2021.04.21 チームの話題(全体・他クラブ)
翻意したチェルシー、マンチェスター・シティ…欧州スーパーリーグ構想を巡る混乱のその後。
FIFA、UEFA、プレミアリーグの14クラブは断固阻止するという姿勢を表明。サポーターや評論家は激怒。ビッグ6を率いる監督たちは、困惑を隠せませんでした。19日に発表された欧州スーパーリーグ構想。プレミアリーグからはマンチェスター勢とリヴァプール、アーセナル、チェルシー、トッテナム、セリエAのユヴェントス、インテル、ミラン、ラ・リーガではバルセロナ、レアル・マドリード、アトレティコ・マドリードが「創設クラブ」として常時参加し、優勝を争うという話です。
15を予定していた創設クラブですが、バイエルンとパリ・サンジェルマンが参戦を見送ったと報じられました。彼らが抜けた瞬間、プランは崩壊したといってもいいでしょう。プレミアリーグから6つのクラブが入っているのに、ドイツはゼロという歪な世界。降格がない15クラブと入れ替えがある5クラブというアンフェアなレギュレーション。「フットボールは開かれた競争とスポーツの実力に基づいており、それ以外の方法はありえない」と計画を非難したUEFAや、「CLには、何の問題もない。フットボールのコンペティティブなところが好きだ」とコメントしたユルゲン・クロップに、反対する理由はありません。
「フットボールのマネーに反対するわけではない。しかし、原則と精神はフェアな競争にあるべきだ。レスターがリーグで勝ったら、彼らはチャンピオンズリーグに参加するということだ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、トッテナムはチャンピオンズリーグに出場していないじゃないか。フットボールクラブにおける絶対的な混乱がそこにある」。いち早く批判の声を挙げたガリー・ネビルさんは、立ち上げのタイミングについても指摘しています。
「パンデミックや経済危機の真っ只中で、ナショナルリーグのサッカークラブはほぼ破綻し、選手を一時的に解雇している。リーグ1と2のクラブも危機に瀕しているというのに、彼らはリーグからの離脱についてZoomで話し合い、さらなる強欲を追求しようとしていたのか?ジョークだろう」
マンチェスター・ユナイテッドの40年来のサポーターと称するレジェンドとともに、「スカイスポーツ」でプレミアリーグについて熱く語るジェイミー・キャラガーさんも、今回の発表を批判しています。「欧州スーパーリーグの構想を見れば見るほど、リヴァプールのオーナーは空っぽのスタジアムを好んでいるではないかという印象が強くなる。わざわざ大規模なファン離れの可能性を高めているのだから」。彼が例に挙げたのは、プレミアリーグのTOP4争いと古巣の歴史でした。
「ドラマティックなチャンピオンズリーグ出場権を巡る争いへの影響は計り知れない。リヴァプールの残り7試合についてまわる不安感と興奮にファンは熱くなり、テレビ局は大金を払っている」
「イングランドの2部から這い上がり、6度の欧州チャンピオンに輝くことを可能にした競争の理念が脅かされている。これは、マネーを目的としたレガシーに対する裏切りだろう」
ビッグクラブのサポーターたちもすぐさまアクションを起こし、アーセナルのサポーターズトラストは、「スポーツ組織としてのアーセナルの死」という強い言葉で非難しています。新リーグ反対の声が鳴りやまぬなかで、昨日、新たな動きがあったようです。「Chelsea and Manchester City to leave European Super League(スカイスポーツ)」。スタンフォード・ブリッジの外にサポーターが集まって抗議しているのを見たチェルシーは、自らの決定が間違いだったと認め、マンチェスター・シティも参加を見合わせる旨を表明したと伝えられています。
ボリス・ジョンソン首相までが、「フットボールに大きな損害を与える。われわれはFAを支持する」と表明しており、プランは早期に瓦解するでしょう。昨日、本ブログのコメント欄にて「欧州スーパーリーグについての意見を聞かせてほしい」とリクエストをいただいたので、最後に私の見解を添えたほうがいいのかと考えたのですが、ここまで読んでいただいたら、さらに何かをプラスする必要はないでしょう。今回の混乱のなかで触れた最も美しい言葉を紹介して、この稿を締めたいと思います。
「It is not a sport where the relation between effort and success does not exist. It is not a sport where success is already guaranteed, it is not a sport where it doesn’t matter when you lose.」
努力と成功の関係が存在しなければ、スポーツではない。成功が既に保証されているのなら、スポーツではない。負けても問題なければ、スポーツではない。
ーペップ・グアルディオラ
