プレミアリーグ1月MVPは5ゴールのハリー・ケイン、最優秀監督は強豪連破のクーマン監督!
2015年1月1日。今年最初の日は、トッテナムにとって最高の日。プレミアリーグ首位を走るチェルシーは、上位対決のアウェイ戦ではペナルティエリアの入り口に強固な鍵をかけ、ゴールどころかシュートも打たせてくれないのが相場です。18分にジエゴ・コスタが先制ゴールを決めたとき、トッテナムが5ゴールを奪って勝つという結果を、誰が想像したでしょうか。5点のうち4点を演出したのが、スタメンで使ってもらえるようになったばかりの21歳、ハリー・ケインでした。
30分の同点ゴールは、左サイドからの単独突破。前半終了間際にも、ペナルティエリア手前でチェルシーボールをインターセプトしてPKを獲得。52分には、チェルシーの守備のキーマンであるマティッチをかわして右隅に完璧なゴール。77分には、またも左から攻め上がってシャドリへのラストパス。ベストメンバーのチェルシーを粉砕したスピードは、当地のサポーターが名付けたハリケーンという愛称がぴったりでした。
チェルシー戦で覚醒したハリー・ケインの勢いは止まらず、クリスタル・パレス戦でチーム唯一のゴールを決めると、0-3で快勝したWBA戦でも2ゴール。2月に入ると、ノースロンドンダービーでも2ゴールを挙げて逆転劇の主役となり、敗れたリヴァプール戦でも前半の同点ゴールでアウェイサポーターを湧かせています。2015年のプレミアリーグで既に8ゴール、今季トータル13ゴール。ここまで17ゴールを決めている得点王争いの大本命、ジエゴ・コスタが出場停止で休んでいるうちに、4点差まで追い上げました。
チャンスを与えたいと公言しているイングランド代表のホジソン監督は、スタリッジやルーニーを交えたフォーメーションを考え、トッテナムのレヴィ会長はソルダードとアデバヨルを高く売る算段を始めているのではないでしょうか。「安く育てて、高く売る」が得意なトッテナムのことですから、このままいけば、いずれはガレス・ベイルのように大きなクラブに移籍することになりそうですが、できるだけ長くホワイト・ハート・レーンの顔として活躍してほしいものです。来週のヨーロッパリーグ、フィオレンティーナ戦も楽しみです。
最優秀監督に選ばれたセインツのロナルド・クーマン監督にとって、1月の3勝はただの勝ち点9ではありません。プレミアリーグ3位を争うアーセナル、マンチェスター・ユナイテッドとのシックスポインターを、いずれもクリーンシートで完勝しました。シュナイデルランを欠いたアーセナル戦は、先制点を挙げたマネを前半で代えなくてはならなかった厳しいゲーム。ペッレとタディッチがワンチャンスを活かしたマンチェスター・ユナイテッド戦は、セインツにとってはプレミアリーグで初めてオールド・トラフォードで奪った勝ち点3です。
夏に主力を大量に放出したのみならず、昨季の主力だったジェイ・ロドリゲスが長期離脱しており、前半戦はウォード=プラウズがリタイア。1月に入ると吉田麻也がアジアカップでいなくなり、マネが負傷。最近は、シュナイデルランとアルデルヴァイレルトという攻守の要を欠いています。中堅クラブの薄い選手層で、これだけ中軸がいなくなってもなお、プレミアリーグ4位に踏ん張っているのはお見事。ユヴェントスとブレーメンで完全にくすぶり、代表にも呼ばれなくなっていたエルイェロ・エリアを1月に獲り、さっそく2ゴールを挙げさせているのもクーマン監督の大手柄です。ブレーメンでの2年半で4ゴールの選手が、初めてのプレミアリーグにも関わらず、最初の1ヵ月でその半分を叩き出したのですから。
セインツはケガ人復帰のタイミング、トッテナムはヨーロッパリーグとの兼ね合いが今後の浮沈のカギを握りそうです。両者とも、最終的にプレミアリーグ4位以内に入っていてもおかしくない戦いをしています。ハリー・ケイン、クーマン監督、おめでとうございます。素晴らしい1ヵ月でした。今後もいいプレイ、いいサッカーを見せてください!
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