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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【Liverpool×MAN.UTD】決めたのはマグワイア!アモリムは初の連勝、スロットはまさかの3連敗!

アンフィールドのプレミアリーグ8節は、リヴァプールVSマンチェスター・ユナイテッド。ルーベン・アモリムが奇策に走るのを懸念していたのですが、レニー・ヨロとシェシュコをベンチに置いたのは戦術的な理由でしょうか。スロット監督の試行錯誤が続いている右のSBには、ドリブラーをぶつけたほうがいいのではないか…。

さっそく、両チームの先発を確認しましょう。リヴァプールの布陣は、「計算できる11人」といったところでしょうか。GKママルダシビリ、DFブラッドリー、コナテ、ファン・ダイク、ケルケズ、MFフラーフェンベルフ、ショボスライ、マック・アリスター、FWサラー、イサク、ガクポ。対するマンチェスター・ユナイテッドは、サンダーランド戦から最前線を代えただけです。

GKラメンス、DFデ・リフト、マグワイア、ルーク・ショー。WBはダロトとアマド・ディアロ、2センターはブルーノ・フェルナンデスとカゼミーロ、前線はエンベウモ、メイソン・マウント、マテウス・クーニャ。開始1分、ファン・ダイクのクリアをカットしたブルーノ・フェルナンデスが、右のアマド・ディアロに展開すると、ボックス右に絶妙なラストパスが転がりました。

ファン・ダイクとコナテの間から抜け出したのはエンベウモ。右足のシュートがママルダシビリの体に当たてネットを揺らし、アウェイチームがいきなり先制しました。競り合いで頭部から出血したマック・アリスターは、プレイできるようです。リヴァプールのスローなパスワークは、自分たちのペースを取り戻そうとしているように見えます。

ママルダシビリのロングフィードで、左からガクポがスプリントしたのは6分。最初のクロスはマグワイアが冷静にクリアし、2本めも打てる形にはなりませんでした。ラメンスはセーフティーファーストで、ひたすらロングフィード。レッズの最終ラインは、縦パスを出せるスペースを窺っています。13分の左からのFKをファーで競ったファン・ダイクのヘッドは、右に外れました。

18分のスローインからイサクとサラーがパス交換し、9番がニアに折り返すとサラーは打ち切れず。ショボスライ、サラー、ガクポとスピーディーにつながった20分のカウンターは、中に持ち込んだガクポのシュートが右のポストを叩きました。マテウス・クーニャのサイドチェンジが、右のアマド・ディアロに通ったのは24分。グラウンダーに走り込んだブルーノはフリーです。

右足のダイレクトショットは、ポストにヒットして右にアウト。狙いすぎたキャプテンは天を仰いでいます。27分には、右サイドのエンベウモが斜めのボールをボックスに流し、マテウス・クーニャが速いクロスをフィード。ママルダシビリがファンブルするも、詰めていたメイソン・マウントはタッチを浮かしてしまいました。

その1分後、ブルーノのスルーパスがケルケズの裏へ。SBのスライディングでボールはゴール前に流れ、エンベウモと競ったGKがかろうじて先に触りました。クリアを拾ったメイソン・マウントの左足シュートも、GKがセーブ。レッズの守備陣は、ラインの裏に出るボールへの対応のまずさがピンチを招いています。

29分、ケルケズのアーリークロスはダロトの足元へ。クリアをカットしたイサクのシュートは、左に逸れていきました。33分にガクポが左から突破を図り、ファーにクロスを入れると、ラメンスの頭上を越えたボールがポストを直撃しました。35分には、コナテの縦のスルーパスでイサクがラメンスと1対1。右足の一撃は、コースを消したGKのビッグセーブに阻まれました。

マンチェスター・ユナイテッドは、最終ラインからの高速のフィードをケアする必要があります。42分に右から打ったマテウス・クーニャのミドルは、腰が入らず左にアウト。リヴァプールのサイドアタックはクロスの精度を欠き、ことごとくクリアされています。ハーフタイムは0-1。ここまではアウェイチームのペースといっていいでしょう。

後半立ち上がりの48分、FKからの二次攻撃でブルーノがマック・アリスターにパスをカットされ、カウンターが発動。逆サイドをフォローしたルーク・ショーが、ガクポのファールを誘いました。50分のFKから、サラーのクロスがボックス左のガクポに入ると、まわり込んで右隅を狙った一撃はまたもポスト。54分のCKを叩きつけたサラーのボレーは、バーを越えていきました。

