【MAN.CITY×WBA】ついに出たボニーの一発!マン・シティは10人のWBAにサッカーをさせず!
イングランドらしくない快晴のエティハドは、WBAにとっては暴風雨の空間でした。嵐が吹き荒れる予兆は、開始2分のマコーリーの退場。ボニーを引っかけたのはドーソンで、選手間のコンタクト自体にはレッドカードの要素はなかったので、「決定機阻止+人違い」か「マコーリーの暴言」のいずれかでしょう。現地解説は「レッドは妥当、完全な人違い」と主張していたようですが、マコーリーに対する出場停止処分がどうなるかを待たないと、事実関係はわかりません。いずれにしても、はっきりしているのは、これでWBA勝利の芽はほぼなくなった、ということ。ここからは、ひとつひとつのプレイを書くのが虚しくなるほどの、マン・シティの独壇場でした。
そうはいっても26分にゴールが生まれるまでは、ホームチームはナーバスだったと思います。右からヘスス・ナバスやサバレタがラインの裏を取るシーンはあれど、クロスは通らず。ベラヒーノを残して8人が引いたWBA最終ラインの前で横パスをかわす時間が長く、時折放つシュートは力んで枠を外すばかりでした。久しぶりのプレミアリーグ先発となったランパードは周囲がよく見えており、つなぎ役として機能していたものの、彼らしくない当たり損ねのシュートが多く、アグエロのシュートも強引。前の2人に対するダヴィド・シルヴァのラストパスは今ひとつ合わず、ありがちスロースタートのわがチームに、サポーターはやきもきさせられたことでしょう。
攻め続けていた彼らがようやく決めた先制点は、ファンもチームメイトもいちばん待ち望んだものに違いありません。いつもより積極的に攻撃に絡んでいたフェルナンドが裏に出そうとした浮き球は、オルセンに当たってコースが変わりますが、ガードナーとの奪い合いを制してワントラップでGKの前に躍り出たのはウィルフリード・ボニー!マン・シティ移籍後のプレミアリーグ初ゴールに喜びを爆発させる14番と、絶叫で迎えるバックスタンドは大盛り上がり。これでチームはかなりほぐれました。2点めは40分のCK。競り合いのこぼれ球をゴール前にいたオルセンがクリアミス。そばにいたフェルナンドは、GKマイヒルとモリソンが交錯する混乱のなか、ニアに押し込み勝利を決定づけました。
前半で2-0、シュート数は24対ゼロ、ポゼッションは80対20。何といっても11人対10人です。次の45分の楽しみは、「アグエロが得点王争いのライバル、ジエゴ・コスタをかわせるか」「ボニーのハットトリック」「WBAはシュートゼロで終わるのか」など、ワンサイドゲームならではの好記録・珍記録に特化されます。
後半もまた、マン・シティの公開練習のような一方的な展開。結果的には快勝でしたが、シュート43本で3点というのもなんですね。GKマイヒルがビッグセーブを連発したわけでなし、シュートがまったく枠にいかなかったわけでもなし。アグエロのシュートはことごとくGKの足元にいき、60分にはダヴィド・シルヴァのシュートがポストに当たった跳ね返りをボニーが叩いてクロスバー、などというシーンもありました。とはいえこれを「決定力に欠けた」などとナーバスに取りすぎなくてもいいでしょう。戦意喪失のWBAに対して、マンチェスター・シティは貪欲に大量得点を奪いにいっているという雰囲気でもありません。冷静に攻め、打てるときは躊躇せず打つ。今日は、このところの低調を忘れられる気持ちいい勝利を得られればいいのだと思います。期待のボニーにフィットしてきた感触があり、初ゴールという収穫はあったのですから。
77分にはクリシーが左でどフリーになり、中央へ戻したボールを途中出場のヨヴェティッチがシュート。コースは枠を外れていましたが、ダヴィド・シルヴァが軽いタッチで軌道を変え、ゴールイン。きれいな流れからのゴールをようやく奪いました。何もできなかったWBAについては、「決定機はCK1回のみ」「ベラヒーノのヘッドは惜しくもバー直撃」「シュートは結局3本」という事実だけ、添えておきたいと思います。
インターナショナルマッチウィークが明けると、4月にはマンチェスターダービーがあります。私は以前、モウリーニョ監督へのリスペクトも込めて、「強いチェルシーに優勝をさらわれて無冠だったから解任、ではペジェグリーニ監督がかわいそう」と書きましたが、マンチェスター・ユナイテッドに敗れるとプレミアリーグTOP5との直接対決負け越しが確定。チャンピオンズリーグでもいいところを見せられず、さらに3位となれば、一気にペジェグリーニ解任へと傾く可能性大です。プレミアリーグは残り8試合、いよいよ正念場。昨季王者の意地にかけて、マンチェスター・シティは最低でも2位を死守しなければなりません。
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