偏愛的プレミアリーグ見聞録

右サイドはニコラ・ペペで、相対するのはオドソンヌ・エドゥアール。冨安健洋は、守備に忙殺されるかもしれません。プレミアリーグ8節、アーセナルVSクリスタル・パレス。ジャカを起用できないアルテタ監督は、ウーデゴーアを下げて対応するのでしょう。GKラムズデール、DF冨安健洋、ベン・ホワイト、ガブリエウ、ティアニー。セントラルMFはトーマス・パーティーとウーデゴーア、2列めにニコラ・ペペ、スミス・ロウ、サカ、最前線は今季プレミアリーグ6戦2発のオーバメヤンです。

キックオフから90秒は、アーセナルボール。ウーデゴーアのポジションは流動的で、序盤の布陣は4-1-4-1に見えます。先制は8分、CKを拾ったニコラ・ペペと冨安健洋のきれいなワンツーがきっかけでした。右から上げたニコラ・ペペの鋭いクロスをGKグアイタが外に弾くと、ファーから詰めたオーバメヤンの左足ボレーがネットを揺らしました。

12分にオドソンヌ・エドゥアールが仕掛けたカウンターは、ラストパスをもらったベンテケの強引なドリブルを3人で囲んでカット。22分、敵陣で奪ったサカのパスを受けたスミス・ロウは、右足のミドルがGKの正面です。27分にマッカーサーの縦パスがベンテケに入ると、振り向きざまに左足で狙った一撃はラムズデールが落ち着いてキャッチ。35分にタイリック・ミッチェルが左のボックス脇を突破したシーンは、折り返しを受けたオドソンヌ・エドゥアールのコースをCB2人が狭めていました。

前半の終盤は、クリスタル・パレスのペース。43分にサカの右足を後ろから蹴ったマッカーサーは、イエローが妥当だったのでしょうか。前半の追加タイムにCKのクリアを叩いたギャラガーのボレーは、左に飛んだラムズデールがビッグセーブ。1-0でハーフタイムを迎えたアルテタ監督は、縦パスが通らない攻撃を立て直さなければなりません。

サカは足を痛めたのか、後半開始からサンビ・ロコンガがピッチへ。47分のトーマスのロングシュートは、惜しくも右ポストの外に抜けていきました。50分、自陣でトーマスがジョルダン・アイェウに奪われ、こぼれ球を拾ってカットインしたベンテケが右隅にゲット。左からカバーに入ったティアニーの足は間に合いませんでした。

57分、オドソンヌ・エドゥアールが左からスプリント。中央で待っていたジョルダン・アイェウのミドルは、ラムズデールが上に弾き出しました。狙いが見えないガナーズのアタック。64分に2人かわして放ったトーマスのミドルは、右に外れました。67分、ミスが多かったウーデゴーアに代わってラカゼット。2トップになってもサイドアタックは人数が足りず、完全に崩すのは難しそうです。

71分、エドゥアールが冨安から奪ったチャンスは、ギャラガーのコントロールショットがクロスバー越え。直後にオーバメヤンの縦パスで左から抜けたラカゼットのシュートは、グアイタが左に弾き出しました。逆転ゴールは73分、サンビ・ロコンガのロストから始まったカウンター。ギャラガー、オリーズ、エドゥアールと右につながり、ベン・ホワイトが詰めてこないとみたストライカーがGKの肩越しに蹴り込みました。

アルテタ監督の最後のカードは、81分にトーマスをマルティネッリ。87分にニコラ・ペペのクロスがファーに流れ、フリーのティアニーが左足を振り抜くと、ボールはクロスバーに跳ね返されました。90分にボックス右を突破したラカゼットは、2人交わして左足を振り抜くも、コントロールが効かず。最後のCKをニコラ・ぺぺが蹴ったとき、4分の追加タイムは終わっていました。

クリアされたボールをニコラ・ペペがトラップ。ファーに入れたクロスから競り合いとなり、ボールがゴール前にこぼれると、ベン・ホワイトの決定的な一撃はグアイタが足に当てました。イーブンのボールが浮いたのは、ラカゼットの前。右足で叩き込んだストライカーは、今季プレミアリーグ初ゴールです。

頭を抱え、膝から崩れ落ちたパトリック・ヴィエラ。トムキンスを入れて逃げ切ろうとした指揮官にとって、2-2のドローは受け入れがたい結末でしょう。両チームの選手を採点して上から並べるなら、オドソンヌ・エドワール、コナー・ギャラガー、ジョルダン・アイェウ、タイリック・ミッチェル。左サイドで何度もボールを奪取し、冨安とトーマスを混乱させたチームがポイントをロストした一戦でした。

最悪の結果は免れたガナーズですが、サイドの薄さと中盤の連動性を早期に改善する必要があります。最終ラインとセントラルMFが出しどころに困り、苦しいパスやキープから奪われるシーンを減らさなければ、ヴィラやリーズにもやられるでしょう。4位ブライトンとの勝ち点差は4。今、立て直しに成功すれば、TOP4なら充分に狙えます。