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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

30代最多ゴールに迫るヴァーディー、運命を決めた2つのターニングポイント。

20歳のときに所属していたのは、ストックスブリッジ・パーク・スティールズ。当時は、ノーザンプレミアリーグ・ディヴィジョン1(8部相当)で戦っていたクラブです。2010年の夏に移籍したハリファクス・タウンで23ゴールをゲットし、カンファレンスノース(6部相当)昇格に貢献すると、2011-12シーズンにはカンファレンス・プレミア(5部相当)のフリートウッド・タウンに移籍しました。

じわじわとキャリアアップしてきた24歳のストライカーにとって、ランカシャーで過ごしたシーズンは、運命を変えるターニングポイントでした。公式戦42試合34ゴールという素晴らしい数字を残したジェイミー・ヴァーディーは、2012年の夏にチャンピオンシップのレスター・シティからオファーを受けました。移籍金100万ポンドは、ノンリーグのクラブが手にした史上最高額だったそうです。

プレミアリーグに昇格したのは2014年、ヴァーディーは27歳。最初のシーズンは、34試合5ゴールという凡庸なスタッツで終わっています。2015年の夏には、岡崎慎司、エンゴロ・カンテ、ロベルト・フートといったレギュラー候補が合流しました。3人足しても1600万ポンドに満たない安いお買い物でしたが、1年後にその価値はプライスレスだったことがわかります。

クラウディオ・ラニエリが率いるチームは、2015-16シーズンに奇跡的なプレミアリーグ制覇を果たし、36試合24ゴールのヴァーディーはPFA年間ベストイレブンとFWA年間最優秀選手を受賞しました。2度めのターニングポイントは、2016年の夏。当時のメディアは、「48時間以内にアーセナル移籍が決まる」と報じていました。当時、アーセナルの窓口だったディック・ロウさんは、「レスターとも本人とも話はついていた。彼は夫人と一緒にクラブを訪れ、アーセン(・ヴェンゲル)と話している」と振り返っています。

当時の私は、もう1年でいいからラニエリとともに戦ってほしいと思っていました。ヴァーディーを擁するレスターが、チャンピオンズリーグでどこまでいけるのか観てみたい…ただそれだけの理由でした。ガナーズのオファーを断ったヴァーディーは、残留を選んだ理由について、「やり残した仕事がたくさんあった」と語っています。

2016-17シーズンのCLで、レスターはベスト8進出。ラウンド16でセヴィージャを下し、アトレティコ・マドリードに1-0、1-1の惜敗は大健闘でしょう。カウンターのキーマンだったスピードスターは、9試合に出場して2ゴールを決めています。

あのとき、アーセナルに移籍していたら。アレクシス・サンチェスやメスト・エジルとともに、プレミアリーグのトロフィーを獲得していたかもしれない。いや、彼はヴェンゲルのフットボールにフィットするようには見えない…。その答えは、誰にもわかりません。しかし、これだけはいえるのではないかと思います。

アーセナルを選んでいたら、30歳を過ぎてから4年以上も絶対的なエースとして君臨することはできなかった。すなわち、「30代でプレミアリーグ93ゴール」というイアン・ライトの偉大なレコードに迫ることはなかった、と。

遅咲きのストライカーは、あと4つ決めればガナーズのレジェンドの記録を塗り替えます。今季プレミアリーグは7戦6発。そのニュースは、年内に配信されるでしょう。レスターに移籍して10年め、プレミアリーグ通算124ゴール。ハッセルバインク、ロビー・キーン、ニコラ・アネルカのゴール数を一気に抜き去ろうとしているベテランの素晴らしいフットボール人生に、拍手を送りたいと思います。このうえは、運命を変えてくれたレスターで、最後まで!


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