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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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3月MVPは5ゴールのジルー、最優秀監督は全勝ヴェンゲル。アーセナルがライバルを抑えてダブル!

マンチェスター・ユナイテッドのファン・ハール監督はプレミアリーグ3戦3勝、ヴェンゲル監督はプレミアリーグ4連勝を含む公式戦6戦全勝。アストン・ヴィラを最悪の状態から救い出したシャーウッド監督の2勝1敗や、チェルシーに引き分けただけの2勝1分けで3月を終えたクーマン監督も捨てがたく、3月の最優秀監督選考は大激戦といわれていました。一方。MVPのほうは、1月・2月と連続で選ばれたハリー・ケインが、3月もハットトリックを含む4戦5ゴールと絶好調。3ヵ月連続という、いわば「MVPハットトリック」となると史上初。気の早いメディアは、当確のような紹介をしていたのですが…。

プレミアリーグ3月の表彰は、アーセナルのダブルです。ハリー・ケインと同じ4試合5ゴールで、そのうち3点が決勝ゴールという勝利への貢献度の高さが光ったオリヴィエ・ジルー。プレミアリーグでは全勝同士だったライバルのファン・ハール監督を、FAカップではオールド・トラフォードで倒していたアーセン・ヴェンゲル監督。こうして記録を並べると文句なしですね。おふたりに加えてクラブ関係の方々、グーナーのみなさん、おめでとうございます!いたずらに煽るわけではありませんが、2強時代を築いていた頃のライバルであるマンチェスター・ユナイテッドと、隣のトッテナムを抑えての受賞という結果は、サポーターのみなさんのテンションをさらに上げるのではないでしょうか。

「このトロフィーをリビングルームに置いたら、いい感じになるだろうね」と、彼らしく明るく受賞の喜びを語ったジルーに対して、ヴェンゲル監督はクールなコメント。「勝利というものには、クオリティと失望が混ざっている。私たちはチャンピオンズリーグの敗退によって失望したが、それを経たことで強くなり、プレミアリーグとFAカップで結果を残した」とボスが語るのと合わせるように、ジルーもまた、「チャンピオンズリーグでゴールを奪えた喜びで、敗北から立ち上がり、より強くなれた」という言葉を残しています。

モナコ戦の衝撃の敗戦を引きずらずにプレミアリーグで最高の成績を残せたのは、監督とこのチームの精神的な強さだと思います。アーセナルが17大会連続でチャンピオンズリーグ本大会出場を果たしているのは、悪い状態を長引かせず、ひとたび波に乗ると連勝街道を走ることができるチームとしてのメンタルの強さに依るところ大でしょう。競争環境が厳しいプレミアリーグで、これだけ長い期間、致命的なスランプがなかったというのは凄いことです。

今回、ヴェンゲル監督らしいなと思ったのは、自らが最優秀監督賞を受賞したにもかかわらず、同時受賞のジルーへのリスペクトを忘れなかったことです。「ジルーこそがチームの象徴だ。彼は(チャンスを再三外したチャンピオンズリーグ・ラウンド16初戦の)モナコ戦で多くの批判を浴びたが、そこからとても素晴らしいパフォーマンスを見せるようになった。能力の高さと強いメンタルを表現した」。こういうところが、選手から慕われるのでしょうね。先日の代表戦でいいパフォーマンスを見せられなかったウォルコットに対しても、気遣う言葉を残していました。

ウォルコットの精神状態が心配だ。彼は敏感な選手だから、代表の試合で受けた心の傷が気になる。彼はまだ完全な状態ではなかった。このような厳しい評価を受けるのは、当然の報いとはいえない。彼はよくやっていたし、強靭なメンタルを持っている選手だ」

結局、ウォルコットはメンタルが強いのか弱いのかわからないコメントになっていますが、ヴェンゲル監督のいわんとしていることは伝わってきます。彼の選手へのリスペクトでは、「If you love football, you love Rosicky.」は、プレミアリーグ史に残る名言でしょう(言い過ぎですかね?)。世の中は、カリスマや強いリーダーシップがもてはやされる傾向が強いようで、「選手に聞いた理想の上司」という企画があるとモウリーニョさんの圧勝に終わるわけです。しかし、同じ選手思いでも、後ろから支えてあげるようなヴェンゲルスタイルもいいじゃないかと声を大にしていいたい気分がありまして、名古屋グランパスを素敵なチームに仕立ててくれた名将には、ガナーズでもうひと花咲かせてほしいと常から思っているのです。FAカップ連覇よりも、もっともっと大きな花、例えば欧州全土に咲き乱れるような花を。

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“3月MVPは5ゴールのジルー、最優秀監督は全勝ヴェンゲル。アーセナルがライバルを抑えてダブル!” への2件のフィードバック

  1. プラハ より:

    更新ご苦労さまです。
    ベンゲルさんの「気遣い・心配り」は、とても日本的な感じがします。本来の性格が大きいとは思いますが、もしかしたら日本での経験もあるのかもしれませんね(だと嬉しいです)。
    自分も理想の上司(というか、なりたい上司)はベンゲルさんです!

  2. サッカー小僧! より:

    更新お疲れ様です。

    3月のダブル受賞は、結果を反映すれば当然でしょうね、いろいろ注文つけられますが、ジルーは本当によくやっています。
    モナコ戦は不発でしたが、どんな選手でも点を取り続けることは不可能です。
    ただ、だからこそ、ジルーが当たっていない時、代わりに点を取ってくれる選手が必要と自分は感じます。

    ウォルコットがその役を担ってくれれば…と思っていましたが、最近の彼を見て、その期待はあんまりできないな、
    と感じずにはいられません、それはポジション違えど、カソルラの代役を担ってほしいウィルシャーも同様です。
    当然、我慢して使い続けていれば、かつてのソングやラムジーのように化ける可能性はあるとは思うのですが、
    正直、ヴェンゲルアーセナルにそれを待つ時間は、もう残されていないように感じます。

    グーナーとしては、長らくチームにいる彼らが中核を担ってくれることが最高であることは疑いようがないのですが、
    彼らを使い続けて、また結果が出なかったとき、果たしてサポーターを納得させられるのか?自分は無理だと思います。
    願わくは、起用されている時間の中で、彼らが周囲を納得させられるだけのプレーと結果を見せてほしいものです。

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