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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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食い違う見解!まさに一触即発!? ヴェンゲルVSモウリーニョはついに直接コンタクト!

日曜日のプレミアリーグ、チェルシーVSアーセナルは優勝を狙うクラブ同士の戦いであり、因縁が深い名将の激突でもありました。攻めるアーセナル、受けて切り返すチェルシー。いずれも持てる力とアイデアを出しきっての息詰まるゲームは、両者ともシュートが打てず、スタンフォード・ブリッジが盛り上がるシーンは少なかったものの、それぞれの特徴がよく出た質の高い一戦だったと思います。

さて、ここで紹介したいのは、試合の中身よりも「因縁が深い名将の激突」のほうであります。試合の前半、アレクシス・サンチェスをガリー・ケーヒルが後ろから倒すと、ヴェンゲル監督は自らのテクニカルエリアを離れ、モウリーニョ監督に接近。自分のテリトリーに侵入されたと感じたモウリーニョ監督が行く手を遮ったことで、ヴェンゲル監督が珍しくヒートアップしてモウリーニョ監督の胸を押すという「直接対決」が実現。第4審判が間に入り、両者を落ち着かせるというシーンがありました。

アレクシス・サンチェスは、先日のチャンピオンズリーグ、ガラタサライ戦でもフェリペ・メロの両足タックルを受けて宙に舞っており、試合中のケガでドビュッシー、アルテタ、ラムジーを失っているヴェンゲル監督は気が気ではなかったのでしょう。思わずアレクシスの元に駆け寄りたくなったその気持ちはわかるような気がします。しかし、モウリーニョ監督は、ヴェンゲル監督の行動に別な意図があると受け取ったようです。試合後の会見では、ご両人とも「大したことではない」と語っているところだけは一致しておりましたが、まずはそれぞれの言い分に耳を傾けてみましょう。

「私はA地点からB地点へと行きたかっただけなんだが、ある人物が好意的ではない方法で進路に立ちふさがった。”来るな”とでも言いたげな感じでね。私が行こうとしていたB地点とは、サンチェスのところだ。彼が痛がっていたから、状況を確認したかったんだ」(ヴェンゲル監督)

「テクニカルエリアは2つある。私のエリアと彼のエリアだ。あのシーンで向こうは私のエリアに入ってきたが、選手に指示を出すなどの正しい理由があったわけではない。ケーヒルにレッドカードを出すよう、審判に訴えるために入ってきたんだ。私はそれが気に入らなかった」(モウリーニョ監督)

選手を心配して足を運ぼうとしたと主張するガナーズの監督と、それをレフェリーへのアプローチ、駆け引きと捉えたチェルシー指揮官。これだけでも既に、それぞれのキャラクターが出ていますね。モウリーニョ監督は、この試合の後も、イギリスメディア「スカイスポーツ」のインタビューで「アーセナルにはもっとカードが出ていてもおかしくなかった」と主張しています。当然ながら、自軍の選手の激しいプレイについては、ネガティブなジャッジがない限りは言及しないのもいつものことです。

「アーセナルには、8人でこの試合を終える可能性があった。(アザールを倒した)コシールニーはレッドカード。チャンバースはイエローカード2枚で、ウェルベックも明らかにレッドだ。ただし、私はウェルベックにレッドカードが出なかったことを受け入れよう。あのとき、もう試合は終わっていた。彼はいい若者であり、攻撃的な人間ではない。ちょっとしたフラストレーションがあったのだろう」

モウリーニョ監督にバトルモードのスイッチが入る2大ポイントは、自軍が不利になるジャッジと、守備的といわれること。自身のこだわりポイントだけに、ヴェンゲル監督の行為をレフェリーへのアピールととったのでしょう。いずれにしても、今回はヴェンゲル監督がモウリーニョ監督を押したようにみえる映像まで残っており、分が悪いのはガナーズの指揮官。プレミアリーグのベンチ入り禁止など、何らかの処分が下る可能性があります。

