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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

GKとの1対1を5発外すも、セットプレーでマティッチ決勝点。やはり負けないチェルシー!

プレミアリーグで疲労を溜めているジエゴ・コスタではなく、ロイク・レミー起用かと思っていたのですが、モウリーニョ監督は前日の会見でジエゴ・コスタのスタメンを明言しました。DFラインは、左にフェリペ・ルイスを起用しつつ、いつものメンバー。セスク、オスカル、アザール、マティッチ、シュールレを並べた中盤のメンバーに、「週末のアーセナル戦など見ていない。このゲームに絶対に勝利する」というモウリーニョ監督の意志を感じます。チャンピオンズリーグ第2節。ボスの母国ポルトガルに乗り込み、勝ち点3を奪いに来たプレミアリーグ首位チームは、決定機を何度も創りながらもシュートがことごとく入らず、予想外の苦戦を強いられました。

この試合を難しいものにした最大の要因は、最初の25分で1本も決められなかったことでしょう。開始早々にオスカルのスルーパスからジエゴ・コスタが独走となり、GKルイ・パトリシオとの1対1で、シュートを左足で止められたのが苦戦の幕開け。15分にオスカルのパスからDFラインをかいくぐったシュールレの一撃もルイ・パトリシオがセーブ。22分には右サイドを完全に突破してフリーになったアザールが、ニアに走り込んだジエゴ・コスタをおとりに使ってその裏に出したグラウンダーを、こちらもフリーだったシュールレがゴール左にミスキック!チェルシー攻撃陣にいつもの落ち着きがあれば、前半を0-3としてゲームを終わらせていたのではないかと思います。

最初の3発が決まらなかったものの、33分に左サイドから上げたセスクのFKとマティッチのヘッドはお見事。DFホナタン・シウヴァのマークが緩かったのは確かですが、マティッチは戻りながらのヘッドをしっかり枠に収め、好調だったルイ・パトリシオの頭上を抜きました。マティッチの獲得は、ここ1年のチェルシーでは最大のヒットではないでしょうか。攻撃もさることながら、彼の存在が中央突破やポストプレイを阻止し、相手の攻撃の手段を限定させています。この日のスポルティングが、ナニのミドル以外でチャンスを創れなかったのは、最終ラインよりも中盤の守備の手柄だと思います。前半は1点差のままタイムアップ。後半、次の1点がどちらに入るかで、ゲームの展開は大きく変わってきます。

このままではホームでの敗戦という最悪の結果となるスポルディングは、後半開始から攻勢に転じます。開始間もなく、ペナルティエリアのすぐ外から出したパスがセスクの足に当たって左サイドに流れ、このボールにナニがフリー走り込んだシーンが、スポルティングがいちばんゴールに近づいた瞬間。決まったかに思えたこの場面で、ナニはGKクルトワの完璧なポジショニングが目に入ったのか、シュートを枠に収められずにボールはサイドネットに切れていきます。

チェルシーは、後半も再三にわたってスポルティングの最終ラインを破りますが、とにかくシュートが入りません。マティッチのスルーパスに抜け出したジエゴ・コスタは、GKルイ・パトリシアに一瞬早くスライディングでチャンスを阻まれ、55分にセスクのパスから抜けたオスカルは、またもGKにシュートをぶつけます。スポルティングの攻撃は、左からのクロスに合わせたモンテロのヘッドや、ナニのスルーパスなど単発で、いずれもGKクルトワを脅かすまでには至りません。80分に縦1本で抜けたジエゴ・コスタの右足もサイドネット。チェルシーは攻め続けながら、0-1で勝ち点3だけ死守するという辛勝に留まりました。

この試合のポイントは、マティッチとセスクの素晴らしさと、前の選手における「決められない病」の伝染。ジエゴ・コスタとオスカルのシュートは、止めたルイ・パトリシオをほめたほうがいいと思いますが、シュールレは決めてほしかったですね。1点しか差をつけられなかった代償は、今後に影響しかねない後半の4枚のイエローカードと、オスカルやアザールを終盤まで引っ張り、ジエゴ・コスタを下げられなかったことでしょう。週末のプレミアリーグはアーセナルとのダービーマッチですが、この試合に疲労を引きずらなければいいけれど…と心配です。

とはいえ、アウェイで勝ち点3は目標達成。3節・4節で当たるマリボルに連勝すれば、モウリーニョのチームのグループリーグ突破はほぼ確定です。苦しむマンチェスター・シティを尻目にきっちり勝つあたりは、チャンピオンズリーグ優勝監督が率いる、優勝経験クラブの貫録ですね。強いです、チェルシー。

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