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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Brazil2014】助演男優賞のキーマンがチームを救う…120分の激闘を制したのはアルゼンチンとベルギー!

ブラジルがチリ、オランダはメキシコ、フランスはナイジェリア、ドイツはアウトサイダーだったはずのアルジェリア。欧州と南米の強豪が、楽勝できると思われた格下の国相手に苦戦を重ねています。アルゼンチンの相手は最新のFIFAランキング6位のスイスで、ベルギーに挑むのは、GKティム・ハワードを中心に堅守を誇るアメリカ。この2試合も簡単には終わらないと予想しておりましたが、どちらも90分で決着がつかない消耗戦となりました。

ロナウジーニョやカカといった、ゲームを創れる10番タイプの選手を代表に呼ばず、守備重視の中盤とシンプルな攻撃を志向するブラジルは、プレミアリーグでいえばさしずめチェルシー。一方のアルゼンチンは、危なっかしい守備陣を抱えつつ攻撃陣にタレントを揃え、10番のメッシが決めれば勝つという、ファン・ペルシが試合を決めていた一昨年のマンチェスター・ユナイテッドのようなチームです。南米2強が相反するスタイルで戦うなか、ブラジルはフィニッシュに苦しみ、アルゼンチンは攻めあぐんでも単調な攻撃に変化をつけられません。スイス戦のアルゼンチンも、ポゼッション64%と圧倒的に攻め込みながらもゴールを陥れることができず。メッシが持ち込むところまでは脅威なのですが、シュートレンジでは壁を作られ、メッシのパスの出し先を止められるシーンが多く、枠内シュート8本と、決定的なシュートを打たせてもらえませんでした。

最終的にはPK戦も辞さず。少ないチャンスを活かして最少得点差で勝とうというスイスの目論見は、延長終了2分前にメッシのラストパスを受けたディ・マリアのゴールに打ち砕かれました。左からのグラウンダーを丁寧に合わせた決勝ゴールは「GKの触れないところに打てば、ぎりぎりにいかなくとも入る」といわんばかりの冷静な一発。スイスは最後の意地を見せ、追加タイムを含むラスト5分で反撃に転じますが、ジェマイリのヘディングシュートはポストを直撃。跳ね返ったボールがジェマイリの足に当たるも、飛んだコースはわずかにゴールの外!シャキリのFKも壁に阻まれ、スイスはイーブンで戦える唯一の機会であるPK戦を前に、ワールドカップを諦めることになりました。

スイスは、引きすぎましたね。彼らの力をもってすれば、守備組織に不安のあるアルゼンチンからゴールを奪える可能性は充分にあったと思います。しかし、守備を優先するあまり、攻撃はいつも少人数。28分のシャカと、39分のドルミッチの抜け出しからのループシュート以外は、シャキリの突破とラストパスしかない状態では、クリーンシートもやむなしでしょう。

アグエロの負傷でラベッシが入ったアルゼンチンでしたが、イグアインはゲームから消えがちで、ラベッシのアタックもパリでしばしばみせる熱狂を再現できす。中盤を支えるマスチェラーノ、運動量と強烈なミドルシュートで攻守に貢献するディ・マリアと試合を決めるメッシ以外は、機能しているとはいえません。スイス戦は、「助演男優賞」ディ・マリアの献身と落ち着きに救われた一戦でした。

1時間半前に終わったゲーム同様、延長戦に突入したベルギーとアメリカは、アルゼンチンとはまったく違うゲーム。両チーム合わせてシュートは何と56本。プレミアリーグさながらのキレのいい突破を見せたアザール、抜け出すところまでは脅威だったオリギ、絶妙のタイミングで配球するデブライネを中心に、ベルギーが放ったシュートは38本!決勝を待たずして、アメリカの守護神ティム・ハワードは、大会最優秀GKに選出してもいいのではないかと思います。ベルギーのシュートは、高い確率で枠をとらえておりましたが、ハワードはそのほとんどをビッグセーブでつぶし、疲れて動けないフィールドプレイヤーを延長戦へ誘いました。スコアレスとは思えない、殴り合いのような90分。GKがいいゲームは、やはり盛り上がります。

ヴィルモッツ監督は、ルカクをうまく使いましたね。90分を終えて足が動かなくなったところに、フィジカルが強い快速FWを入れられると、守る方は苦しくなります。93分、右サイドをルカクが抜けると、最後はこの日の「助演男優賞」デブライネが狭いコースを抜いてついに先制!105分には、今度は左から抜け出したルカクが、さすがのハワードもノーチャンスの強烈な左足で2-0。アメリカも延長後半頭にグリーンが決めて1点差とし、最後まで粘りましたが、コンパニとファン・ブイテンのCBコンビとGKクルトゥワの必死の守りを2回も突破することはできませんでした。

次戦は、昨日激戦を潜り抜けたアルゼンチンとベルギーが激突するわけですが、彼らに与えられた休養は3日間だけです。6日のクォーターファイナルは、どちらが最後まで走り抜けるかというサバイバルゲームとなりそう。この日のディ・マリアやデブライネのような、伏兵の活躍が勝負を左右するような気がしますが、果たしてチームを救うのは誰でしょうか。不調のイグアインか、ラベッシか。それともメルテンスか、もしかすると、マンチェスター・ユナイテッドの19歳ドリブラーが…。(アンヘル・ディ・マリア 写真著作者/Alejandro Ramos)

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“【Brazil2014】助演男優賞のキーマンがチームを救う…120分の激闘を制したのはアルゼンチンとベルギー!” への2件のフィードバック

  1. Joe より:

    勝負を決めるのはユナイテッドのアフロ君かも(笑)
    アザールかルカクだと思います。

  2. makoto より:

    Joeさん>
    お、ベルギー推しですね。ルカクが調子上げてくるかもしれないですね。ストライカーは、勢いが重要なので。

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