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セルヒオ・ラモスに90億円…。マンチェスター・ユナイテッドのトホホな移籍話にささやかな抵抗を。

いやいや、さすがに目を疑いました。「デ・ヘア+42億円=セルヒオ・ラモス」報道の話です。この見え方では、マンチェスター・ユナイテッドがセルヒオ・ラモスがどうしてもほしくてデ・ヘアをつけたみたいじゃないですか。いやいやいやー、やめましょう。少なくとも、2つの話を切り離しましょう。レアル・マドリードがカシージャスを戦力外にしてまでほしいとこだわった、デ・ヘアの価格は2500万ポンド(約49億円)といわれていました。昨季プレミアリーグでの鬼のようなビッグセーブ連発を思い出せば、もっとほしいところですが、残り1年になるまで契約延長ができなかったこちら側の問題もあり、金額はやむなしとしましょう。これはこれで可否を決着させて、そのうえで、「セルヒオ・ラモスに、高騰が話題となっているスターリングと同等となる90億円からの移籍金を払いますか?」というお話でしょう。

右SBとCBの両方ができるベテランDFが、今のチーム事情にうまくはまるのは確かです。1億3000万ポンド(約253億円)の違約金が設定されているスペイン代表のバリバリのレギュラーをお得に獲れるチャンス、といういい方もできるのかもしれません。しかし、冷静になりましょう。来季こそはプレミアリーグ優勝をと思えば、セントラルMFの強化とデ・ヘアの後釜、さらにはストライカー獲得も重要なわけです。最終ライン全体を落ち着かせてくれるCBがほしいのも確かですが、100億円に近い額をそこに費やすのはいかがなものでしょうか。マンチェスター・ユナイテッドが当初狙っていたといわれるバイエルンのジェローム・ボアテングは4930万ユーロ(約68億円)、フンメルスは4500万ユーロ(約58億6千万円)です。昨季、ルーク・ショー獲得の際に「10代選手の移籍金最高額」と後ろ指をさされ、ディ・マリアでは「プレミアリーグ史上最高額」と評判になったせいで、われわれが買い物にいくと、みなさん一斉に値札を書き換えるのではないかという被害妄想に苛まれる昨今。このうえ、「DF史上最高額」でトレブル達成だなんて、カッコ悪いじゃないですか。「最高」はピッチの上だけで結構です。何とかしてください、ボス!

…失礼、この件はファン・ハール監督ではなく、稀代のお買い物下手ぶりと戦略のなさをスコールズさんに辛辣に非難されたエド・ウッドワード氏に突っ込んだほうがいいでしょう。セルヒオ・ラモスに90億円も払う余裕をかましている場合ではなく、最終ラインを強化するなら他にやりようはいくらでもあるのではないでしょうか。1月のヴェンゲル監督は、ガブリエウ・パウリスタに30億円もかけておりません。2500万ポンド(約48億円)でいけそうといわれていたバレンシアのオタメンディはどうなったのでしょうか。レアル・マドリードと交渉するにしても、チェルシーが4000万ポンド(約78億円)で狙っているという報道があったヴァランの未来を買いたいという1点突破でだだをこねませんか?もちろん、多少はお安くしていただいて。

取り乱してしまいましたが、スペイン紙「アス」の記事が、読者をおもしろがらせるだけの明るいゴシップであることを祈るばかりです。セルヒオ・ラモスはいいDFですが、モウリーニョさんがマドリードに君臨していた頃にシビアなケンカをしており、私のなかではトラブルメーカーの印象がついてしまった選手。今回もギャラの件でレアル・マドリードと揉めたというゴシップあっての移籍話で、値段もさることながら、マンチェスター・ユナイテッドに対するリスペクトやロイヤリティが感じられないのも大いに気になっています。選手の意向とクラブの待遇が刷り合わないケースが多々あるのは重々承知ながら、チェルシーとチェフのように円満退社のうえでお越しいただくか、そうじゃなければお金のほうをガマンしていただくか、いずれかでお願いしたく存じます。「本妻に払う慰謝料を肩代わりする愛人」のような役回りは勘弁願いたいものです。

ギルCEOとサー・アレックス・ファーガソン監督の頃は、毎年この時期はのんびりしたもので、「夏にいじられるクラブ」ではなかったんですけどね…。ホント、頼んます!!(セルヒオ・ラモス 写真著作者/Дмитрий Неймырок)

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“セルヒオ・ラモスに90億円…。マンチェスター・ユナイテッドのトホホな移籍話にささやかな抵抗を。” への4件のフィードバック

  1. a より:

    ラモスの件は、完全な記者の妄想作文かアウベスのように給料引き上げを要求をするために移籍をほのめかすかのいずれかだと思っています。
    ホント、この手の記事が増えるとそれを鵜呑みにしてユナイテッドアホとディスるアホが増えるので(主にヤフコメなどで)困ったものです。。。とほほ……。

    それにしても、デヘア2500万は安すぎますよね。せめてその倍はもらわないと、ロリスが同額と言われてますから、スパーズファンの方々には申し訳ありませんが、プラマイゼロでGKのレベルが下がるだけになってしまいます。どうしてもレアルに行きたいのなら、せめてバイアウト4000万くらいで数年延長してくれませんかね。

  2. パックン より:

    ラモスは世界でトップ3に入るCBだと思いますし本当にチャンスがあるならぶっ込むのもアリかと思いますけどね。
    まあ予算的な問題はわかりませんし、そもそも獲得のチャンスがあるとも思えませんが。

    デヘアの移籍金については契約が残り一年なので仕方ないですね。
    余裕を持って契約延長をしておかなかったフロントの責任です。

  3. トト より:

    チャンスがあるならラモスの獲得を!
    といいたいとこですが、やはり高額移籍金がネックですね。

  4. makoto より:

    aさん>
    私も「バイアウト4000万」には賛成ですが、デヘアの意向は彼女がらみのようなので、今スペインに戻ることが大事なのでしょう。ロリスは、デ・ヘアより10億ぐらいは安くなりそうです。

    パックンさん>
    金額があと20億ぐらい安ければありだと思いますが、ダヴィド・ルイスの移籍金を高すぎると思って見ていた身には、セルヒオ・ラモスとはいえ90億という絶対額にフリーズしてしまいます。

    トトさん>
    痴話喧嘩につき合わされたあげく、目の前でヨリを戻されて終わり、かもしれませんね。トホホです。

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