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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

おしゃべり監督は好対照!? 余裕たっぷりモウリーニョ監督VS暴言・放言ファン・ハール監督

チェルシー、変わりましたね。攻めてます。プレミアリーグ開幕から3連勝は、スウォンジーと彼らだけ。ジエゴ・コスタとセスクを中心とする爆発的な攻撃力で、ゴール数はダントツ1位の11ゴール。一方で、レスター戦では何度も最終ラインを突破され、スタンフォード・ブリッジに詰めかけたサポーターに「GKクルトワのお披露目会」を催す羽目となり、エヴァートン戦ではベルギー代表のエースGKをしてもミララス、ネイスミス、エトーを止められず、3ゴールを奪われています。

モウリーニョ監督が、チェルシー攻撃陣に対して昨季なかった手応えを感じており、よりアグレッシブなサッカーを志向しているのは明らかです。エヴァートン戦の後のインタビューでは、「ハーフタイムでチェルシーは2-1でリードしていた。しかし私は、選手たちにはエヴァートン相手に守り切ることはできないと伝え、追加点を狙うように指示した。これに応えて選手たちはポジティブにプレイしてくれた」とコメント。最終ラインが敵陣に入るくらいの前がかりなサッカーを見せたレスター戦のハーフタイムも、これに近い指示をしていたのでしょう。チェルシーの得点力は、モウリーニョ監督のディレクションが確実に選手に届いた結果だと思います。

昨季は、「ミルクが必要な仔馬」「マンチェスター・シティはジャギュアで、われわれは仮免」と、独特の例えでチームが発展途上であることを語っていたモウリーニョさんですが、今季は優勝を狙うと公言し、発言にも余裕が感じられます。もともと選手に対して愛のある監督ではありますが、ACミランに放出したF.トーレスについても、ジョークを交えながら気持ちよく送り出しています。

「私もチームも、F.トーレスのことが恋しくなるだろう。しかし、彼自身は変化を必要としていた。それについてはよく話し合った。ACミランに行けば、カルチョの情熱が彼にモチベーションを与えてくれるだろう。もっとも、私はインテリスタだからインテル行きが希望だったが、ミランにいっても幸運を祈っている」

そしてまた、カッコイイのはセスクについて問われたときのこの発言です。

「私は彼の活躍を驚いていない。セスクに順応は必要ないんだ。数年間のプレミアリーグでのプレイ経験があり、彼はそこで完成した選手だ。チェルシー入団を決めたときには、大きな喜びを感じただろう。選手がハッピーなら、プレッシャーなど感じないものだ。そして、そういう選手を監督は信頼するんだ」

くーっ。これは、選手はがんばっちゃいますね。試合が終わった直後にレフェリーに余計なことをいってしまいそうになるところは相変わらずですが、少なくとも、昨季終盤にアザールがチーム批判ともとれる発言をしたときの不穏なムードは払拭されたようです。舌が滑らかなモウリーニョ監督は、返す刀でこんな「提言」もしています。

「レスター戦では、開始10分で試合を止めたかったね。それができたらサッカーはおもしろくなると思う。ワールドカップで審判が給水のために試合をストップしたとき、ファン・ハールはそこでシステムを変えて、勝つことができたんだ。私にもいつか、試合を止めることができるチャンスがあるだろうね。フットボールの世界は、ルール変更に膨大な時間がかかる。ゴールライン・テクノロジーひとつに何年かかっただろう。監督が前半・後半で1回ずつ、試合を止めて指示を出せるルールが導入されるとき、まだ自分がサッカー界に残っていることを願うよ。これで試合はもっとおもしろくなるはずだから」

確かに、おもしろいですね。1試合にひとり2回は多いような気がしますが、互いの戦略変更の中身を想像しながらゲームを追いかけられれば、観戦の醍醐味がひとつ増えると思います。せっかくの作戦タイムを前半で使ってしまうファン・ハール監督と、サポーターをやきもきさせたあげくにまったく使わないで終わるヴェンゲル監督が目に浮かぶのは私だけでしょうか。

さて、チェルシーとは逆に大コケスタートとなったファン・ハール監督のほうですが、こちらがまた、余計なことをあれやこれやと繰り出しています。さっそく、暴言・放言その1をどうぞ。

