イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

解任報道まで出たロジャース監督!わずか1ゴールのFWとスキが多い中盤をどう立て直す⁉

「チャンピオンズリーグでグループステージを突破しなければ、ブレンダン・ロジャース監督は解任される」。先週末、イギリスメディアに刺激的な記事が掲載されました。この記事を読んで、直観的に思ったのは「チャンピオンズリーグの結果がどうこうで解任はないだろう」。スアレス&スタリッジの爆発的な得点力を武器に、昨季のプレミアリーグで優勝目前までクラブを引っ張り上げた監督を、シーズンが始まって半年もしないうちに見限ったりはしないはず。あるとすれば、今季のチャンピオンズリーグではなく、来季の出場権が獲得できるプレミアリーグ4位以内を早期に諦めざるをえないポジションに追い込まれたときではないか、と。

この記事がフライング気味だったとしても、ロジャース監督に対して、サポーターや経営陣の目が厳しくなっているのは確かです。勝ち目が薄いチャンピオンズリーグのレアル・マドリード戦で主力を休ませ、週末のチェルシー戦に備えたにも関わらず、アンフィールドの熱狂的なサポーターの前でオスカルやアザールに自由を許したロジャースサッカーに対して、試合後には容赦ないブーイングが浴びせられていました。コウチーニョとエムレ・カンを下げるより、ジェラードをジョー・アレンに代えて運動量を向上させ、それでもダメならヘンダーソンをボリーニにして2トップ、ではないかと思いながら観ておりましたが、ロジャース監督は守備のバランスを壊すことを怖れたのかもしれません。何しろ相手はプレミアリーグ首位独走のチェルシー。もう1点獲られた瞬間にゲームが終わると思えば、その慎重さもわからないわけではありません。が、しかし…。

リヴァプールのサッカーを観ていて私が気になるのは、FWのシュートの少なさと、アンカー・ジェラードの脇のスペースです。結論からいえば、「セントラルMF2枚に戻しませんか」。運動量の少ないジェラードがカバーできる範囲が狭いため、インサイドハーフ2枚の負担が大きくなっているように思います。彼らが下がればFWとの距離が遠くなって前線を孤立させ、彼らが上がると後ろにできたスペースを使われます。そこを突いたのが、モウリーニョ監督でしょう。マティッチやラミレスがヘンダーソンやエムレ・カンを誘い込んでチェックし、できたスペースでオスカルとアザールがボールをもらう攻撃は見事でした。

ジェラードをもう1枚上げて攻撃に貢献してもらい、細かいポジションのチューニングやカバーリングができる選手をアンカーに入れない限り、4-3-3では戦えないのではないでしょうか。現状の顔ぶれでアンカー向きなのはルーカスぐらい。ヘンダーソン、エムレ・カンやジョー・アレンを守備専門で使うのは、できないこともないとは思うものの、もったいないでしょう。夏のリヴァプールは、守備に長けた中盤の選手という、4-3-3で戦うための補強をしておりません。アーセナルの4-1-4-1がそうであったように、ロジャース監督のチームもまた、顔ぶれとやろうとしているサッカーの間にズレがあるように思います。

今のメンバー構成であれば、センターを2枚にして、トップの下にヘンダーソン、コウチーニョ、スターリングから1枚入れたほうがスムーズです。こうすれば、「中盤と前に距離があり、ボールが最前線に到着するのに時間がかかり過ぎる」「おとりになる動きやダイレクトでのつなぎが少ないため、FWのマークがずれる機会が少なく、バロテッリやランバートにシュートチャンスがない」という問題は解決しそうです。FWがシュートを打てないことと、中盤の問題は連鎖しているのだと思います。バロテッリが、ミドルシュート以外で1試合に2本シュートを打つのは稀。ランバートに至っては、最後に彼らしいシュートを打ったのはいつだったのか、思い出せないくらいです。プレミアリーグ開幕3ヵ月で、FWのゴールがスタリッジの1ゴールでは、SASが暴れていた昨季と同じ成績が残せるわけがありません。

この2週間、今後のチームについて考え続けてたであろうロジャース監督は、どういうジャッジを下すでしょうか。ヴェンゲル監督のほうは、ひと足先に4-2-3-1に戻しています。バロテッリをスタリッジに代えるだけなのか、それとも…。

今後3週間の対戦相手は、クリスタルパレス、ルドゴレツ、ストーク、レスター、サンダーランド。12月9日に行われる、チャンピオンズリーグの勝ち抜けを賭けたバーゼル戦までは、プレミアリーグもチャンピオンズリーグも強豪クラブとの対決がありません。5連勝とまではいいませんが、ここで4勝は挙げておきたいところ。この顔ぶれに2回、3回つまずき、バーゼルに敗れるようでは、さすがにロジャース監督のクビは危ないでしょう。今が大事な、立て直しのタイミング。まずは週末のプレミアリーグ、クリスタル・パレス戦のスタメンに注目したいと思います。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“解任報道まで出たロジャース監督!わずか1ゴールのFWとスキが多い中盤をどう立て直す⁉” への4件のフィードバック

  1. ぷれみあふぁん より:

    スタリッジまた怪我したそうですね
    しかも長期離脱だとか
    この悪い流れから抜け出すのはまだ先のことになりそう
    応援してるだけにショックです

  2. リバサポ より:

    ぷれみあふぁんさん>
    今、見ました。ももを負傷と出ていますね。長くならないことを祈っています。

    —–
    負傷者で苦しんでいるのはリバプールだけではないので、ロジャースにはこれを言い訳にして欲しくないですね。2枚のセンターでいくにしても、組織化された守備のメソッドが皆無なので、現状ルーカスの力は必要不可欠だと思うですが、監督はチョイスしないでしょうね。FWに関しては…頑張れという感じです。

  3. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    スタリッジが程度は分かりませんが、また負傷し厳しい状況は変わりませんが、ロジャースに求められているのは状況に応じた対応かと思います。本人は十分理解していると思いますが、これからのリーグ戦及びバーゼル戦で今後が決まるでしょうね。ロジャースには厳しい時代から見事に建て直しCLまで導いてくれたので続けて欲しいのでが心情です、、、。

  4. こーこ より:

    9月の試合の多くは4-2-3-1で臨んでいますよ?
    ヘンダーソンとジェラードがそこ二枚に入る形で
    全く機能しませんでしたが
    組み合わせの問題もあるのでヘンダーソンを前で使うならまだありだとは思いますが

コメントを残す