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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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グッジョブ、吉田麻也!プレミアリーグ19位相手にドロー寸前のチームを救った完璧なキラーパス!

2015年2月7日、ロンドンのロフタス・ロード。プレミアリーグ第24節、QPR対サウサンプトン。本拠地セント・メアリーズにスウォンジー戦を迎えた前節、まさかの0-1完封負けを喫していたセインツは、公式戦2連敗中。この日のゲームも、攻め込みながらもゴールが奪えず。72分、ジョーイ・バートンのミドルシュートを、脇から飛び込んできたチャーリー・オースティンにゴール前3メートルでコースを変えられたシーンで、GKフォースターが超絶ビッグセーブを見せなければ、彼らはまたも0-1で敗れていたでしょう。90分を過ぎても0-0。追加タイムは3分経過。同時刻開催のエティハドでは、マンチェスター・シティがハル・シティ相手に1-1。プレミアリーグ2位との差を詰める絶好のチャンスに、サウサンプトンは勝ち点1でおつき合いする寸前でした。

左サイドで中央からのパスを受けたのは、吉田麻也。この試合は、CBでスタートしたものの、前半にSBマット・ターゲットが負傷退場したため、真ん中をガルドシュにまかせて左SBに回っていました。吉田麻也は、ダイレクトで前線のマネへフィード。このパスは、コース、タイミング、マネが受けやすいように少し弱めに出したボールの質…すべてが完璧な、まさにキラーパスでした。左に持ったマネが強烈なクロスのシュートをゴール右上に突き刺すと、いちばん最初に駆け寄ったのはアシストを記録したSBでした。セインツ、貴重な勝ち点3!

海外で活躍する日本人選手では、ブンデスリーガやプレミアリーグで優勝メンバーとなった香川真司や、レギュラーとして活躍する岡崎慎司、本田圭佑、内田篤人、長友佑都に新聞紙面を持っていかれがちですが、吉田麻也の健闘もまた、彼らに劣らず素晴らしいと思います。今季プレミアリーグで3位に踏ん張り、チャンピオンズリーグ出場権を争っているセインツで、13試合出場1ゴール1アシスト。フィジカルが強くないと通用しないといわれるプレミアリーグで、CBとして試合に出るのは並大抵のことではありません。

何しろ吉田麻也は、プレミアリーグに完全移籍した選手で唯一、契約延長を勝ち取った日本人選手です。クラブに請われて先日結んだ新しい契約は、2018年までの3年契約。クーマン監督の言葉からも、日本代表のCBがどれだけ評価されているかが伝わってきます。

「彼はチームにとって重要な選手だ。CBのポジションは競争が激しいが、吉田はよくやっている。監督にとって複数のポジションでプレイできる選手がいるのはありがたいことだ。今シーズン、彼は右SBでもCBでもプレイしてくれた。契約延長は、私にとってもうれしいことだ」

アジアカップから戻ってきた最初のゲーム、スウォンジー戦で即、スタメンは信頼の証。ベルギー代表のアルデルヴァイレルト、30歳を過ぎてから初めてポルトガル代表に選ばれた遅咲きのフォンテと強力なライバルに囲まれながら、サイドを含めたすべてのポジションでセカンドチョイス。吉田麻也の奮闘をみていると、「レギュラーじゃないなら移籍を」などとは簡単にいえないなと思います。とはいえ来季こそはぜひ、セインツのレギュラーCBとして欧州の大会で活躍してほしいですね。セインツがチャンピオンズリーグ出場となると、マンチェスター・ユナイテッドは残り2つの椅子をマンチェスター・シティ、アーセナル、トッテナム、リヴァプールと争うことになるので、「CLでがんばって!」と言いづらいところが弱いのですが…。ELなら。

みなさん、もしプレミアリーグを現地で観戦する機会があれば、セント・メアリーズまで足を運んでみてください。私は吉田麻也の試合を2回観ており、以前に現地レポートをUPしておりますので、よろしければ参考までに。吉田麻也が出るかどうかわからないなかで、彼を目的には行きづらいと思いますが、イングランド南端の港町・サウサンプトンがとてもいい街であり、彼らの本拠地が素晴らしいスタジアムであることと、現在のセインツのサッカーがおもしろいことは保証します。

グッジョブ!吉田麻也。今回のアシストは、12月に続いて2度めの停滞期を迎えそうになっていたチームを鼓舞する貴重なひと刺しでした。次戦のウェストハムもさることながら、その次のリヴァプール戦で彼の勇姿を観られたらと思います。何しろ相手は、チャンピオンズリーグ5回をはじめ、欧州の大会で11個のタイトルを誇る名門ですから。

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“グッジョブ、吉田麻也!プレミアリーグ19位相手にドロー寸前のチームを救った完璧なキラーパス!” への3件のフィードバック

  1. a より:

    ぐぬぬ、余計なことをしおって……。
    by勝ち点3によって3位の座を奪われたユナイテッドサポ

  2. Uボマー より:

    >ぐぬぬ、余計なことをしおって……。
    うはは、気持ちはよくわかります。でもサポとしてはあの面子で縦ポンフットボールをやっているファンハールにも問題有りとみています。アウェイが難しいと言ってもウェストハム戦は負け試合に等しいでしょ。どうもディフェンスラインが安定しないせいか、ビルドアップが苦し紛れのロングボール多用になっちゃうんですよね。後半戦の上位陣との対戦はどうなることやら。

    代表の吉田選手は何かと批判の的ですが、上がり過ぎちゃうSBと守備力の無いインサイドハーフの問題も相当あったと思うなぁ…。ただフォンテなんかのプレーを見ると足が遅くても読みが良いのとタックルに行く判断が良い。吉田選手に限らず日本の守備陣は経験不足なのか判断が悪くてとんでもないミスをするケースが多いように思います。

  3. makoto より:

    aさん Uボマーさん>
    「最後は上に行けますから落ち着きましょう」とはいえない雰囲気ですね…。セインツでの吉田麻也は、代表にいるときよりも堅実。セインツ移籍初年度は麻也レギュラーでフォンテがサブでしたが、今もそれほど大きな差はない印象です。

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