ついに息切れ⁉サウサンプトン&ウェストハム、1月就任の新指揮官率いる好調クラブに完敗!
ウェストハムは、プレミアリーグ直近5試合を3分2敗と勝利なし。セインツは1勝1分3敗ですが、5試合でわずか1ゴール。0-1で勝利したQPR戦の得点は、93分に吉田麻也の見事なラストパスからマネが左足で決めたもの。90分では5試合連続ゴールなしという深刻な得点力不足に陥っています。今季のプレミアリーグで27試合13ゴールと「2試合で1点獲るかどうか」の貧攻アストン・ヴィラでさえ直近5試合で2ゴール挙げており、数字を見ればクーマン監督のチームのガス欠ぶりがより際立ちます。
さて、ここからは両者の土曜日のゲームを簡単に振り返ってみましょう。クリスタル・パレスのパーデュー監督は、セットプレーの練習に相当時間をかけているはずです。CK、CK、FKで3発。1点めは、マレーのヘッドをウェストハムの若きイングランド代表候補・左SBクレスウェルが痛恨のクリアミスをしてしまった幸運なゴールでしたが、2点めのダンのヘディングシュートは文句なし。圧巻は3点めでした。左サイドからのFKを中に入れたのはパンチュン。FKでクロスを入れる場合は4~5人がゴール前に入るのが普通ですが、ここで走り込んだのは、マレーとダンの2人だけ。他の選手はどうせ決められないと開き直っているかのようです。対するウェストハムの守備陣は5人いたのですが、オフサイドラインぎりぎりにいたニアのマレーを捕まえきれずにヘッドを合わせられ、GKアドリアンはノーチャンス。エネル・バレンシアがペナルティエリア外からミドルを決めたのが76分では、逆転は望むべくもありません。
ウェストハムの抱える問題は、疲労による運動量と集中力の低下でしょう。リヴァプール戦は後半の2失点で2-0と完敗。マンチェスター・ユナイテッドには1点リードを最終盤に追いつかれ、トッテナム戦も80分過ぎからダニー・ローズとハリー・ケインに決められてドロー。昨日の失点も2点は後半と、ここ5試合の8失点のうち7つまでが後半です。クヤテ、ダウニング、ソングが外れるとクオリティが下がるために使い詰めになっていますが、出し続けると後半、失速。行くも地獄、引くも地獄の現状は、簡単には好転させられないと思われます。スウォンジーにかわされ、ストークに追いつかれたアラダイス監督には、ニューカッスルに抜かれないようTOP10を死守して次の監督にバトンを渡す以外にできることはないでしょう。
そして、吉田麻也がレギュラーCBとして奮闘し続けるセインツですが、前半3分のベラヒーノのゴールは、ロングボールをドーソンに競り負けた吉田麻也を責めるより、右隅にきれいに決めたイングランド代表の左足をほめるべきでしょう。問題は、ここからの87分間で1点も決められなかったこと。マネ、吉田麻也、シュナイデルラン、タディッチ…セインツは12本のシュートを打ったものの、ザ・ホーソンズのサポーターに悲鳴を挙げさせることはできませんでした。彼らの問題は、プレミアリーグ前半戦でチームを引っ張ってきた点取り屋のグラツィアーノ・ペッレとタディッチの不振。67分に左からのグラウンダーがゴール前に入ったとき、目の前を走るボールに触りさえすれば2メートル先のラインを超えたであろう大チャンスに、ペッレの右足はかすりさえしませんでした。このボールは、自信に満ちていた秋の彼なら、難なく決めていたのではないかと思います。
ペッレの代役一番手のシェーン・ロングは病み上がりで、1月加入のジュリチッチにタディッチ不振の完全な穴埋めを期待するのは酷でしょう。同じく年明けに合流したエルイェロ・エリアはまずまずの出来ではありながら、ニューカッスル戦で2点を決めた後はゴールに近づくプレイができておりません。どうする、クーマン監督。次戦は、ウェストハムにアウェイで快勝して意気が上がるクリスタル・パレスと本拠地セント・メアリーズでぶつかりますが、ここで負ければマンチェスター・ユナイテッドとアーセナルだけでなく、リヴァプールやトッテナムにも置いていかれて、大方の予想通りのプレミアリーグ7位が定位置となってしまうでしょう。
どうやら、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプール、トッテナムの4チームで、3位と4位の2つの椅子を争うことになりそうです。本日、ランチタイムキックオフ。リヴァプールはアンフィールドで、マンチェスター・シティとの負けられない一戦に挑みます。
(トニー・ピューリス 写真著作者/ifcs_media)
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