巻き返せるか?必要なパーツは揃うのか?リヴァプールのロジャース監督、続投報道!
大量補強策は、前季のトッテナムと同様に失敗するのではないかという意地の悪い質問を受けたとき、「ガレス・ベイルが移籍した後のトッテナムとは違う。われわれは戦略の下で動いている」とうそぶいた指揮官は、最終的にそのスパーズに逆転されてプレミアリーグ6位に終わってしまいました。スタートダッシュの失敗、新戦力の空回り、不安定な守備とツッコミどころは満載。3バックを機能させて12月中旬から3ヵ月無敗を続けたあたりでは、さすがプレミアリーグ準優勝監督と期待を持たせましたが、3月にマンチェスター・ユナイテッドに敗れた後の8試合で2勝2分け4敗と崩れたのは大きなマイナスでした。とりわけラスト2試合の、クリスタル・パレスに1-3、ストークに1-6という負け方の印象が悪く、現地でも解任を望む声が噴出。42歳の若き指揮官のレッズ4年めが決まったとしても、補強にもシビアな目が向けられ、かなり緊張感の高いスタートとなりそうです。
このたびの「デイリー・ミラー」は、トム・ワーナー会長をはじめとするリヴァプール首脳陣が、火曜日の会談を通じて「ロジャース監督に情状酌量の余地ありと判断した」と伝えています。2013-14シーズンに31ゴールを決めてプレミアリーグ得点王となったスアレスがスペインへ去り、21ゴールのスタリッジは度重なる負傷が響いてわずか4ゴール。失った48ゴールという大きな穴を埋めるには、バロテッリ、リッキー・リー・ランバート、ボリーニという顔ぶれが弱かったのは事実でしょう。しかし、ストライカーが機能しなかったのは、半分以上はロジャース監督の責任だと思います。コウチーニョやヘンダーソンが冴えていたにも関わらず、FWの選手がシュートを3本打てずに試合を終えることが多かったのは、フィニッシュへの道筋が曖昧だったからではないでしょうか。来季のストライカー候補として、何でもできるベンテケや、個人で打開する力があるラカゼットなどの名前が挙がっていますが、いま一度、戦術を明確にするプロセスを経なければ、今季とさほど変わらない結果でシーズンを終えてしまう可能性もあると思われます。
ロジャースさんは、スウォンジー時代から好きな監督ではあるのですが、率直にいえば、昨季の最終盤の状況は「解任やむなし」だったと思います。戦績が悪かったのもさることながら、いちばん気になったのは、ロジャース監督が何をしたいのかが見えなくなっていたことです。「ジェラード最終公演ムード」は、チームから勝利への強い気持ちを奪っているように見え、キャプテンありきのフォーメーションは明らかに合理性を欠いていました。迷いの集大成が、最終戦のゼロトップでしょう。3バックの右CBはセンスのよさでこなしていたエムレ・ジャンは、右SBとなったとたんに「本職ではありませんから」といわんばかりの不慣れなプレイに終始。ジェラードにゴールを奪わせるために後ろに並べたようなヘンダーソン、ジョー・アレン、ルーカスという中盤3枚は、何を狙っているのかが見えませんでした。
結局落ち着かなかった守備の改善も求められており、課題は山積しています。昨季は3バックと4バックを併用していましたが、チームの骨格をどうするのかによって、噂のイングランド代表SB、ナサニエル・クラインが必要なのかどうかも変わってくるでしょう。ミルナーが来てくれそうなのは明るい話題ですが、チャンピオンズリーグ出場権を持たないクラブを、ワールドクラスや伸び盛りのストライカーが選んでくれるのでしょうか。続投が正式に決まれば、ロジャース監督の巻き返しに期待して観ていこうと思うものの、ストライカーと最終ラインの顔ぶれが見えるまでは、やはりテンションは上がりません。終盤戦で「次につながる何か」が見えていれば、リヴァプールを取り巻く景色は、もっと明るい色彩だったのではないかと思いますが…。
無冠という結果を突きつけるように名将アンチェロッティ監督を解任したレアル・マドリードのペレス会長と、ロジャース監督にラストチャンスを認めたワーナー会長。レッズを甘いという方もいれば、地元ファンも落胆しているペレス氏のやり口をありえないという方もいるでしょう。私は、基本的には、長期的戦略に立って監督を選び、単年の結果が今ひとつでも改善プランが明確にあるならば監督は軽々には代えないというクラブを支持しております。理由はシンプルで、「そのほうが、経営的にもサッカーチームとしても、多くの果実が獲れそうだから」です。
レアル・マドリードは、デル・ボスケ、カペッロの両者を大事にしていれば、もっと輝かしい2000年代が過ごせたのではないかと思います。ユップ・ハインケスを初年度無冠で切っていたら、バイエルンの欧州制覇はなかったでしょう。クロップ監督が開花したのは3年めでした。チェルシーが監督をめまぐるしく代えていた時期は、アンチェロッティ監督のプレミアリーグ制覇と、ディ・マッテオ監督の博打が冴えたチャンピオンズリーグ以外は冴えませんでした。
このあたりはいろいろなご意見があるかと思いますが、これを書いたのは自説を主張したかったからではなく、私の論拠と立ち位置を明確にしたかったからです。どちらかが絶対的に正しいということはないと思います。実際は状況によりけり、多分に好みの問題もあります。ここで言いたかったのは、「上記のように考え、アンチェロッティさんをクビにしたペレス会長には批判的な私でも、今回のロジャースさんに関しては、解任もありだと思っていた」ということです。
こういう状況になったら、迷わず監督を代えるべしと思うのは、次の2つです。「方針がブレてしまい、未来のベクトルが見えなくなったとき」「反旗を翻した選手をコントロールできなくなったとき」。マンチェスター・ユナイテッド時代のモイーズ監督は、両方当てはまってしまいました。ロジャース監督も、今のままでは危ないと思います。何とかうまく、立て直してくれればいいのですが…。レッズのサッカーは、いつも楽しみにしておりますので。
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更新お疲れ様です。
リバプールの37節はハルではなくパレスでは?うちがハルとでしたから。
更新ご苦労様です。
ロジャーズ続投派でしたが、残り2節の戦い方は非常に疑問を持ちました。
多くのサポーターが今回の続投には疑問を持っていると思います。チーム・監督の声、方針が聴きたいですね。
ミルナーと言う明るい話もありますが、それだけでは前に進めません。来季どうするのか?どうしていくのか?サポーターとしては聴きたいですね。今は危機的状況だと思います。
にわかスパーズファンさん>
おっしゃるとおりです。ありがとうございます。訂正させていただきました。
Mackiさん>
どういうサッカーするのか、早く見えてきてほしいですね。
クロップとアンチェ以外ならばロジャーズに続投させるべきでしょう。
終盤戦は後味が悪い結果になりましたが、スアレスが移籍しスターリッジが長期離脱でCLとの二足のわらじでは6位でも良くやってる方だと思いますが。
でもサポーターの目が厳しいのも事実。良い意味で期待を裏切ってほしいですね。
鉄腕亜土夢さん>
よくやってる派と、厳しい派と分かれてますね。バロテッリは美妙ですが、ランバートとボリーニはもっと活かせたのではないかと思います。