偏愛的プレミアリーグ見聞録

チャンピオンズリーグ2014-15のグループステージが終了し、次のラウンドに進む16チームが揃いました。最終節で最下位に落ちる可能性があったユヴェントス、勝たなければ終わっていたシャルケ04が残り、顔ぶれを見るとほぼ順当といってよいでしょう。敗退が意外だったのはベンフィカ、残念だったのは昨季プレミアリーグでの躍進に古豪復活を期待していたリヴァプールでした。

プレミアリーグ勢で首位通過を果たしたのはチェルシーのみ。ドルトムントに得失点差で及ばなかったアーセナルと、最後にやっと死のグループを勝ち抜いたマンチェスター・シティは2位通過。バーゼルに勝ち切れなかったリヴァプールはグループBの3位となり、ヨーロッパリーグにまわることになりました。4クラブすべてが決勝トーナメントに駒を進めたドイツ、トップ3がいずれも首位通過を決めたスペインに対して、プレミアリーグ勢はやや劣る結果。内容的にも、チェルシー以外は苦戦のほうが目立ちました。

以下に、決勝トーナメントに進出するクラブを並べてみましたが、やはり首位通過と2位通過で、厳しいドローとなる確率は格段に違います。チェルシーがいきなり当たりたくないのはパリとユヴェントスぐらいでしょう。初戦ではぶつからないプレミアリーグ勢を引くと、確率は2/5。一方、マンチェスター・シティとアーセナルが「バイエルンとスペイン3強以外はやむなし」だとすれば、アーセナルがしんどい相手を引く確率は4/6、同組だったバイエルン・ミュンヘンとは当たらないマンチェスター・シティが3/6です。チェルシーが避けたいチームと、2位通過組が勘弁してほしい顔ぶれではレベルが一段・二段違うということもあり、とりわけ首位通過が狙えたアーセナルにとっては、3点差を追いつかれたアンデルレヒト戦が悔やまれる結果となるかもしれません。

【チャンピオンズリーグ・グループステージ最終結果（1位・2位のみ）】
グループA/1位：アトレティコ・マドリード（スペイン）2位：ユヴェントス（イタリア）
グループB/1位：レアル・マドリード（スペイン）2位：バーゼル（スイス）
グループC/1位：ASモナコ（フランス）2位：レヴァークーゼン（ドイツ）
グループD/1位：ドルトムント（ドイツ）2位：アーセナル（イングランド）
グループE/1位：バイエルン・ミュンヘン（ドイツ）2位：マンチェスター・シティ（イングランド）
グループF/1位：バルセロナ（スペイン）2位：パリ・サンジェルマン
グループG/1位：チェルシー（イングランド）2位：シャルケ04
グループH/1位：ポルト（ポルトガル）2位＝シャフタル・ドネツク（ウクライナ）

このレベルになるとラクに勝てる相手などないのは重々承知のうえで、バイエルンやバルサなどの強豪と当たってばかりのアーセナルには、たまにはポルトやモナコとやってほしいなと思います。願いかなわずスペイン勢とぶつかったとしても、エジルやウィルシャーが戻ってきたベストメンバーで戦う姿を観たいものです。ここ数年、バイエルン・ミュンヘンに3勝3敗と互角の勝負をしているマンチェスター・シティについては実は相当期待しておりまして、モドリッチのいないレアル・マドリードや、今季はあまりいいとはいえないバルセロナ相手でも、いい勝負をしてくれるのではないでしょうか。モウリーニョ監督のチェルシーは、怖いのはケガ人続出などのアクシデント。ベスト8で決勝戦のような相手を引き当てない限りは、4強までいくのではないかと楽しみにしております。

ベスト16の組み合わせ抽選は12月15日にスイスのニヨンで行われます。こればっかりは、ひたすら神頼み。普段から観させていただいている3クラブの勝ち上がりを期待する者としては、プレミアリーグ勢の幸運を祈るばかりです。