偏愛的プレミアリーグ見聞録

ヨーロッパリーグ準々決勝ファーストレグ、アーセナルVSスラヴィア・プラハ。プレミアリーグのリヴァプール戦で完敗したチームは、気持ちを切り替えて欧州のステージに臨めるでしょうか。週末のゲームで何もできなかったオーバメヤンはベンチスタート。ウーデゴーア、ティアニー、ダヴィド・ルイスは負傷でベンチからも外れています。

アルテタ監督が選んだ11人を見てみましょう。GKレノ、DFベジェリン、ホールディング、ガブリエウ・マガリャンイス、セドリク・ソアレス。中盤センターはトーマス・パーティーとジャカ、2列めはサカ、スミス・ロウ、ウィリアン、最前線にラカゼットという布陣です。キックオフから5分は、互角の展開。アーセナルは厳しいプレスをかけず、スラヴィア・プラハの直線的なアタックを最終ラインで止めています。

14分、サイドチェンジを受けた右SBバーのクロスのクリアが、プロヴォドの足元へ。左足のダイレクトショットは、クロスバーをかすめるきわどい弾道でした。20分を過ぎても、ガナーズのシュートはゼロ。ホールディングやサカのクロスは味方に通らず、ラカゼットは消えています。27分、トーマス・パーティーがドリブルで上がり、右にいたラカゼットにパスを通すと、チーム初のシュートは右にアウト。2分後、ホールディングの絶妙なスルーパスで右からラインの裏に抜けたサカは、GKコラージュとの1対1で左に外してしまいました。

36分のプラハの速攻は、シマのパスを受けたオラインカが中央に入って左足で狙いますが、ホールディングがコースを切ってレノの正面に打たせました。38分のラカゼットのFKは壁にヒット。右から仕掛けたサカのクロスはゴール前を横切り、フォローしたセドリク・ソアレスが高く浮かすと、ホールディングのヘッドはバーを越えていきます。ハーフタイムは0-0、シュート数は4対3でオンターゲットは1対1。ホームでセーフティリードを築きたいガナーズは、最初の45分と同じ戦い方でゲームを終えるわけにはいきません。

48分、右からFKを蹴ったウィリアンは、カーブをかけた一撃を右のポストに阻まれます。58分、プラハのカウンター。ポジションを1列上げたボジルがドリブルで持ち込み、ボックス手前で左足を振り抜くと、レノが冷静に足でブロックして失点を回避しました。62分、ハーフライン付近でドーリーから奪ったラカゼットが独走となり、GKと1対1。右足で浮かしたシュートはクロスバーに当たり、前半のサカに続いてビッグチャンスを逃してしまいました。

65分、ボックス右で勝負したサカが高速グラウンダーを入れると、ファーのラカゼットはうまくコントロールできず。アルテタ監督の1枚めは、71分にウィリアンをマルティネッリです。74分、左から上がったラカゼットの折り返しはスミス・ロウに合わず、サカの落としを叩いたトーマス・パーティーのシュートは右に外れました。77分にラカゼット、サカ、トーマス・パーティーが下がり、オーバメヤン、ニコラ・ペペ、エルネニーがピッチへ。直後、右から上げたスミス・ロウのクロスがニアのオーバメヤンに入りますが、左足のボレーは枠にいきませんでした。

85分、縦パスを受けてタメを作ったオーバメヤンが、右のニコラ・ペペにラストパス。スピードで突破したウインガーがGKと1対1になると、外した2人に欠けていた冷静な判断で左足のフィニッシュをファーのサイドネットに転がしました。92分、プロヴォノの強烈なシュートはレノがビッグセーブ。CKがニコラ・ペペに当たって左に流れると、ホレシュのヘッドをレノは弾ききれません。痛恨の失点で、1-1ドロー。2つの1対1を外したツケを最後に払わされた格好となりました。

1-0と1-1は、天国と地獄。サカやニコラ・ペペのスピード頼みのアタックを改善できなければ、アーセナルは大きな希望を手離すことになりそうです。空回りしていたウィリアンは、もっと早く代えるべきだったのではないでしょうか。オーバメヤンとニコラ・ペペで決めたゴールを見て、アルテタ采配に疑問を感じた一戦でした。敵地でのセカンドレグには、ウーデゴーアが間に合うでしょう。オリンピアコス戦で強烈なミドルを決めたプレーメイカーと、ベンフィカ戦で2発ゲットしたオーバメヤンの奮起に期待したいと思います。