プレミアリーグ開幕直前の激震!トニー・ピューリス、クリスタル・パレス監督を辞任!
昨季、イアン・ホロウェイ監督の下、開幕から1勝7敗と圧倒的な弱さをみせ、誰もが1年でチャンピオンシップに逆戻りすると思っていたクリスタル・パレス。泥沼のチームを引き継いだピューリス監督は、チャンピオンシップでくすぶっていたストークをプレミアリーグ中位に押し上げたロングボールとサイド攻撃中心のシンプルなサッカーをチームに植え付け、残り30試合を12勝6分け12敗でフィニッシュ。2年めとなる今季は、中盤と最終ラインを補強してトップ10を狙うものと目されていました。
クリスタル・パレスの8月上旬までの補強は、カーディフFWフレイザー・キャンベルとフラムDFブレデ・ハンゲラン。これ自体は、なかなかいい人選じゃないかと思ってみていたのですが、ピューリス前監督にとっては不満だったようです。クラブとの対立を深めたきっかけは、カーディフCBでイングランド代表の22歳、スティーブン・コーカーをプレミアリーグ昇格組のQPRに持っていかれたこと。そして今ひとつは、スウォンジーへの移籍が決まったMFシグルズソンといわれています。思い通りの選手が獲れない状況に業を煮やしたピューリスさんは、補強の人選を含め、監督の権限拡大をクラブに要求。チェアマンのひとりであるパリッシュ氏がこれを拒否すると、クラブの恩人は、あっさり現場を去ってしまいました。
ここまでのいきさつだけを聞けば、「クリスタル・パレスにとって最高のチーム強化策は、ピューリス監督を辞めさせないことなのだから、クラブは監督にもっとまかせればいいのに」「プレミアリーグでは、補強人事権を実質的に握った全権監督は一般的。金は出すけど口も出す経営陣はいかがなものか」と、ピューリス監督の肩を持ちたくなるところですが、この話、監督びいきに走るのは「ちょっと待った」なのかもしれません。スウォンジー入団時に報じられていたシグルズソンの値段は800万ポンド(約13億8000万円)。スティーブン・コーカーにQPRが払ったといわれる移籍金は、850万ポンド(約14億6000万円)。いずれも、中堅クラブにとっては結構な金額で、フレイザー・キャンベルの契約解除金60万ポンドとはケタが違います。経営陣の言い分は、「ピューリスさん、ちょっと待ってよ。これはさすがに高くて手が出ない…」だったのではないでしょうか。
背伸びをするぐらいの積極的な補強で、チームを一気に強くしたかったピューリス監督と、リスクをとらない慎重な運営でプレミアリーグに残れればよかったクリスタル・パレス。お金でモノを考える経営陣と、人材で考える監督は、ときどき激しくぶつかります。どっちが悪い、という話ではないのでしょうが、少なくとも「今季はさらに上を狙えそう」と期待に胸を膨らませていた、地元サポーターがショックを受けたのは間違いありません。シーズンイン直前ということで、後任はすぐに決まるのかもしれませんが、今のところ、ミレン暫定監督の最大のミッションは、プレミアリーグ降格回避です。
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昨日は先走って失礼いたしました。
それにしてもmakotoさんのアングルはフェアなものだと思います。
このニュースを見た瞬間「おいおい、昨シーズンチーム最大のピューリスの顔立ててやれよ…」と、はじめは思ったのですが、フロントからすれば、下手をすると「この選手、ゼロ一桁違わないか?」という状態だったかもしれません。
「お金でモノを考える経営陣」といっても「リスクをとらない慎重な運営」は経営陣の立派な仕事です。昨今の移籍市場の相場に、金満チームだけではなく、いちファンである自分も少なからず毒されていたことに気付かされました。
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ASAPさん>
いえいえ。情報教えていただけるのは、どんな形でもありがたいです。
1年めで無理めに選手集めしているはずなので、放映権料が入るとはいえ、
どのクラブも昇格2年めは経済的にきついんだろうなと思います。
ピューリス監督には、何とかこらえてほしかったですね…。