歩いていたのはモナコ戦と同じ道。危なかったアーセナル、幸運なゴールでFAカップ決勝進出!
5分、ギブスのロングボールに抜け出したウェルベックが抜け出し、飛び出したGKフェデリチにシュートを当てると、7分には中央に入り込んだアレクシス・サンチェスがエジルのパスを受けてノーステップのシュート。エジルが蹴ったCKに、ニアに入ったメルテザッカーが決定的なヘディングを放つと、フェデリチが何とか触って事なきをえます。立ち上がりから一方的に攻めるアーセナルが先制するのは時間の問題、3~4点奪って快勝すると思われました。しかしここから先制点を奪うまでに、プレミアリーグで優勝を争うクラブは30分という長い時間を費します。
18分、エジルのカーブをかけたFKはポストをかすめ、21分のカソルラの左足はバーをオーバー。この日のSBはベジェリン、モンレアルではなくドビュッシーとギブスでしたが、久しぶりということもあってかオーバーラップは控えめです。26分にはカソルラのきれいなスルーパスにアレクシス・サンチェスが抜け出しますが、フェデリチの出足のよさの前にフィニッシュに持ち込めません。
38分、やはりこの人のパスは芸術的です。手を上げて中に入ってきたアレクシス・サンチェスを見逃さず、絶妙な浮き球を通したのはメスト・エジル。マクレアリーのマークをトラップで外したアレクシスは、GKの足元を抜く冷静なシュートを決め、最近息が合ってきたドイツ代表のテクニシャンを指差して称賛します。前半1-0は悪くない折り返し。後半、早い時間にもう1点獲れれば、アーセナルは楽勝ペースに持ち込めたでしょう。しかし54分、ゴールを奪ったのは、ここまで決定機がなかったレディングでした。
いいときのプレイではなかったドビュッシーが右サイドを破られ、クロスが流れたところにいたのはマクレアリー。ギブスに当たってコースが変わったものの、さほどスピードがなかったシュートはシュチェスニーが弾けるボールに見えました。しかし、オスピナの控えとなった背番号1がこれをファンブルし、慌ててキャッチしたもののゴールラインテクノロジーとレフェリーは同点というジャッジ。これでレディングは元気になり、アーセナルには焦りが目立ち始めます。
ガナーズの問題は、ウェルベックがサイドに流れ過ぎ、いてほしいときに中央にいなかったことと、右のラムジーが中途半端に中央に入ることが多く、ピッチを狭くしてしまったこと。63分、負傷したメルテザッカーに代わったガブリエウ・パウリスタが、直後のCKをニアからのヘッドで合わせるも、ゴール左上を襲ったボールをフェデリチがビッグセーブ。72分、ヴェンゲル監督はゴールに向かわないウェルベックを諦め、エースのジルーを投入します。
勢いはレディングでしたが、84分、アーセナルが決定機を迎えます。アレクシス・サンチェスが仕掛けたカウンターに並走し、DFラインの裏に入ったラムジーにスルーパスを通したのはジルー。ゴール正面でフリーという大チャンスをGKにぶつけたラムジーは、左にこぼれたチャンスボールもポストに当ててしまいます。2分という短い追加タイムはあっという間に終わり、1-1。勝負は30分のエクストラタイムに持ち越されます。
正直に申し上げると、私はアーセナルの敗退もあると思いながら観ていました。105分、左から上がって切り返しを入れたアレクシス・サンチェスのシュートを、それまで何度も素晴らしいセーブでチームを救っていたフェデリチがトンネルするという幸運で勝利をつかみましたが、この日のガナーズはあのモナコ戦と同じ道を歩いていたと思います。86分と103分に、2対1となる危険なカウンターを喰らいながらも何とか勝ったのは、相手にベルバトフやフェレイラ・カラスコのような決定力がなかっただけ。プレミアリーグやFAカップ、チャンピオンズリーグで勝ちたいのなら、今日のようなゲームを繰り返してはなりません。
とはいえ、ガナーズのサポーターのみなさんは、幸運な勝利をつかんだ夜こそ「サンチェス!」「エジル!」と叫びながらビールでも飲んで気持ちよく寝るのがいいですね。好調の2人の素晴らしいタッチやコンビネーションには興奮させられました。片やフェデリチは、今夜は眠れない夜を過ごすことになるのでしょう。88年ぶりのベスト4に盛り上がっていたレディングが勝てば、間違いなくヒーローは彼だったのに…。サッカーの神様は、ときどき残酷なことをします。
アーセナルが、FAカップ連覇に王手をかけたゲームでした。クラブにとって今季2つめの栄冠&ロンドン勢タイトル独占まであと1勝です。
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昨シーズンと同じく何とか突破を決めた一戦でしたが、これだけ連勝が続いていると、案外あっさり黒星がついたりするもの
で危うくそのパターンにはまりかねない試合内容でしたが、この試合がそういう試合にならなくてよかったです。
ただ、やはりジルー以外に決定力のあるCFが一人必要だと、再認識させられる試合でした。
信憑性はさておき、最近CFの補強の噂がちらほら出ていますが、確かにイグアインレベルのCFがいれば、チームとしては
この上なく心強いですが、そうなるとどちらが先発を担うか、とかいろいろ問題があります。
もちろん所属選手の中から、そういう選手に成長を遂げてくれる選手が現れてくれるのがベストなので、サノゴや
アクポムがそういう選手になってくれれば、グーナーとしては一番いいのですが…、あと2年の任期中に結果が
求められる監督がどういう決断を下すのか、今オフの補強には、今から注目です。
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アーセナルが今年に入ってこういう難しい試合を取りこぼさなくなりましたね。これが一年間できれば十分優勝候補だと思います。一方レディングはアーセナルに比べ全員がとても気持ちが入ったプレーをしており、ジャイアントキリングもあるかと思わせるほどでした。本当にいい試合だったと思います。ただ一つ文句があるとすれば、審判はもうちょっと笛を吹いてもいいと思いましたが、、、
サッカー小僧!さん>
危なかったですね。メルテザッカー負傷でガブリエウが入ったのが、最終的にはよかったかもしれません。ウェルベックはいい選手ですが、CFの動きではなかったですね。チチャリートなど、いかがでしょう。エジルやカソルラがいれば相当輝きそうです。マン・ユナイテッドやレアル・マドリードではどうも出場機会がなさそうなので…。
熊サポさん>
レフェリーについては、粕谷さんも文句をいってましたね。チェルシー以外のクラブにケガ人が続出している状況でもあり、全体的にもっと厳しく取る必要があるのではないかと思います。