止まらなかったCK…10人のパリに敗れたチェルシー、プレミアリーグ勢最初の敗退!【後篇】
延長前半、モウリーニョ監督最後のカードは、ラミレスに代わってドログバ。チャンピオンズリーグをよく知る気持ちの強い選手に命運を託します。94分、我慢できなかったチアゴ・シウヴァ。ゴール前に浮いたボールに反応が遅れ、ズマに先に触られそうになった欧州屈指のCBはたまらず手でボールに触れてしまい、ジャッジはPK。シリグの動きをみて正面に転がしたアザールは冷静でした。再度勝ち越し、チェルシー。プレミアリーグ最強のクラブが、ベスト8に向けて大きなリードを奪いました。
99分、ドログバとのワンツーでシリグと1対1になりかけたアザールはシュートに持ち込めず。パリ・サンジェルマンには追いつくための時間は充分にあります。最大の希望はセットプレー。101分のダヴィド・ルイスの直接FKは、クルトワが体を伸ばしてCKに逃れます。さらにゴールを狙うチェルシーは、ジエゴ・コスタらが再三シュートを放つものの、ことごとくDFに当ててしまい追加点はなりません。2-1のまま、勝負は延長後半へ。残り15分、ゴールを奪ったほうがチャンピオンズリーグのベスト8に残ります。
パリは間違いなく疲れています。CKやFKを蹴らせなければ、クルトワが脅かされることはないでしょう。チェルシーは、マイボールの時間を長くしたいところ。ファールが多いウィリアンは、落ち着かないといけません。109分、パリの直接FKは壁を超えず、アザールから始まったカウンターはジエゴ・コスタのシュートが大きく枠の上。残り時間は10分です。いつもなら、後ろでまわして笛を待てるチェルシーが、今日は試合を畳みにいけません。パリ・サンジェルマンは、執拗にサイド攻撃。112分のCKは、チアゴ・シウヴァのヘッドをクルトワがビッグセーブでしのぎましたが、直後にもう一発、テリーに頭で競り勝ったチアゴ・シウヴァをクルトワは防げませんでした。ふわりと弧を描いたボールがゴール左隅に吸い込まれていく様は、ドーハの悲劇の瞬間と同じスローモーション。残り5分、ついにパリ・サンジェルマンがアウェイゴールルールでリード。ゴールを奪えない限り、チェルシーに次のゲームはありません。
116分のジエゴ・コスタのヘッドはシリグがキャッチ。パストーレは悠々と下がり、ファン・デル・ウィールとスイッチします。焦るチェルシー。時間はもうありません。ゴールを奪われた後はハーフラインすらなかなか越えられず、プレミアリーグ勢でいちばん有利だったチェルシーのチャンピオンズリーグは終わりを告げました。
パリ・サンジェルマンにとっては、イヴラヒモヴィッチの退場はケガの巧妙だったかもしれません。カバーニが最前線でカウンターを狙い、マクスウェルやパストーレ、ラベッシがサイドを突く形はかえってシンプルで力強く、アウェイチームの戦い方として効果的でした。負傷明けのマティッチは、体力的に80分が限界だったのでしょうか。1-0でしっかり守りきるなら、先に下げたかったのはラミレスだったように思います。モウリーニョ監督の采配には、昨季のパリとの対決や、普段のプレミアリーグと比べてキレがないように感じました。
プレミアリーグファンとしては、アーセナルとマンチェスター・シティに奇跡を起こしてもらうよりほかはありません。レアル・マドリードと戦ったシャルケ04は、「あと1本」をバーに阻まれてしまいましたが、アウェイで2点差の勝利といえども、決してセーフティではないことを証明してくれました。プレミアリーグはベスト8を前に全クラブ撃沈か、それとも希望はつながるのか。来週の水曜日には、チャンピオンズリーグ2014-15シーズンの8強が出揃います。
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数年間もCLで勝てなくなってるってことはプレミアのレベルの低下は深刻ですね。
やはり戦術的未発達がいけないのでしょうか。
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モウチェルシーでも勝てないとなるとプレミア勢はもうアカンな
何か変えなければ
更新ご苦労様です。
延長戦までもつれ込んだ面白いゲームでした。PSGはまさかのイブラヒモビッチのレッドにも崩れる事がなかったのが大きかったと思います。あとゴールを決めたのが二人ともセレソンというのも個人的には嬉しいです。PSGグッジョブですね。
しかし盤石と思われたチェルシーがまさかのベスト16敗退。プレミア勢の残りチームも厳しい状況と、旗色が悪いですね、、、。プレミアファンの私としては最近のチーム状況を鑑みてガナのミラクルに期待します。
