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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

余剰戦力の売却優先か、高額の移籍金か、一括払いか…アーセナルがエゼの獲得に動かない理由とは?

長きにわたって追いかけていたマルティン・ズビメンディを丁寧に口説き落とし、ケパ・アリサバラガとノニ・マドゥエケ、クリスティアン・ノアゴーア、クリスティアン・マスケラはスピード決着。スポルティングCPとのハードな交渉をうまく着地に導き、ヴィクトル・ギョケレスまで手に入れたアーセナルの補強は、スムーズで的確と称えられていました。

最後のターゲットと見られていたクリスタル・パレスのエベレチ・エゼは、本人も乗り気と伝えられていました。ストライカーを獲得した勢いで、すぐに決めにいくかと思いきや、アンドレア・ベルタSDは慎重な姿勢を崩していません。あれほどアグレッシブに動いていたアーセナルはなぜ、沈黙を守り続けているのでしょうか

彼らが足を止めた理由について、仮説を並べてみましょう。「FFPとPSRをふまえて余剰戦力の売却を優先している」「イーグルスが要求する一括払いを嫌っている」「リヴァプールの動きをリスクと捉えて注視している」「他の選手を天秤に乗せている」「左サイドは急ぐ必要はない」。いずれにしても、6800万ポンドの高額移籍金が懸念材料となっているようです。

サンビ・ロコンガ、ファビオ・ヴィエイラ、リース・ネルソン、カール・ハインらの放出を先に決めたいという説はリアリティがありますが、チェルシーのような積極的な動きがないのが気になります。フラムと交渉中のリース・ネルソンと、ドルトムントが興味ありといわれるレアンドロ・トロサール以外は、現状の照会や打診すらなく苦戦していると捉えるのが妥当なのかもしれません。

金曜日に「エゼのリリース条項が解除された」という報道がありましたが、サウスロンドンは6800万ポンドという要求額を下げる気はなさそうです。「フットボールロンドン」に寄稿したジェームズ・クインラン氏は、「リリース条項の失効は8月15日という説もある」としながら、「いずれにしてもアーセナルは、6000万ポンド以上を一括で支払うつもりはない」といっています。

クリスタル・パレスが分割払いに応じれば、話は進むのか。いや、今回のディールはシンプルな話ではないようです。「ミラー」のベン・クロフォード記者は、「リヴァプールがマーク・グエイを獲得したら、主力を2人も抜かれたくないクリスタル・パレスがガードを固める懸念がある」と主張しています。FAカップを制したクラブがひとりだけ手離すなら、契約が残り1年のCBでしょう。

「複数のターゲットを比較している」という説は、本人の意思がわからないロドリゴと、マグパイズが断固拒否のアンソニー・ゴードンに進展がないので、当面は消してもよさそうです。レアル・マドリードのブラヒム・ディアスが噂になっていますが、具体的なアクションはないと報じられており、エゼがNGとなった際の保険としてリストアップしただけでしょう。

直近の情報から判断すると、「余剰戦力の売却優先」「一括払いNG」が有力で、アンドレア・ベルタSDとスタッフは長期戦を覚悟しているのだと思われます。さらにもうひとつ、新説があるのですが、あくまでも推測です。「エゼに何らかの疑念が生じた」。こちらは、「ESPN」のジェームズ・オリー記者が伝えたストライカーの検討におけるエピソードからの発想です。

昨日配信された記事によると、ニューカッスルのアレクサンデル・イサクを詳細にリサーチしたガナーズは、いくつかの疑念を抱いていたそうです。「そもそもニューカッスルが放出する可能性が極めて低い」「1億ポンド以上の移籍金に見合う力があるのか」。彼らが着目したのは、イサクのフィットネスの記録で、新たな9番に求めているエネルギーの欠如が疑われたといいます。

この話はイサク獲得の是非自体ではなく、「移籍金を妥当とするかリスキーと判断するか」という視点です。記者によると、イサクもシェシュコも高額の移籍金とサラリーをリスクとジャッジして見送られたのこと。エゼの6800万ポンドも、高いか安いかというシンプルな見方ではなく、失敗の可能性と損失のシミュレーションでNGとなるかもしれないというお話です。

守備の意識が高いマルティネッリのパフォーマンスが向上すれば、今のメンバーでも充分戦えるので、急ぐ必要がないともいえるでしょう。しばらくはマックス・ダウマンのプレイを楽しみながら、続報を待ちましょう。15歳のワンダーキッズは、サカやヌワネリと同じ右サイドですよね。ノニ・マドゥエケは必要だったのか?とついつい思ってしまう今日この頃であります。


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