「何を後悔する必要があるだろう。(中略)正直にいえば、彼の言葉を聞くつもりはない。あなた方(ジャーナリスト)が、これからの数週間で、私にモラルのレッスンを行なうだろう。私はそれを受け入れればいい」(ヴェンゲル監督)
「これはもう終わった話。私が彼に伝えたのは、自分のテクニカルエリアから出てこないでくれ、ということだけだ。ビッグクラブであり、ライバル同士の重要な試合となれば、熱くなるのは当然だ」(モウリーニョ監督)

モウリーニョ第二次政権が始まって1年3ヵ月。ヴェンゲル監督とモウリーニョ監督が火花を散らすようになったのは、モウリーニョ監督が「タイトルを獲っていない」「失敗のスペシャリスト」「彼は私に1回も勝っていない」と、激しい言葉でガナーズ指揮官を挑発したことからでしょう(ヴェンゲルさんが先にクレームめいたことを言ったケースも、もちろんありますが)。私にとっては、どちらも好きな監督なのですが、このバトルについては、対モウリーニョ・チェルシーに5分け7敗と全く勝っていないヴェンゲル監督についつい肩入れしてしまいます。先日のプレミアリーグはホームのチェルシーが勝ちましたが、折り返しのエミレーツでは、ヴェンゲル監督のガッツポーズが観られるといいなと期待しています。

そして、おそらく先にピッチを去るであろうヴェンゲル監督の引退のときには、サー・アレックス・ファーガソンのとき、そうだったように、モウリーニョ氏からねぎらいの言葉があるといいのですが…この2人は、無理ですかね?

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“食い違う見解!まさに一触即発!? ヴェンゲルVSモウリーニョはついに直接コンタクト!” への5件のフィードバック

  1. プレミアリーグ大好き! より:

    更新お疲れさまです
    試合後に監督が
    「結局のところ相手には財力がある。アザー ルやコスタのように個人で違いを生み出す事 ができる選手がいる。」
    と言ってるようじゃ当分は勝てないんじゃないですかね
    良い監督だとは思いますが…

  2. サッカー小僧! より:

    ヴェンゲルがあんなに感情的になってる時点で、モウリーニョを過剰に意識していることがバレバレ。あれじゃ勝てません!

    —–
    自分は、こういうやりとりは、半分本人たちも確信犯でやりあっているところが
    あると思うんで、サポーターも楽しんで見ればいいと思っています。
    正直、以前モウリーニョがプレミアいた時ほどの険悪さは感じませんしね・・・。

    それより、監督には、ピッチの中の問題を早くどうにかして欲しいです。
    チェルシーに負けていい、なんてことは思わないですが、チェルシー戦の敗戦より、
    それ以外のチームとの対戦の取りこぼしがすごく気になります。
    あと、攻撃陣のちぐはぐさ、強みの2列目を前面に押し出した布陣なのに、その
    肝心の2列目が噛み合っているようには思えません。
    そろそろ現実的な策を講じないと、このままズルズル行きかねないことが心配ですね。

  3. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん サッカー小僧!さん 村上さん>
    モウリーニョ氏の度重なる挑発に対して、ヴェンゲルさんは結構カリカリきているみたいですね。「財力発言」は、腹立ちまぎれな感じもしますが、味方の士気にも影響ありそうなので、言わなくていいのに、と思いました。

    サッカー小僧!さんのおっしゃるように、私も攻撃の強化を考えないといけないのではないかと思いました。いちばん気になるのは、交代選手がオプションとして機能していないところです。中盤の構成を試合ごとにいじっており、スタメンも途中出場の選手も都度都度のサッカーになってしまっている感があります。

  4. 明日エコト より:

    ヴェンゲルは失敗のスペシャリストじゃない
    言い訳のスペシャリストさ
    ガナファンさんごめんね

  5. makoto より:

    明日エコトさん>
    さすがに、財力発言は苦し紛れでしたね。

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