2025.10.14 監督トピックスマンチェスター・ユナイテッドの話題
ときどき気になる謎采配…ルーベン・アモリムはなぜ、終盤にCBを代えるのか?

一方で、5勝しているのがアーセナルとリヴァプールのみという混戦気配は、悪くない展開とはいえるでしょう。4位ボーンマスと4ポイント差は射程圏内。マテウス・クーニャ、シェシュコ、エンベウモが加わった前線の攻撃力は高まっており、ようやくデビューを果たしたセネ・ラメンスによって最終ラインが落ち着けば、欧州のチケットを狙えるシーズンになるかもしれません。
調子に乗って、さらに楽観論をかぶせてみましょう。メディアやファンは、いくつかの勝敗によって評価が極端に変わることがあります。昨季のプレミアリーグは厳しかったものの、ヨーロッパリーグを制してCL出場権を獲得していれば、就任2年めのクロップやアルテタのように期待感が高まっていたのかもしれません。選手たちもより自信を深めて、今季に臨んでいたはずです。
あるいはブルーノ・フェルナンデスがフラム戦とブレントフォード戦でPKを決めていれば、4勝1分2敗で5位となり、盛り上がっていた可能性があります。7試合で5つもバーやポストに当てており、いずれかの決定機を活かせていれば、アモリム解任論は勃発しなかったでしょう。すべて「たら・れば」ですが、勝ち負けの重みが大きい序盤戦は、運・不運やミスが評価を左右するケースがあるというお話です。
そもそもチームが不振に陥った最大の理由は、新たな監督が導入した3-4-2-1を消化できなかったことによる混乱と不安で、戦術や個々のプレイ自体よりメンタルの問題が大きかったのだと思われます。週末のアンフィールドで何とかポイントをゲットし、テンションを上げてほしいのですが…アモリム采配を見ていると気になることがあります。
今季の人選をチェックしてみると、前線・中盤・最終ラインでそれぞれ主軸となる選手を決めて、その他のポジションはコンディションなどを見ながら最適な選手を配しているようです。前線のキーマンはエンベウモ。全試合先発のウインガーを代えたのは、2点リードのチェルシー戦とサンダーランド戦だけです。2戦連発のシェシュコも、今後は常時スタメンになるのでしょう。
中盤の軸はキャプテンのブルーノ・フェルナンデスで、87分にメイヌーと代わったチェルシー戦以外に途中交代はありません。WBはドルグ、アマド・ディアロ、ダロト、マズラウィのローテーションで、最終ラインのデ・リフトは全試合フルタイム出場です。ルーク・ショーもレギュラーで、レニー・ヨロは2試合をマグワイアに譲っています。
ここまではいいとして、いつも「謎采配」と思うのは、終盤のCBの交代です。レニー・ヨロは、開幕のアーセナル戦以外はピッチで90分を過ごしたことがありません。セーフティーリードのゲームなら、「違う組み合わせを試したかった」「サブの選手のコンディションを上げかった」などと受け取れるのですが、スコアと交代策の関係がわからないのです。
バーンリー戦でマズラウィと代えたときは2-2。マンチェスターダービーのマグワイア投入は0-2で、62分という早い時間でした。ルーク・ショーの途中交代は3回で、マグワイア、マグワイア、メイソン・マウント。こちらはすべてゴールがほしい状況でのスイッチングで、意図はわかる気がするのですが、レニー・ヨロを頻繁に下げる理由は不明です。
「スカイスポーツ」によると、アモリムは就任以来のプレミアリーグで、21通りの3バックの組み合わせを採用しているそうです。もちろんぶっちぎりのTOPで、2位は昨シーズンの最下位だったサウサンプトンの13通りで、3位は今シーズンの最下位のウルヴス。「不安定な守備の要因のひとつは、一貫性の欠如」という分析に対して、指揮官の反論はあるのでしょうか。
前線と中盤の交代策も、効果的とはいえません。アモリムが来てからのプレミアリーグで、「途中出場でゴールを決めた選手」「途中出場で失点につながるミスをした選手」のプラスマイナスを取ると、2ゴールで3失点のマンチェスター・ユナイテッドは、23チームのなかで唯一のマイナスとなっています。ちなみにリヴァプールとアーセナルは、10ゴールで失点ゼロです。
アモリムの不思議ローテと謎采配は今後も続くのでしょう。先発ゼロのザークツィーとメイヌーの移籍の噂が絶えないのは、単に出場機会が少ないからではなく、自らの役割がわからずモチベーションが上がらないからでは?と邪推してしまいます。リヴァプール戦は、どんな展開になるのでしょうか。終盤に入っても安心して見ていられる快勝を期待したいのですが…。
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