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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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スリリングな攻め合い、中央の攻防!プレミアリーグ対決はマンチェスター・ユナイテッドが逆転勝利!

いやあ、おもしろい試合でした。何よりもよかったのは、プレミアリーグの長年のライバル対決だったからか、プレシーズンマッチにも関わらず、両者とも勝利への執念と意地をみせていたところです。とりわけ負けず嫌いのファン・ハール監督の選手起用は、プレミアリーグ本番さながらの迫力でした。この日の出来なら、マンチェスター・ユナイテッドの3-1勝利は妥当な結果でしょう。サイドを完全に崩すシーンや、ゴール前でのビッグチャンスが多かったのは、昨季プレミアリーグ7位のチャレンジャーのほうでした。

マンチェスター・ユナイテッドのスタメンは、GKデ・ヘア、3バックがエヴァンス、スモーリング、P・ジョーンズ。中盤は現在のベストメンバーで、バレンシア、マタ、エレーラ、フレッチャー、A・ヤング。ファン・ペルシ―が不在の2トップは、ルーニーの相棒としてレアル・マドリード戦でゴールを挙げたチチャリートが選ばれました。どうでしょう、この本気のチョイス。香川真司は、プレシーズンマッチで5戦連続のベンチスタートです。

一方のリヴァプールもまた、顔ぶれをみると勝利への意欲を感じます。GKミニョレに、ケリー、シュクルテル、サコ、グレン・ジョンソンの最終ライン。ふくらはぎ痛でひと足先に帰国したスタリッジの代わりにリッキー・リー・ランバートがトップに入り、ジェラード、コウチーニョ、ジョー・アレン、ヘンダーソン、スターリングと並ぶ中盤は、プレミアリーグ開幕戦がこのオーダーでもまったく違和感はありません。

開始直後から、ルーニーとチチャリート、マタが何度もDFラインの裏に飛び出し、惜しいシーンを創っていたのはマンチェスター・ユナイテッド。しかし、先制は14分のリヴァプールです。スルーパスから左サイドを突破したスターリングに遅れて足を出したフィル・ジョーンズが引っかけてしまい、PKのジャッジ。ジェラードが強烈なシュートでデ・ヘアを破り、プレミアリーグ準優勝チームが幸先いいスタートを切ります。

1-0とされた後、マンチェスター・ユナイテッドはリヴァプールの前からのプレスに苦しみ、CBが効果的なビルドアップができず、自陣でボールを奪われるシーンもありました。対するリヴァプールの課題は右サイドの守備。ファン・ハール監督就任後のマンチェスター・ユナイテッドは、中盤での速いパスまわしからサイドの裏を狙う攻撃が増え、これにリヴァプールのサイドは苦しめられていました。後半の逆転劇も、逆サイドのボールをリヴァプールの右サイドに展開して素早くフィニッシュにつなげる形が機能したものでした。

前半を1-0で折り返した後半、先に攻勢となったのはリヴァプール。ジェラードの中盤でのインターセプトからリッキー・リー・ランバートが放ったボレーや、左サイドから中に切れ込んで思い切りよく狙った、アザールを思わせるスターリングのシュートがマンチェスター・ユナイテッドの守備陣を脅かします。しかし、54分にゴールを挙げたのはマンチェスター・ユナイテッドでした。中盤でリヴァプールのチェックをすり抜け、前を向いたエレーラが右サイドにつなぐと、チチャリートが走り込むルーニーを狙ったピンポイントのアーリークロス。ルーニーは、マークに入ったシュクルテルの足の間を見事に通す、技ありの左足ボレー。1-1同点!

直後、56分の決勝ゴールは、「なぜ香川真司ではなくマタなのか」を象徴的に表したような一発。右サイドのアシュリー・ヤングを起点に、サイドチェンジを受けたルーク・ショーは、相手を崩しきる前に中央で一瞬フリーになったマタにグラウンダーを通します。もらう前からシュートを狙っていたマタは、パスを受けると躊躇なく左足一閃。シュートはDFに当たってGKの動きの逆をつき、マンチェスター・ユナイテッドがたった2分で試合をひっくり返しました。

69分に登場した香川真司は、入って早々のルーニーへのスルーパスや、トライアングルのパス交換から左サイドを抜けて出した高速グラウンダークロスなど、随所にいいプレイは見せていました。しかし、相変わらずシュートがありません。88分、ナニのクロスを中央でフリーになって受けた絶好のチャンスは、痛恨のトラップミス。背後にいたリンガードが拾ってミドルを放ち、3-1とするダメ押しゴールが決まりましたが、この1点は26番が挙げるべきものでした。

テスト期間中、5試合でノーゴールどころか、シュートを2本打った試合すらないとなれば、たとえクラブに残留することになっても、「得点が求められるファン・ハールサッカーのトップ下」としてプレイする機会はしばらくないのではないでしょうか。昨季までのモイーズ体制であれば、「マンチェスター・ユナイテッドのサッカーに合わない」というエクスキューズは成立したかもしれませんが、現在のファン・ハールスタイルは、過去のこのチームのサッカーとは全く異なります。香川真司の抱える問題は、チームにフィットする・しないではなく、本人の心の問題でしょう。「シュートがうまく打てないからゴール前でもらうとあわてる」ようにしか見えない状態を克服できるかどうかが、今後の活躍のカギを握るのだと思います。

かくして、大会はマンチェスター・ユナイテッドの優勝で終わりましたが、リヴァプールにとっても収穫の多い一戦だったと思われます。スターリングは、昨季のプレミアリーグよりも中に斬り込んでくるプレイが増え、さらに成長する予感があります。前半、一瞬でDFをかわして強烈なミドルを打っていたコウチーニョとスターリングで、スアレスの不在をあっさり忘れさせてしまうかもしれません。ここからさらに得点力を上げるために、フィジカル系の選手にみえて実はポストプレーやワンツーがうまいリッキー・リー・ランバートを、フィニッシュのひとつ手前で使いたいところ。このあたりは、今のメンバーが早期に理解できなくても、ララナが戻ってくれば、当たり前のような連携でお手本を見せてくれるはずです。

いや、ますます今季のプレミアリーグが楽しみになってきました。リヴァプールでは、キレキレのマルコヴィッチとエムレ・カンをまだ観てないんですよね。開幕戦のスタメンはこの日のメンバーがベースになると思われますが、ララナをはじめ、新加入の選手たちのプレイを早く観たいなと気がはやります。さあ、いよいよ、あと10日です!

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“スリリングな攻め合い、中央の攻防!プレミアリーグ対決はマンチェスター・ユナイテッドが逆転勝利!” への4件のフィードバック

  1. アーセナル より:

    スターリングはもう少し状況にあわせたプレーができればもっといい選手になりそうですね
    ただこのままロナウドやベイルみたいに突き抜けた選手になる可能性もありますね

  2. グナ より:

    スターリングヤバイですよね!
    半端ない機動力とテクニックに強力なミドル。加えてロジャース監督が言ってましたけど、物凄い戦術理解力があるようです。
    イングランド代表を引っ張って行って欲しい!
    勿論中心はウィルシャーであって欲しいけど…

  3. makoto より:

    アーセナルさん>
    周囲を使えるという意味でも、プレイの幅が広いという意味でも、ウォルコットより確実に上をいきそうですね。先日のマンチェスター・ユナイテッドとのゲームをみて、「新SAS]を縦に並べた2トップでもいけるのではないかと思いました。

  4. makoto より:

    グナさん>
    私も、イングランド代表を引っ張る存在になるのを期待しています!

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