偏愛的プレミアリーグ見聞録

セインツのシュナイデルランが代表の親善試合、アルバニア戦で内転筋を痛めたと聞いて、「快進撃が止まってしまうかもしれない…」と憂いていたところに、最悪のニュースをいただきました。ヒディンク監督のクビを賭けて戦っていたオランダのMFダレイ・ブリントが、ラトビア戦の前半20分にリタイア。ヒディンク監督が「ネガティブな印象を受けた。靭帯を断裂したかもしれない」と語るほどの深刻な状態で、全治6週間とも長期離脱必至とも報じられています。検査の結果はまだ確認できておりませんが、年内は彼のプレイを観ることはないと思われます。

マンチェスター・ユナイテッドにとっては、インターナショナルマッチウィークだけでも、キャリック、デ・ヘアに続いて3人め。聞いた瞬間、頭が真っ白になりました。よりによって、週末のプレミアリーグはエミレーツでのアーセナル戦です。あちらさんもケガ人には悩まされていますが、それでもメルテザッカー、チャンバース、ギブスと代表レベルのDFが健在。ウェルベック、アレクシス・サンチェス、チェンバレンが元気です。それに対してわれわれは…。

デ・ヘア、ラファエウ、ロホ、フィル・ジョーンズ、ジョニー・エヴァンス、ダレイ・ブリントと、負傷者で構成した最終ラインのほうが圧倒的にクオリティが高い状態。今季補強した選手で、ここまでほぼ無傷なのはディ・マリアひとりという緊急事態です。とはいえ何があろうと、プレミアリーグは止まってくれません。ここはひとつ、気持ちの整理と現状の整理をダブルでするべしと思い、アーセナル戦のスタメンと理想のメンバーを並べてみました。

【アーセナル戦予想スタメン】
GK:リンデゴーア
DF:バレンシア、マクネア、スモーリング、ルーク・ショー
MF:フレッチャー、フェライニ、ディ・マリア、マタ
FW:ルーニー、ファン・ペルシ

【私見ですが理想のスタメン】
GK:デ・ヘア
DF:ラファエウ、フィル・ジョーンズ、ロホ、ルーク・ショー
MF:エレーラ（キャリック）、ダレイ・ブリント、ディ・マリア、ルーニー
FW:ファン・ペルシ、ファルカオ

理想のスタメンは、ダイヤモンド型の中盤で形成する4-3-1-2。ジョニー・エヴァンスに以前のクオリティが戻れば、彼とフィル・ジョーンズでCBコンビを組ませて、ロホをサイドに出すという手もあるでしょう。このスタメンなら控えにマタ、ヤヌザイ、フェライニがいるので、劣勢のゲームにおけるオプションは豊富です。入れ替わり立ち代わりでケガ人が出ていることもあり、まだまだチームの体を成していないものの、主軸の連携がスムーズになれば、プレミアリーグ上位クラブとの試合でもすべて勝ち負けに持ち込めるはずです。こうしてみると、レギュラーに入ってほしい選手が半分以上、いないんですね…。

一方のアーセナル戦では、マタの代わりにヤヌザイ、フレッチャーではなくエレーラが入るかもしれませんが、だいたいこんなところでしょう。マクネアとスモーリング…。いやー、厳しい。エミレーツのベンチは、平均年齢が若そうですね。間に合うかどうか微妙なラファエウとて、まだ24歳です。ブラケット、フェルミール、ジェームス・ウィルソン…。ファン・ハール監督のお孫さんの集まりかというような顔ぶれが、グーナーだらけのスタジアムでおとなしく座っている絵が目に浮かびます。

そういえば、一昨日、GKヴィクトル・バルデス獲得が確実となったとスペインメディアが報じておりました。デ・ヘアが夏にレアル・マドリードに移籍するという噂があり、リンデゴーアの移籍希望も伝えられるなか、元スペイン代表GKの補強は決まるのでしょうか。未曽有のケガ人続出状態で大ピンチなのは間違いないマンチェスター・ユナイテッドではありますが、こういうときに落ち込みを最小限に食い止めるのも監督の仕事。代表経験の浅い若手DFを並べてワールドカップで3位に食い込んだファン・ハールさんには、今こそ、さすが年の功とうならせるような、戦略性に富んだ戦い方をみせてほしいと思います。

サッカーは、タイムアップの笛を聞くまではわかりません。見てろよヴェンゲル監督、いい気になって攻めてきたらルーニーまで戻ってベタ引きするぞ！と、虚勢を張っているのかビビってるのかわかりませんが、何しろ勢いだけはキープしつつ、この稿を締めさせていただきます。うう。