アーセナルが負けるとまさかのフランスリーグに二敗。これはさすがにやばいですよね。金はあるのに何故、、、
悲しいなぁ…
プレミアは1強に固まってないからなぁ…
ガナーズとシティは奇跡を…
ダビドルイスとマトゥイディ以外は監督含めて全員セリエAオールスターだから(ベラッティはセリエB→PSG)だから全員戦術理解度が高いし攻撃の選手まで守備が上手い。
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早速の更新お疲れ様です。
チェルシーはプレミアでも年末あたりから段々危うい試合が多くなってきていた印象ですが、まさか負けてしまうとは思いませんでした。こうなったらアーセナルとシティの逆転劇に期待するしかないですね。特にアーセナルは追い込まれると謎の強さを発揮しますから。
あとなんでブラジルのディフェンダーはあんなにシュートがうまいんでしょうか。チアゴ・シウバのヘディングは素晴らしかったです。
プレミアリーグ大好き!さん デリックさん>
戦術が単一かつアバウトなクラブが多い、というのは一因としてあると思います。そのほか、気になっているのは「イングランド代表のレベル低下、イングランド人選手が高いのにさほどうまくないこと」「若い選手の青田買いなど、プレミアリーグクラブの専売特許だった手法が浸透して、昔のようにアドバンテージではなくなったこと」です。
アーセナルさん>
根が深い問題ですが、いちばん早そうなのは「上位のどこかにグアルディオラ、シメオネ、ガルシアさんのような戦術的に優れた監督が来て優勝をさらう」ではないかと思います。来てもらう難易度が高いのは承知ですが。
Mackiさん>
チェルシーがここでつまずくとは思っていませんでした。ガナーズの奇跡に期待、は同感です。
グナさん>
ですよね。ぜひ!
熊サポさん>
彼らは国も個人も攻めるの好きですからね…。最近はいいストライカーこそ出てこなくなったものの、中盤と後ろは攻撃センスがありますよね。子どものころから培ったベースにあるのではないでしょうか。
鬼さん>
確かに、前の選手の守備がいいですね。
相手がPSGとはいえホームで数的優位になりながらこの内容この結果ですからねぇ。
日程的にも2試合通して圧倒的有利な状況での対戦でしたし。
これが現状のチェルシー、現状のプレミア勢の実力という事なんでしょう。
このままだと2、3年後のリーグランキングが非常にマズイ事になりそうですね。
なんで後半ラミレスボランチのセスクトップ下とかやりましたかね…。オスカルのカードが気になったにしてもラミレス右のままウィリアントップ下でよかったのに…。
このシステム正月のスパーズ戦以降増えてきましたけど、ボールの回りがどうしても悪くなるのでいいサッカー全然出来てないんですよね…。
>ボールを持って時間を遣いたいチェルシーは、前を急いだボールをさらわれ、危ないマチュイディやパストーレにつながれます。
セスクを上げたことによって上手く後ろで回せなくなり、ラミレスが頻繁に前線に上がってはミスしてどんどん攻撃のリズムが悪くなると…、正直この采配でこの試合は決まったのかなと。
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プレミアのレベルというより、ウィンターブレイクからの日程や、対戦相手の影響では? たしかにルイスのヘディングは尋常じゃない速さだった (・・;)
パックンさん>
モウリーニョさんが「プレッシャーに勝てなかった」といってましたが、よそ行きのサッカーをしている感じでしたね。来季、セリエAと同等の成績だとセリエAに抜かれます。
パチさん>
モウリーニョ監督もまた、狙いや覚悟がさほど強くないまま普段と違うこと、今までやってないことをやってしまった感がありましたね。
Joeさん>
ある時期までは、日程の影響や相手の攻め方など関係ないとばかりに勝っていたプレミアリーグ勢でしたが…。今はフランスに勝てず、ロシア、ウクライナ相手でも楽勝といかず、トルコとがっぷり四つです。おっしゃるとおり、プレミアリーグのレベルが著しく落ちたわけではないと思いますが、欧州に目が向いておらず、勝ち方を突き詰めていないようにみえます。
チェルシーには、是非とも4強以上に行って、プレミアでの勝ち点をこぼしてほしかったのですが……。
これでシティやガナも敗退してしまったら、プレミアに専念できてしまうので、ユナイテッドサポとしては辛いです。
リバポもEL敗退したのにリーグだと調子いいし……うーん……。