「決定力の差」という言葉になってしまうのでしょうか。イングランドは2戦連続の1-2、いずれも力負けで、勝利を喜びを味わう前に夏を終えようとしています。

ボールを左右に散らして、クロスからゴールを奪おうとするイングランドと、小刻みなパスワークと縦パスからのカウンターを織り交ぜながら、スアレスとカバーニという稀代の2トップにラストパスを送ろうとするウルグアイ。15分にはクリスティアン・ロドリゲスのシュートがバーすれすれを襲い、直後のスタリッジのシュートはDFがカット。両者とも積極的にシュートを放つも、枠内に収めることができません。先に決定的なチャンスを迎えたのはイングランド。31分、ジェラードのFKをルーニーがヘッドで合わせ、シュートはバーを直撃。ピンチをしのいだウルグアイは、39分、トップ2人のコネクションでついに先制します。ペナルティエリア左から、ピンポイントでスアレスに合わせたカバーニのクロスはお見事。プレミアリーグ得点王は、GKジョー・ハートの位置を見ながら、彼が触れない左隅にヘディングシュートをコントロールします。ウルグアイ、1-0。やはりこのチームは、スアレスがいるといないとで違います。

戦半終了直前に、ルーニーの優しいパスから抜けた「SAS」スタリッジのシュートも決まらず。2点が必要なイングランドに残された時間は、45分しかありません。

後半、先に攻勢をとったのはウルグアイ。スアレスのクロスとCKが、きわどいコースに飛びますが、ジャギエルカとケーヒル、GKハートの集中力は高く、簡単にシュートを枠に打たせません。イングランドが惜しかったのは、54分のルーニー。DFのブロックが入らない、視界が開けた状態からシュートが打てるという千載一遇のチャンスに、エースは左足シュートをGKに当ててしまい、ワールドカップ初ゴールはなりません。ホジソン監督は、スターリングをロス・バークリー、ウェルベックをララナにスイッチ。選手交代がプラスに作用しなかったイタリア戦と、出す順番が違うだけのカードに、イングランドの組織としての限界が垣間見えます。同点の予感がないまま、ゲームは残り15分。75分、グレン・ジョンソンが右サイドから突破を図り、グラウンダーを中に入れようとするものの、当たり損ねのキックが弱々しくゴール前に転がります。しかしこれが、GKが出にくい絶妙のコース。DFを置き去りにして、左足でプッシュしたのはウエイン・ルーニー!ワールドカップでついに決めた1点は、値千金の同点ゴール!

1-1となり、形勢は互角。ドローに終わりそうな空気が漂うなか、一発で世界を変えたのは、プレミアリーグで何度となくイングランド人DFを翻弄してきた男、ルイス・スアレスでした。長いゴールキックを中盤で競り合い、後ろにそれたボールにいち早く反応したのは、抜け目のない背番号9。ここで先に裏に走っているのが、ワールドクラスの証明です。ここまで堅実な守備をみせていたケーヒルは完全に置いていかれ、右足の強烈なシュートがジョー・ハートを破るのを見送るほかはありませんでした。スアレスのポジションはオフサイドでしたが、ヘディングでボールに触れたのはジェラードだったのでしょうか。2-1、残りは5分。ここで、いよいよ登場です。31歳で代表デビューの遅咲きストライカー、リヴァプールへの移籍が決まったリッキー・リー・ランバート。これは、よかった。イングランドのワールドカップが終わる前に、ランバートをピッチで観たいと思っていました。できれば、苦労人が世界の舞台でゴールを決めるシーンまで観たかったのですが…。

イングランドの波状攻撃は、結局実を結びませんでした。サイドからのクロスという正攻法でしかゴールに迫れない攻撃陣。崩せないときに複数の選手が絡む動きがなく、ルーニーのアイデアが頼りという個人担保のサッカー。彼らのチャレンシは、2試合ともいい試合でしたが、イタリアやウルグアイに勝ちきるには何かが足りなかったのは間違いありません。イタリアが3連勝すれば、残る可能性はあるものの、スアレスが完全復活したウルグアイは負けないのではないでしょうか。それでも次戦は、ぜひ勝利を飾っていただいて、イングランドらしくワールドカップを戦い抜いていただければと思います。うーん、残念。それにしても、スアレスはすごい。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“【Brazil2014】最後はスアレス!イングランド、ルーニーの初ゴールむなしく連敗で敗退寸前!” への3件のフィードバック

  1. Uボマー より:

    リバプールファンには楽しい試合でしたね(笑)
    スアレス・コアテス・ジェラード・スタリッジ・スターリング・ヘンダーソン・ジョンソン・ランバート・ララーナ(仮)

    —–
    お爺ちゃん監督対決、FCスアレス対FCルーニーは、イングランドの負け(笑)。残念です。
    イングランドの今日の出場選手は、意外とタトゥーを彫ってる人が少ないですね、ジョンソンとランバートくらいでした。

    —–
    イングランドは良い試合したって言えますかね。
    ウルグアイのおかげで面白いゲームは見せてくれましたけど、やっているのはモイーズユナイテッドと同じに感じました。
    それに比べるとファン・ハールはちょっと期待できそう。スペインの強みもしっかり消してましたし。イタリア戦でも感じましたが、イングランドは何故相手の強みを消しにいかないんですかね。プレミアのほうがしっかりとした守備戦術を採っているように思います。

  2. リバサポ より:

    スアレス、バロンドールとれませんかね?
    グループ突破して、ベスト8くらいにいけばありうると思います

  3. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    確かに。どちらが勝っても盛り上がれる、まれにみるハッピーな試合です。

    londres nordさん>
    ランバートには、もっと長い時間、ピッチにいてほしかったです。

    Uボマーさん>
    あのメンツで、あれぐらいのサッカーしかできないのがホジソンの限界なのだと思います。彼らがやってきたサッカーを思い出せば、健闘はしたのではないでしょうか。

    リバサポさん>
    私も、今の彼には獲ってほしいです。ベスト8といわず、前回ぐらいまで上がっていただいて、できれば得点王を。最初いなかったのに得点王を獲ったら、プレミアリーグと同じですね!

Uボマー へ返信するコメントをキャンセル