偏愛的プレミアリーグ見聞録

ヴェンゲル監督、また引いてしまいました。昨季のFAカップでも、3回戦でトッテナム、5回戦でリヴァプール、ベスト8でエヴァートンと、手強いプレミアリーグ勢と当たりまくり、今季のキャピタルワンカップは、早々に絶好調サウサンプトンにやられてジ・エンド。アーセナルのクジ運の悪さは、バイエルン・ミュンヘンやバルサを一発でツモり続けたチャンピオンズリーグだけにとどまりません。年明けから戦う今季のFAカップ3回戦でアーセナルが当たるのは、昨季の決勝カードの再現となるハル・シティ。ベナルファ、イェラヴィッチ、ガストン・ラミレス、ハドルストーン、リヴァモアと、プレミアリーグの上位クラブ経験者が並ぶ攻撃陣は、プレミアリーグで2勝しかできず降格ゾーンに足がかかっているのが信じられない豪華キャスト。できればこの早いタイミングでぶつかるのは避けたかったでしょう。長期離脱中のスノッドグラスが間に合いそうにないのが唯一の幸運。グーナーのみなさんは、チャンピオンシップ（2部相当）以下のクラブと当たるマンチェスター勢やリヴァプールをうらやましく感じているのではないでしょうか。

アーセナル以外で、組み合わせ抽選の結果を苦々しく思っているのは、ロベルト・マルティネス監督とクーマン監督でしょう。エヴァートンの相手は、いつの間にやらプレミアリーグ4位にまで順位を上げたウェストハム。サコ、エネル・バレンシア、カールトン・コール、キャロルが揃った前線はやっかい。ソングとダウニングが走り回る中盤から主導権を奪うとなると、パワーが必要です。プレミアリーグでは2-1と勝っている相手ですが、同じ本拠地グディソンパークでのゲームとはいえ、簡単に勝たせてはもらえないはずです。

クーマン新体制のサウサンプトンが戦うのは、チャンピオンシップで2位につけているイプスウィッチ・タウン。これは、プレミアリーグで最下位を争うレスターやバーンリーと戦うより厳しそうです。チャンピオンシップで優勝争いをしているクラブは、普段勝ち慣れているだけに、相手がプレミアリーグの強豪クラブでもひるまないんですよね。本拠地セント・メアリーズで戦えるとはいえ、クーマン監督はメンバーを落とせないと思われます。ケガさえなければ、吉田麻也はフォンテと並んでピッチにいるはずです。

チェルシーは、監督交代騒動で弱り切っているワトフォード。マンチェスター・ユナイテッドは、リーグ1（3部相当）の降格候補とリーグ２（４部相当）で中位のクラブの勝ったほう。リヴァプールは4部16位のウィンブルドンで、マンチェスター・シティもシェフィールド・ウェンズデーなら御の字でしょう。トッテナムとニューカッスルは、バーンリーとレスターというプレミアリーグ降格候補とのアウェイ。ここはジャイアントキリングがあるかもしれませんが、アーセナルやエヴァートンの相手よりはまだいいのではないかと思います。とはいいながら、意外と危ないのはマンチェスター・ユナイテッドなのかもしれません。昨季FAカップと今季プレミアリーグ開幕戦でスウォンジーに足元をすくわれ、キャピタルワンカップでは衝撃の惨敗と、３大会連続で国内大会初戦負け。リーグ1のミルトン・キーンズ・ドンズに４-０で敗れた夏の忌まわしい記憶が、最近はヨレヨレでも勝ってしまうファン・ハール監督のなかに残っていればいいのですが…。

【FAカップ3回戦・プレミアリーグ勢の対戦相手】
アーセナル VS ハル・シティ
サウサンプトン VS イプスウィッチ
ストーク・シティ VS レックスハム
ドーバー・アスレティック VS クリスタル・パレス
ウィンブルドン VS リバプール
マンチェスター・シティ VS シェフィールド・ウェンズデー
WBA VS ゲーツヘッド
アストン・ビラ VS ブラックプール
オックスフォード・ユナイテッドorトレンメア VS スウォンジー
サンダーランド VS リーズ
バーンリー VS トッテナム
レスター VS ニューカッスル
エヴァートン VS ウェストハム
チェルシー VS ワトフォード
QPR VS シェフィールド・ユナイテッド
アクリントン・スタンレーorヨーヴィル VS マンチェスター・ユナイテッド
※赤字はプレミアリーグ勢同士の対戦