「マンチェスター・ユナイテッドを指揮するという仕事を受けたことを後悔してはいない。確かにこれは大変な仕事であり、私はそのことを理解している。しかし、思っていたよりも状況は悪くない(マジすか!?=筆者)
「私は、より簡単な仕事を選ぶことができた。トッテナムにいっていれば、仕事は今ほど大きくなかっただろう(えっ?トッテナムが簡単!?=筆者)
「トッテナムに行くのは簡単なことだった。しかし、私はサッカー界における最大の仕事にチャレンシするほうを選んだ。ナンバーワンのクラブで仕事をしたかった。それはトッテナムではない(プレミアリーグだけでも14番めですが。9月6日現在。=筆者)
「財政面でみても、トッテナムはマンチェスター・ユナイテッドと同じぐらい魅力的だった。しかし、イングランドで最高のクラブはマンチェスター・ユナイテッドでありトッテナムではない(同じくらい?いや、財政面こそあなたが選んだクラブが、わがままし放題のナンバーワンですが=筆者)

今、わざわざ挑発的な発言をして、トッテナムの選手とポチェッティーノ監督を怒らせてどうしようというのでしょうか。ただでさえ、ここ数年は、プレミアリーグでスパーズにはやられまくっています。このうえ、彼らのモチベーションを上げにいく意味がわかりません。「強いトッテナムより、昨季不振でチャレンジしがいのあるマンチェスター・ユナイテッドを選んだ」ぐらいにしておけばいいのに…。次。暴言・放言その2!

「マンチェスター・ユナイテッドは、欲しい選手をどんどん買ってくれる。経営陣は私をサポートし、人間としても信じてくれている。しかしバイエルン・ミュンヘン、特にウリ・ヘーネス元会長の下にいたときは、どうだっただろう」

わわわ、これこそツッコミどころが多過ぎて、どこから指摘していいのかわからない発言!サポーターとしては、こんなことあまりいいたくはありませんが、ひとつだけ、いっときましょう。

あちらさんが、フツーです。

…というわけで、「貧すれば鈍す」といいましょうか、「勝ち点足りて礼節を知る」「惨敗は舌禍のもと」、いやいや、何といっていいかわかりませんが、常勝監督と暴言監督のあまりのコントラストについつい書かずにはいられなくなった次第です。モウリーニョ監督は、マンチェスター・ユナイテッドにチャンピオンズリーグ出場権をもたらしながら、チームを立て直せる数少ない監督でしょうね。石原慎太郎さんを彷彿とさせる「暴走オヤジ」と化したオランダ人監督の底力はわかりませんが、少なくともコミュニケーションのセンスはプレミアリーグ降格レベルです。

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“おしゃべり監督は好対照!? 余裕たっぷりモウリーニョ監督VS暴言・放言ファン・ハール監督” への4件のフィードバック

  1. ASAP より:

    気の早い話、かつ今後の結果如何なのですが、1月の移籍市場でStrootman以外の…というよりも、彼にかかわらず「複数人のオランダ人選手」の獲得にVan Gaalが乗り出し、「チ-ムのオランダ化」に舵を切ろうとした場合、チーム状態はかなり赤に近い黄色信号になっているのではないかと考えています(ゴシップレベルですが、Phil Jonesも将来が危ういとの話も…)。

    現状、一抹の光明は Di Maríaのコンディション(キレキレ!)でしょうか。彼がまずはチームのエンジェルになってくれることを願うばかりです。

    それにしても、弁舌・舌鋒は監督のバロメーターですよね。今の時代、パプリックに出した情報は枝葉末節で誤解されてしまうことも少なくないので、シャイで寡黙なタイプよりも、いっそ劇場型パーソナリティのほうが監督業向きなのかもしれません。「あー、あの監督ならしゃーない(苦笑)」みたいな(笑)

  2. por より:

    石原慎太郎笑
    流石ですm(__)m

  3. ko より:

    一度も試合を止めずに終わるヴェンゲルにアーセナルファンとしては、笑ってしまいました。

    ファン・ハール監督はどうも可愛げのない発言が多いですね。
    モイーズのような何とも言えない感じもなく、本気で不安になりませんか?

  4. makoto より:

    ASAPさん>
    その視点、おもしろいですね。言い換えれば、「劇場型で大事なのはわかりやすいキャラ。ファン・ハールは暴言キャラを貫け。中途半端がいちばん刺されるぞ!」というような。

    porさん>
    そんな感じ、しますよね?

    porさん>
    そんな感じ、しますよね?ヴェンゲルさん。ファン・ハール発言は、またいってるわで終わらず、ときどき身内を刺しぬくのでハラハラします。

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