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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【MAN.CITY×Arsenal】まるでチェルシー!カウンターに徹したアーセナルがマン・シティを撃破!

ヴァンゲル監督の選択は、エジルとロシツキをベンチスタート。ラムジーのスタメン復帰は、プレミアリーグではストーク戦以来、7試合ぶりです。対するマンチェスター・シティは、ワントップに戻ってきたアグエロの後ろにヘスス・ナバス、ダヴィド・シルヴァ、ミルナーが並びます。アーセナルの当面の目標はプレミアリーグ4位奪回、マンチェスター・シティはチェルシーに独走させないこと。どちらも負けられない一戦は、本拠地エティハドで戦うマンチェスター・シティが立ち上がりから積極的に攻め込みます。

序盤のマンチェスター・シティが執拗に狙うのは右サイド。アーセナルは全体的に引き気味で、シュートを打たせないようスペースを埋める守り方に徹しています。7分、デミチェリスのミスを突いてジルーがボールを奪い、アーセナルは4対3のチャンスを迎えますが、アレクシス・サンチェスが止められてチャンスを活かせず。サバレタやミルナーの左右からの仕掛けには、ベジェリンとモンレアルが対応し、15分を過ぎても両者ともシュートが打てません。17分のアレクシス・サンチェスの単独中央突破はコンパニがブロック。直後、右サイドを抜けたチェンバレンのクロスにジルーが頭から飛び込むものの、シュートはデミチェリスに当たって枠を逸れていきます。

22分、先にゴールを奪ったのは、守備重視で戦っていたアウェイのアーセナルでした。ジルーとのワンツーで左から抜け出そうとしたモンレアルがコンパニに引っかけられ、ジャッジはPK。カソルラのキックはGKジョー・ハートの読み通りでしたが、シュートの勢いが上回りました。0-1となるとマンチェスター・シティが攻勢を強め、アーセナルはカウンター狙い。コクランとコシールニーのカットから、ガナーズは何度も中盤の真ん中をフリーで持ち上がるものの、全体のスピードにひとりついていけていないラムジーにボールが渡ると攻撃が止まってしまい、なかなか追加点を奪う態勢に入れません。36分、クリシーのクロスを中でカットしたのは何とカソルラです。モウリーニョ監督のチームと戦っているかのようなマンチェスター・シティは、勝手が違うのかただ攻めあぐむのみ。前半は0-1、ヴェンゲル監督の作戦勝ちです。

シュート1本に終わったペジェグリーニ監督は、ハーフタイムにミルナーを下げてヨヴェティッチ。前線のポイントを増やしてアーセナルの中央を混乱させようという狙いでしょうか。後半開始早々、マンチェスター・シティは怒涛の攻撃。右サイドからの再三の仕掛けに、ガナーズはゴール前でクリアするのが精一杯です。サバレタとヘスス・ナバスにサイドを完全に制圧されていたアーセナルは、ようやく55分に反撃。ジルー、アレクシス・サンチェスとつないで最後はラムジーが左足で狙うも、ボールは枠の上を越えていきます。

59分、ダヴィド・シルヴァからまたも右のヘスス・ナバス。グラウンダーのクロスは、コシールニーが触らなければアグエロが決めていました。ペジェグリーニ監督はランパードを用意させ、ヴェンゲル監督はロシツキを呼んでいます。ベテラン2人がピッチに入った直後、勝負の行方を決める大きな1点が入りました。66分、アレクシス・サンチェスがファールを誘ったFK。カソルラの正確な縦へのフィードに、ヘッドで合わせてジョー・ハートを破ったのはオリヴィエ・ジルー!アーセナル、ついにエティハドで0-2です。

マンチェスター・シティの反撃には焦りがみてとれます。72分、ヘスス・ナバスのミドルはGKオスピナがキャッチ。79分、ダヴィド・シルヴァ、ヘスス・ナバスと回ったボールをDFラインの裏で受けたヨヴェティッチの左足もゴールならず。残り10分になっても、耐え続けるアーセナル守備陣。足をつっているラムジーと、守備に攻撃に奔走しているカソルラは代えどきではないでしょうか。84分、ヴェンゲル監督が下げたのは、ラムジーとアレクシス。ギブスとフラミニ投入は、明らかに逃げ切り狙いです。89分のCKでコンパニのヘッドが外れると、追加タイムは4分。アーセナルは、ボールをキープできて確実に前につなぐロシツキが効果的です。

結局、タイムアップの笛が鳴るまで何も起こりませんでした。ボールポゼッション35%。バイタルエリアを埋め続けるチェルシーがやりそうなサッカーを貫徹したアーセナルは、今季のプレミアリーグ上位対決では初勝利です。ヴェンゲル監督はしてやったりでしょう。今日のマンチェスター・シティは、終始ラストパスが微妙にズレていました。