15を予定していた創設クラブですが、バイエルンとパリ・サンジェルマンが参戦を見送ったと報じられました。彼らが抜けた瞬間、プランは崩壊したといってもいいでしょう。プレミアリーグから6つのクラブが入っているのに、ドイツはゼロという歪な世界。降格がない15クラブと入れ替えがある5クラブというアンフェアなレギュレーション。「フットボールは開かれた競争とスポーツの実力に基づいており、それ以外の方法はありえない」と計画を非難したUEFAや、「CLには、何の問題もない。フットボールのコンペティティブなところが好きだ」とコメントしたユルゲン・クロップに、反対する理由はありません。
「フットボールのマネーに反対するわけではない。しかし、原則と精神はフェアな競争にあるべきだ。レスターがリーグで勝ったら、彼らはチャンピオンズリーグに参加するということだ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、トッテナムはチャンピオンズリーグに出場していないじゃないか。フットボールクラブにおける絶対的な混乱がそこにある」。いち早く批判の声を挙げたガリー・ネビルさんは、立ち上げのタイミングについても指摘しています。
「パンデミックや経済危機の真っ只中で、ナショナルリーグのサッカークラブはほぼ破綻し、選手を一時的に解雇している。リーグ1と2のクラブも危機に瀕しているというのに、彼らはリーグからの離脱についてZoomで話し合い、さらなる強欲を追求しようとしていたのか?ジョークだろう」
マンチェスター・ユナイテッドの40年来のサポーターと称するレジェンドとともに、「スカイスポーツ」でプレミアリーグについて熱く語るジェイミー・キャラガーさんも、今回の発表を批判しています。「欧州スーパーリーグの構想を見れば見るほど、リヴァプールのオーナーは空っぽのスタジアムを好んでいるではないかという印象が強くなる。わざわざ大規模なファン離れの可能性を高めているのだから」。彼が例に挙げたのは、プレミアリーグのTOP4争いと古巣の歴史でした。
「ドラマティックなチャンピオンズリーグ出場権を巡る争いへの影響は計り知れない。リヴァプールの残り7試合についてまわる不安感と興奮にファンは熱くなり、テレビ局は大金を払っている」
「イングランドの2部から這い上がり、6度の欧州チャンピオンに輝くことを可能にした競争の理念が脅かされている。これは、マネーを目的としたレガシーに対する裏切りだろう」
ビッグクラブのサポーターたちもすぐさまアクションを起こし、アーセナルのサポーターズトラストは、「スポーツ組織としてのアーセナルの死」という強い言葉で非難しています。新リーグ反対の声が鳴りやまぬなかで、昨日、新たな動きがあったようです。「Chelsea and Manchester City to leave European Super League(スカイスポーツ)」。スタンフォード・ブリッジの外にサポーターが集まって抗議しているのを見たチェルシーは、自らの決定が間違いだったと認め、マンチェスター・シティも参加を見合わせる旨を表明したと伝えられています。
ボリス・ジョンソン首相までが、「フットボールに大きな損害を与える。われわれはFAを支持する」と表明しており、プランは早期に瓦解するでしょう。昨日、本ブログのコメント欄にて「欧州スーパーリーグについての意見を聞かせてほしい」とリクエストをいただいたので、最後に私の見解を添えたほうがいいのかと考えたのですが、ここまで読んでいただいたら、さらに何かをプラスする必要はないでしょう。今回の混乱のなかで触れた最も美しい言葉を紹介して、この稿を締めたいと思います。
「It is not a sport where the relation between effort and success does not exist. It is not a sport where success is already guaranteed, it is not a sport where it doesn’t matter when you lose.」
努力と成功の関係が存在しなければ、スポーツではない。成功が既に保証されているのなら、スポーツではない。負けても問題なければ、スポーツではない。
ーペップ・グアルディオラ
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「欧州スーパーリーグについての意見を聞かせてほしい」とリクエスト、をしたのは私かなと思います。
ペップの言葉を引用されてのご返信、ありがとうございます。
今後の状況次第では自分の地位を危うくするというリスクがある中、真っ先に構想を否定したクロップやペップは本当に素晴らしい監督だなと思いました。
彼らほどのキャリアであれば、今後マドリーやユベントスなどスーパーリーグ側のクラブからお誘いがあることも十分に可能性があるわけですから。
トゥヘルやアルテタは「初めて聞いたからまだよく分からない」と態度を示しませんでしたが、それが普通だと思います(トゥヘルやアルテタを批判するつもりは一切ありません。)。
さてさて、今後どうなるでしょうか。
スーパーリーグは論外だとしても、新しくスタートするとアナウンスのあるチャンピオンズリーグのシステムも全面的には支持出来ません。
あるいはこの混乱こそがトップクラブ達の狙いだったとか……??
まだまだ波乱は続きそうですが、ひとまずアーセナルが構想から早々に離脱したことと、ファンに謝罪をしたということで一安心しています。