偏愛的プレミアリーグ見聞録

プレミアリーグは6勝4分、チャンピオンズリーグは3連勝。2021-22シーズンを無敗で走っているリヴァプールが、アンフィールドにアトレティコ・マドリードを迎えています。19日のエスタディオ・メトロポリターノでは、サラーの2発とナビ・ケイタのゴールで2-3勝利。今日の試合で3ポイントを加えれば、レッズは早々にグループステージの首位通過が決まります。

中盤のやりくりに苦しむユルゲン・クロップ監督は、ファビーニョをアンカーに据え、チェンバレンを先発で起用しています。GKアリソン、DFアーノルド、マティプ、ファン・ダイク、ツィミカス、MFヘンダーソン、ファビーニョ、チェンバレン、FWサラー、ジョッタ、マネ。前節のレッドカードでグリーズマンを失ったシメオネ監督は、古巣対決のスアレスとジョアン・フェリックス、コレアを前線に配しています。

両者ともに、守備の安定を重視した静かな立ち上がり。10分を過ぎても、サラーが中央に斬り込むシーンはありません。12分のショートコーナーから、ボックス右でコレアがフリーになりますが、クロスは明らかにミスキック。1分後、右サイドでサラーと絡んだヘンダーソンが後方のアーノルドに落とすと、完璧なクロスが中央のジョッタに通り、冷静に合わせたヘディングシュートがネットを揺らしました。

1-0となってからは、サイドチェンジを駆使するリヴァプールペース。自陣でのパスミスが目立つアウェイチームは、ゴール前を固めて反撃に出ようとしますが、21分という早い時間に追加点を奪われてしまいました。左サイドでマネがキープし、ヘンダーソン、アーノルドと右につなぐと、SBのミドルがマネの足元に入り、コースを変えたシュートがオブラクの逆を突きました。

23分にこぼれ球を叩いたチェンバレンのミドルは、左にアウト。敵地のゲームでも、プレミアリーグのブライトン戦でも2-0から追いつかれているレッズは、前半のうちにもうひとつ決めたい展開です。中央に楔のボールが入るようになり、徐々に攻勢を強めるアトレティコ・マドリード。30分にアーノルドのロングフィードを追ったサラーは、ボックス右でコントロールできず、ラストパスを通せずに終わりました。

36分、マネの足を後ろから踏んだフェリペに1発レッド！42分にカットインから放ったサラーの強烈なシュートをセーブしたオブラクは、直後にツィミカスのクロスに合わせたジョッタのヘッドもストップしました。44分に左から斬り込んだチェンバレンのミドルは、またも左にアウト。前半は2-0、オンターゲットは4-0です。

クロップ監督は、イエローをもらっていたマネをハーフタイムで下げ、フィルミーノを投入。48分にヘンダーソンのスルーパスから決めたジョッタは、VARにオフサイドを取られました。52分、右サイドから縦パスで抜け出したサラーが中に斬り込み、オブラクと1対1。フィニッシュはGKの胸に当たり、詰めたジョッタの前でヒメネスがクリアしました。

CKをトラップしたマティプの左足シュートは、アウトにかかってポストの外。54分にツィミカスが縦に突破し、ジョッタにクロスを合わせると、フリーだった20番は珍しくヘッドを右に外してしまいました。57分、ゴールをVARに取り消されたスアレスとジョアン・フェリックスに代わり、エレーラとロディ。クロップ監督はここでファビーニョを下げ、チアゴ・アルカンタラを復帰させました。

ファン・ダイクがミドルを打つようなハーフコートマッチが続き、残り時間は20分を切りました。74分に3対3のカウンターに持ち込んだアウェイチームは、右から上がったエレーラが打つ瞬間に力んでしまい、ボールは左に切れていきました。75分、足を痛めたフィルミーノがリタイア。クロップ監督はチェンバレンにも大事を取らせて、78分に南野とオリギを送り出ています。

87分に南野とオリギが仕掛け、波状攻撃となると、ヘンダーソンの強烈なミドルはオブラクがキャッチ。終盤の見どころは、サラーのドリブルショーでした。奪われた後の囲い込みが速いレッズに対して、5-3-1でゴールを決めるのは困難です。公式戦無敗のホームチームはオンターゲットを許さず、2-0完勝。2年前のラウンド16で喰らったダブルのリベンジを果たしました。

MVPは、2アシストのアーノルドでしょう。レッズサポーターのみなさん、グループBの首位通過、おめでとうございます。2試合連続で10人の時間を過ごしたアトレティコ・マドリードはノーチャンスでした。フィルミーノの足の状態が気になりますが、ジョッタ、南野、オリギはいずれもコンディションがよさそうです。CLの残り2試合をサブのメンバーで戦えるアドバンテージは、相当大きいのではないでしょうか。

週末のプレミアリーグはハマーズ。やっかいな相手ではありますが、ヨーロッパリーグでベルギーに遠征するチームに負けるわけにはいきません。2試合連続でノーゴールに終わったものの、動きは悪くないサラーのラッシュを期待しましょう。