ガナーズのMVPを挙げるなら、カソルラかコクラン、あるいはコシールニー。迷いますが、2点めのお膳立てをしつつ、限界まで走り続けたカソルラでいかがでしょうか。「アーセナルらしい勝利」「美しいサッカー」といった言葉はふさわしくないものの、「今季最高」という表現をしてもいい試合だったのではないかと思います。あのバイエルン・ミュンヘンですら勝てなかった昨季プレミアリーグ王者の本拠地に乗り込んで、今季初めて2点差をつけたチームになったのですから。マンチェスター・シティは、いよいよ次戦、1月31日のチェルシーとの直接対決が正念場です。連敗したら首位との勝ち点差は8となり、優勝争いよりも5位以下に落ちる心配をしなくてはならなくなります。

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“【MAN.CITY×Arsenal】まるでチェルシー!カウンターに徹したアーセナルがマン・シティを撃破!” への6件のフィードバック

  1. アスピ(ry より:

    Sky Sportsのコメンテーターが言っていたように、コクランが必ずボール保持者とシルバの間に立ってシルバを完全に無効化していましたね。審判がかなりアーセナルよりに見えましたが、それを差し引いても面白いゲームでした。

  2. せお より:

    更新お疲れ様です。

    最高でした。DF陣ももちろんですが中盤の面々もよく守ってくれました。つくづく守備は意識だなぁと感じました。
    最近カソルラが良すぎてエジルの割って入る場所がないんじゃないかと思います。
    ラムジーは悪いなりによくやったと思います。

  3. サッカー小僧! より:

    PKはラッキーだったと思いますが、どういう形であれ、アウェーでシティに勝った
    のは大きいですね、特に今節は、ライバルチームが勝っていたので、なおさらです。
    正直、アーセナルがどう守っても、チェルシーの固さには遠く及ばない、と思う
    のですが、今回の試合は、しっかり守ってカウンターという戦い方を徹底したことが
    勝利につながったと思います。
    一番怖いアグエロが復帰したばかり、というのも救われましたかね…。

    浮上するにはいいきっかけになるであろう試合結果なので、ここからチーム全体の
    パフォーマンスも上げていってほしいですね。

  4. グナ より:

    ほんとに珍しい試合運びをしてておどろきました。
    上位対決はこれで良いんですよ、ベンゲルさん!
    パスワークとかは無かったけど、個人のスキルで興奮させられました。カソルラのダブルタッチは上手すぎる…
    両利きのカソルラはやはり真ん中ですかね?
    コクラン、ペジェリンは若いのにホントによくやってるなぁ。

  5. リバサポ より:

    シティはナスリ不在が微妙に響いてましたね。シルバ一人が忙しそうに動き回っていました。後半、ヨベティチがはいってからの形をスタートから作れなかったのが、シティとしても惜しい感じがしますが。ペシェの攻めを読み、受けきったベンゲルさんお見事といったところでしょうか。
    あー、アーセナルが調子上げてきそうで怖いです。平気で7連勝とかしそうで…

  6. makoto より:

    素晴らしいパフォーマンスでした。
    カソルラ無双でしたね。
    あと、「まるでチェルシー」はグーナーに怒られますよ(笑)

    —–
    昨夜はまるでいいところがないマンCでしたね。アーセナルの守備がよかったのは確かにありますが、それ以上にマンCが悪すぎたという気がします。

    ナスリいないと、現状突破してパス出せるのがシルバだけなわけで、それを封じ込められてしまっては、いくらワールドクラスのストライカーを沢山擁しても無駄な気がします。

    あと昨夜のマンCはパスを読まれすぎていましたね。インターセプトされまくりでした。
    アグエロ、ヨベティッチ、ジェコという豪華なストライカー陣を擁しても、パスが通らなければ無意味です。2月、ボニーとヤヤトゥーレが帰ってきても同じでしょう。
    12月のミルナーのワントップでフォワードなしのときのほうが動きがよかったと思います。
    ナバスはお疲れのようでクロスの精度は低いしシュートは全く決定力がないし。
    2月のCLのマンC対バルサをエティハドスタジアムに見に行きますが、ナスリの復帰が間に合って欲しいと祈らずにいられません。

    —–
    アスピ(ry さん>
    おっしゃる通り、戦術的なゲームでした。この試合を観ると、リヴァプール戦は布石だったのかとすら思えてきます。

    せおさん サッカー小僧!さん>
    まさに、集中力と徹底度。守備は集中してましたね。特に、コクランとカソルラが素晴らしかったです。

    グナさん>
    カソルラ!終盤、マン・シティの選手に囲まれながらキープする姿は感動モノでした。

    リバサポさん>
    ミルナーが悪いわけではありませんが、ナスリがいれば、あれほど右偏重にはならなかったかもしれません。特に後半は、やや単調だった感があります。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    怒られるかもとは思ったのですが、ヴェンゲルさんが、あれだけスタイルの違うライバルがやりそうなサッカーを選んだことに感動を覚えまして、これは思ったことを率直に書きたいな、と。勝ちたい気持ちが凄く伝わってきました。

    いちマンCサポさん>
    このところ、ペースをつかむのが遅く、リードを追いつかれるゲームが多いのが気になりますね。調子が戻りさえすれば、今季はバルサを倒すチャンスだと思ってます。いちマンCサポさんが、エティハドで歓喜の瞬間を迎えられることを深夜の日本で祈りたいと思います。

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