偏愛的プレミアリーグ見聞録

復帰したアリソン、アーノルド、ナビ・ケイタは、無理させたくない状態なのかベンチスタート。負傷者だらけのリヴァプールは、前線ばかりが充実しています。プレミアリーグ11節の相手は難敵ウルヴス。アダマ・トラオレとポデンスにカウンターを許してはいけません。クロップ監督が選んだGKはケレハー。最終ラインはネコ・ウィリアムズ、ファビーニョ、マティプ、ロバートソンで、中盤にワイナルドゥム、ヘンダーソン、カーティス・ジョーンズ、前線は今季プレミアリーグで14発をゲットしているサラー、フィルミーノ、マネの3枚です。

開始早々から攻勢だったリヴァプールは、3分にペドロ・ネトを引っかけたネコ・ウィリアムズがイエローをもらってしまいます。ルベン・ネヴェスのFKは、ケレハーの頭上にアウト。7分のレッズのカウンターは、ドリブルで右から上がったカーティス・ジョーンズが打ち切れず、ネコ・ウィリアムズのクロスをカットされて終わりました。12分、フィルミーノとワンツーをかわしたマネがロバートソンに預けると、速いリターンに合わせた10番のヘディングはバーを越えていきました。

17分、左から仕掛けたネトのクロスに、デンドンケレは触るのが精一杯。逆サイドでフォローしたアダマ・トラオレがボックス手前のポデンスに任せると、ループシュートはケレハーが体を伸ばして右に弾き出しました。20分、ファビーニョをあっさり抜き去ったアダマ・トラオレのクロスは、ファーから突っ込んできたネトに合いません。24分にヘンダーソンが前線に浮かすと、先着したコーディーが胸でトラップしたボールをサラーが強奪。左足でクロスに打ったシュートがルイ・パトリシオの右脇を抜き、昨季プレミアリーグ王者が先制しました。

31分、ワイナルドゥムとのワンツーで左から抜け出したマネが高速グラウンダーをフィルミーノへ。ヒールで狙った9番は、うまくタッチできずにクリアされてしまいます。35分のサラーのFKは、コースを読み切ったルイ・パトリシオがキャッチ。44分にオーバーヘッドでクリアしようとしたマネにコーディーが絡み、PKが宣告されますが、VARがマネはぎりぎりで足を引いたと証明してくれました。前半は1-0。後半に入って47分、ヘンダーソンのロングフィードを巧みにトラップしたマネの右足のシュートは、ルイ・パトリシオの守備範囲です。

52分、サラーのサイドチェンジをロバートソンがダイレクトで中央に転がすと、マネのボレーは左にアウト。58分、CKの流れでアダマ・トラオレのクロスがファーに入り、コーディーがゴール前に飛び出しますが、ファビーニョがシュートコースに足を出して失点を回避しました。直後、クロスをカットしたレッズのカウンター。ヘンダーソンが前線に送ったボールをワイナルドゥムが中央に持ち込み、完璧なコントロールショットを右隅に収めました。

勝負が決したのは67分。ショートコーナーからサラーがゴール前に浮かすと、マティプが頭を突き出してネットに突き刺しました。アーノルドを出そうとしていたクロップ監督は、3-0とした直後にネコ・ウィリアムズをベンチに迎え入れます。73分には、フィルミーノに代えてジョッタを投入。77分の4点めは、復帰したSBの鋭いアーリークロスから生まれました。サラーとマネが走り込み、マネの前でクリアしようとしたセメドがスライディングで押し込んでしまい、オウンゴール。4-0で圧勝したリヴァプールが2位をキープしました。

抜け目ないサラー、左サイドから何度もチャンスを創ったロバートソン＆マネ、ファインゴールのワイナルドゥム、素晴らしいロングフィードを送り続けたヘンダーソンに目がいくゲームでしたが、きわどいボールを的確に処理し続けたケレハーにも拍手を送りたいと思います。CLでアピールし、プレミアリーグデビュー戦のチケットを勝ち取った22歳の守護神のセービングとハイボール処理があったからこそ、レッズは終始優勢で試合を進められたのではないでしょうか。ファン・ダイクの負傷リタイアの後、ファビーニョとマティプが最終ラインを支え、プレミアリーグ6試合で4失点。主力を多数欠いても負けないレッズの底力を、あらためて思い知らされた一戦でした。