シグルズソン&ペッレ!プレミアリーグの中堅クラブを上位に導く「新エース」がユーロ予選で大活躍!
オランダが苦しむ一方で、ワールドカップでは2大会連続で惨敗したイタリアが3連勝を決め、クロアチアと並ぶ勝ち点9で、本大会に近づいています。勝敗だけみれば、オランダが不振でイタリアは好調にみえますが、この2国の成績は、逆になっていてもおかしくなかったと思います。イタリアが快勝したのはノルウェー戦のみ。アゼルバイジャンとのホームゲームは、キエリーニのオウンゴールもあって、80分過ぎまで1-1のイーブン。キエリーニ自身の決勝ゴールで最後は何とか勝ちましたが、きわどい試合でした。そして、昨日のマルタ戦も、ペッレやキエリーニのシュートがバー、ポストを叩き、インモービレとジョビンコもチャンスを活かせず。73分にボヌッチがレッドカードをもらうまで、半分以上の時間をひとり少ない10人で戦ったアウトサイダーを崩せませんでした。
片やオランダは、ゴールを奪えなかった攻撃に問題があったのは確かですが、それにしても不運なゲームでした。アイスランドが11分に決めたPKのシーンでは、映像でみると明らかにCBデ・フライは先にボールに触っており、プレミアリーグのレフェリーならまず取らないでしょう。42分の2点めも、セットプレーのこぼれ球です。同じセットプレーで、混戦からゴールを奪って勝利したイタリアと、混戦を制されてライバルの背中が遠くなったオランダ。やっぱりサッカーは怖い!接戦の勝負がどちらに転ぶかは、紙一重です。
さて、運不運さまざまあれど、ゴールを決めた選手は称賛されてしかるべきだと思います。オランダ戦でPKをしっかり決め(キャリアを通じてPKを止めたことのないオランダ代表GKシレッセンは、やはり明らかに下手です)、CKの競り合いから目の前に流れてきたボールを素晴らしいボレーで叩き込んだのは、アイスランドの10番、ギルフィ・シグルズソン。マルタ相手に決定的なヘッドをバーに当ててしまい、嫌なムードだったゲームでボヌッチのヘッドのリバウンドに反応してミスを帳消しにしたのは、29歳で代表デビューの遅咲きストライカー、グラツィアーノ・ペッレです。いずれも、今季新天地に移籍したプレミアリーグのプレイヤーで、前評判がよくなかったクラブの躍進に貢献している中心選手でもあります。
「オランダのエールディヴィジに渡ったイタリア人選手」は、当地の感覚でいえば、都落ちに近いものがあるでしょう。若い頃に期待されながらも伸び悩んだペッレは、フェイエノールトでの2年間で50ゴールの荒稼ぎをみせてもワールドカップの代表に呼ばれず、今回のサウサンプトン移籍で7試合4ゴールという活躍を披露して初めて、コンテ監督に抜擢された選手です。一方のシグルズソンも、トッテナムから以前にレンタルで在籍していたスウォンジーへの「出戻り」は、出世コースとはいえないでしょう。しかし、前線への効果的なフィードでスウォンジーの攻撃を仕切るシグルズソンは、今やチームの大黒柱。プレミアリーグ開幕戦、マンチェスター・ユナイテッド相手にアウェイで決勝ゴールを挙げるという彼の活躍が、スウォンジーのロケットスタートにつながったのは間違いありません。彼らが所属するサウサンプトンは現在プレミアリーグ3位、スウォンジーは5位。いずれも、降格候補という戦前の予想を裏切り、チェルシーが独走気配のプレミアリーグをおもしろくしてくれているクラブです。
シグルズソンもさることながら、ペッレの代表デビュー戦ゴールには興奮しました。イングランド代表のリッキー・リー・ランバートもそうですが、苦労人の努力が報われ、キャリアのピークにようやく代表に選ばれる姿には、いつも感動してしまいます。今後の彼らの活躍に期待しつつ、セインツとスワンズには、年内いっぱい今のポジションで粘るぐらいの奮闘を見せてもらえればと思います。ところで、オランダ…大丈夫でしょうか!?
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更新ご苦労様です。
おっしゃる通り移籍先では今ひとつだった選手が、新天地で活躍しチームの大黒柱になるのはいつ見ても良い光景ですよね。ペッレとシグルズソンを獲得した両チームは素晴らしいです。ペッレは覚醒する予感がありますね。しかし、オランダどうなんでしょう、、、次節の結果次第では監督が厳しくなるかもですね。
Mackiさん>
ペッレ、遅咲きですが、これからすごい選手になるかもしれません。でもそうなると、セリエAのトップクラブから声がかかりそうですね…。オランダは、監督批判が既に出ているので、おっしゃるとおり、次回負けたら進退の話が出るかもしれませんね。