アモリム監督が動いたのは58分。イエローをもらっていたアマド・ディアロとカゼミーロを下げ、ウガルテとドルグを投入しました。さらに61分、メイソン・マウントをシェシュコ。スロット監督はガクポ、フラーフェンベルフ、マック・アリスターに代えて、エキティケ、ヴィルツ、カーティス・ジョーンズを送り出しています。

64分のエキティケのミドルは、右にアウト。1分後、ハーフライン付近でヴィルツがこぼれ球を拾うと、一気に7対5のショートカウンターとなりました。ケルケズのアーリークロスにマグワイアは触れず、ファーのサラーがフリーでトラップ。ラメンスが間合いを詰めると、余裕を失ったエースは右に外してしまいました。

オープンな展開は、トランジションで勝るリヴァプールの望むところでしょう。69分に左からカットインしたエキティケのシュートは、ファーポストの外。マンチェスター・ユナイテッドの5-4-1は、全員自陣に引かされています。71分、イサクに代わってフェデリコ・キエーザ。リヴァプールの最大の脅威は、クロスが入ったときにゴール前の人数が多いことです。

アンフィールドが湧いたのは78分。左からエキティケが中に斬り込んで混戦となり、こぼれ球を収めたヴィルツが左に流すと、フェデリコ・キエーザがゴール前に入れたボールをガクポがプッシュしました。爆音のチャントとブーイング。アウェイチームは、パスミスが目立ち始めています。84分のブルーノのCKはサインプレー。ボックス手前のエンベウモはフリーでした。

ダイレクトショットがフェデリコ・キエーザの背中に当たると、キャプテンはダイレクトでファーに浮かしました。コナテの背後に出たマグワイアのヘッドはパーフェクト!1-2になったタイミングで、アモリム監督はルーク・ショーとブルーノを下げ、メイヌーとレニーヨロを入れています。残り時間は5分。アンフィールドの期待を背負ったリヴァプールの猛攻が始まるはずです。

レッズの右サイドからサラーが消え、フリンポンがいます。86分にドルグがかわされ、フリーのガクポにクロスが届いた瞬間、スロット監督の策が的中したと思って目をつぶりました。しかし18番のヘッドはうまく当たらず、左にアウト。追加タイムは8分です。ヴィルツ、エキティケ、ガクポ、エキティケらが仕掛ける波状攻撃に、耐えられるとは思えなかったのですが…。

ボックスの左右を制圧したレッズは、シュートを打てる形を創れず。最終盤をCKからのコナテのヘッダーのみに封じたマンチェスター・ユナイテッドが、1-2でタイムアップを迎えました。ルーベン・アモリムの就任以来、プレミアリーグで初の連勝。スロット監督の公式戦4連敗は、キャリアワーストです。

ポゼッションは63%対37%、シュートは19対12、オンターゲットは6対4、xGは2.76対1.26。主要スタッツは軒並みリヴァプールが上回っていたのですが、ビッグチャンスは5対5で、ミスが多かったほうが敗れた一戦でした。キックオフ直後のゴールは、CBの連携ミスというべきか。直前までブルーノを見ていたキャプテンは、エンベウモにはコナテが着くと思っていたのでしょう。

決勝ゴールのシーンは、エンベウモが打った後、浮いたボールをダイレクトでファーに送ったブルーノの手柄です。ファデリコ・キエーザがブロックしたのを見たカーティス・ジョーンズとガクポはラインを上げており、マグワイアに向かってボールが上がったとき、外にいたデ・リフトとドルグもノーマークでした。キャプテンがトラップしていたら、対応されていたでしょう。

レッズの誤算は2失点に絡んだコナテだけでなく、イサク、サラー、マック・アリスターも低調でした。ポストに3回当てたガクポは、ゴールを決めたものの、1-2となってからのヘディングのミスは痛恨のひとこと。ヴィルツの巧みなドリブルと意外性があるパスは脅威で、ガクポのゴールの起点になりましたが、白いシャツがベタ引きした最終盤はラストパスを通せませんでした。

3位に転落したリヴァプールの次節は、ホームでは手強いブレントフォード。アーセナルとは4ポイント差で、これ以上引き離されるわけにはいきません。4位に2ポイント差に迫ったマンチェスター・ユナイテッドは、オールド・トラフォードでブライトン。今日の戦い方を続けられれば、3連勝も狙えるでしょう。久々のアンフィールドでの勝利を見て、眠れない夜になりそうです。


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