イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

モウリーニョ監督に契約延長報道!経営の健全化と長期的な強化を図る、盤石のチェルシー

当代No.1を争う名監督とはいえ、ご本人が望んだことがすべて通るわけではありません。しばしばチェルシーへの愛を公然と語り、長期政権を実現したいという願望を隠さないモウリーニョ監督とて、プレミアリーグやチャンピオンズリーグで結果を出せなければ、アブラモヴィッチオーナーが粛々と次の人選を始めるのがチェルシーという組織です。今回、イギリス紙「デイリー・エクスプレス」が報じた、モウリーニョ監督が新しい4年契約を結ぶ見込みというニュースは、事実であれば名将にとって最高にうれしい話なのではないでしょうか。残り試合が減り、プレミアリーグ優勝が現実的な話となるにつれて、レフェリー批判や他クラブへの攻撃的な発言が増えたモウリーニョ監督は、かなりナーバスになっているようにみえます。残り2年となっている契約が2019年までに延長されて、850万ポンド(約15億円)といわれている高額年俸がUPされることが、モウリーニョさんが対外的にもポジティブモードに切り替わるきっかけとなればと思います。

それにしても、チェルシーは盤石ですね。アブラモヴィッチさんがクラブに乗り込んできた当初は、「札束で選手をかき集めてくるばかり」と悪評が多かったチェルシーですが、ここ数年で長期的視座に基づいた健全経営のクラブへと大きく変貌を遂げました。2013-14シーズンの決算では、売上は昨対25%UPの3億1980万ポンド(約582億円)、利益は1840万ポンド(約33億4600万円)といずれも過去最高。トップチームがプレミアリーグ首位を走っているだけでなく、U-21はマンチェスター・ユナイテッドを僅差で抑えてトップ。U-18のサウスグループでも、アストン・ヴィラをぶっちぎって首位を快走しています。海外出身の若手選手を獲得し、レンタルで修業に出して伸びた選手をトップチームに合流させるというのがチェルシーの常套手段でしたが、最近は自前のアカデミーやユースチームからもいい選手が続出。1月にトップに登録されたロフタス=チークとイジー・ブラウンをはじめ、U-21チームにはクリスティアンセン、ドミニク・ソランケという大器も控えており、生え抜きの選手が数人、チームの主軸となる日もそう遠くはないでしょう。

以前に、チェルシーのアカデミーにおける若手育成ノウハウについて紹介している記事を目にしたのですが、「メンタル、テクニック、フィジカル、オフェンス、ディフェンスの5項目で選手の成長過程を記録・把握」「振り返りシートの記入や、具体的な目標を語るインタビュー撮影などで、自発的に取り組む姿勢を醸成」など、日本企業の人事も参考になるようなPDC(プラン・ドゥ・チェック)システムを構築しているとのこと。選手の疲労を早期に回復させて負傷者を出さないためのフィットネス研究や医療チームの充実化なども含め、プレミアリーグのライバルクラブがチェルシーに学ぶべき点は多いのではないかと思います。

アブラモヴィッチさんは、ほんとうにサッカーが好きで、チェルシーを愛しているのでしょう。経営のトップに、コンセプトや思いに加えて質の高い仕事に対する正当な評価がなければ、いい裏方は定着しません。私が常から思うのは、「トップにいるクラブのポテンシャルが高ければ高いほど、リーグ全体のクオリティが上がる」ということ。最近、プレミアリーグが結んだ新しいテレビ放映権料契約が3年間で1兆円を超えるという報道があり、他国リーグの関係者が「プレミアリーグに大物選手を買い漁られる」と戦々恐々としていると伝えられましたが、海外からいい選手を連れてくるだけでなく、下部リーグからの優秀な選手の発掘、自前のスター選手育成など、長期的な強化につながる投資がなされていけばいいですね。今季、久しぶりにプレミアリーグの頂点に立とうとしているチェルシーには、いいお手本であり続けてほしいと切に願います。モウリーニョさんに勝てれば欧州ナンバーワンになれる、と誰もが思うような存在に。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“モウリーニョ監督に契約延長報道!経営の健全化と長期的な強化を図る、盤石のチェルシー” への5件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    私も当初はアブラモヴィッチ氏が買収しその後は、札束で選手を買い漁るイメージが強かったです。ホームゲーム毎回の観戦やビジネス的視点に立った長期経営&選手育成を見ていると、しっかりとしたビジョンに基づいて経営しているんだなと思いました。昨今のサッカー界において黒字経営は素晴らしいです。

  2. リバサポ より:

    最近、自前の選手少しずず増えましたね。ケインとメイソンはブレイクし、ウィルソンとペシェリン、コクランが第二ブレイク候補かな。それを、アケやアイブが追ってる感じですね。ヤヌザイとタウンゼントとラムジーがどうも停滞中で、どうなるか。チェンバレンとスターリングは完全に定着しました。若手がでてくるとワクワクきますねー。

  3. モウ より:

    こんなにチェルシーのいいことづくしで書いていただき、ありがとうございます(o^^o)

    モウリーニョの契約延長、早く決まってほしいです。
    周りからは強豪相手の時の守備的な戦術を批難されることも多々ありますが、そういうのも含めてチェルシーとモウリーニョの采配が好きです。

    ユースの選手たちは、早くスタメン張れるようになり、活躍してくれることを願ってます。

    あとはコスタの一件や、サポーターの人種差別問題などのダーティーなことをなくしていき、誰もが偉大なビッグクラブと認めてくれるようになっていってほしいです。スコールズを含めて(笑)

  4. a より:

    最近のユナイテッドは、トップがなんかおかしい気がするんですよね……。

    羨ましい限りです。

  5. 通りすがり より:

    最近のプレミアのクラブはアカデミーを強化してるからまた一段と面白くなってきた
    一方で日本は遅れてるなぁ
    追いつくのは不可能だろうし日本はベルギーみたいに各国で育ててもらって代表に呼ぶ方針にした方がいいと思う
    選手として大成しなくてもザック通訳の矢野さんみたいに経験を次にいかせる訳だから
    そういうグローバルな視点を持ってる人達が将来日本サッカー協会で仕事をすれば一石三鳥だよ

コメントを残す