プレミアリーグ上位クラブの強奪に文句つけつつ、ちゃっかり後釜補強のクーマン監督!
昨季、アトレティコ・マドリードからアルデルヴァイレルトをレンタルしたサウサンプトンは、シーズン後に570万ポンド(約11億1000万円 ※680万ポンドという報道もあり)で彼を買い取れるというオプションを持っていました。負傷はありながら、プレミアリーグ25試合出場とクラブに貢献してくれたベルギー代表に対して、クーマン監督は残留を望み、さっそくとっておきのオプションを行使します。ところが、この契約にはもうひとつの条項があったのです。
アトレティコ・マドリードは、3億円を払えばセインツの買い取りを拒否できる、いわば「忍法オプション返し」というカードを持っていました。トッテナムからの1150万ポンド(約22億円)という高いオファーを確認したアトレティコ・マドリードは、この奥の手を使うと宣言しました。これが成立すれば、トッテナムがDFを手に入れ、スペインには差分の19億円、セインツには3億円が入るという着地です。ここで、クーマン監督登場。どうしてもアルデルヴァイレルトを残留させたい指揮官が入れたクレームは、「奥の手行使のタイミングが契約期間外ではないか」。一部では、法的措置も辞さずと報道されています。しかし…。
クーマン監督、ちゃっかりCBを獲得しているではありませんか。昨日、セインツ入団が発表されたのは、トゥエンテ所属のクコ・マルティナ。「オランダ領キュラソー」の代表選手という耳新しいプロフィールの25歳です。2010年にカリブ海のアンティル諸島が解体となり、キュラソーは単独の代表としてスタート。国別ランキング160位の小国の監督には、母親がこの島の出身であるパトリック・クライファート氏が就任しています。エールディヴィジでプレイするクコ・マルティナは、当然キュラソー代表の主力メンバー。昨季はリーグ戦で32試合出場とこちらでもチームの中心となっており、プレミアリーグは初めてながら、即戦力として期待される選手です。「プレミアリーグでプレイするのが夢だった。多くの試合に出て、僕が誰なのかをファンに知ってもらえたらいいね」と語るニューフェイスがCBと右SBをカバーとなると、吉田麻也はガチンコのライバルです。
マンチェスター・ユナイテッドのシュナイデルランに対するオファーに「真剣さに欠ける」と難クセをつけていたクーマン監督は、「移籍するのか残るのか、早期にはっきりさせたい」といいながらも、こちらも穴を埋める選手のリストアップは万全。イギリス紙「ガーディアン」に語った名前は、フェイエノールトの6番、ヨルディ・クラーシです。昨季のエールディヴィジで33試合2ゴールのセントラルMFは、クーマン監督の教え子だけに、「彼はステップアップの準備はできていると思う」と余裕たっぷり。ナサニエル・クラインの代役はソアレス、アルデルヴァイレルトはクコ・マルティナ、シュナイデルランはクラーシという顔ぶれで、来季のセインツは戦うことになりそうです。オランダのクラブまでは観ておらず、彼らの実力のほどはわかりませんが、昨季のプレミアリーグでグラツィアーノ・ペッレをブレイクさせたクーマン監督には、手ごたえがあるのかもしれません。
セインツが来季出場するヨーロッパリーグの予選3回戦は7月30日スタート。7月上旬までに固めたメンバーでこれを勝ち抜き、8月下旬に本大会出場が決まれば移籍市場の最終盤でもう2~3人補強し、プレミアリーグと欧州の両立という流れになるでしょう。昨季ヨーロッパで戦ったロベルト・マルティネス監督のエヴァートンは、プレミアリーグでしくじりましたが、クーマン監督はやりくりしきれるでしょうか。何とも予測不能ですが、来季もセインツはプレミアリーグを盛り上げてくれるはずと期待しています。
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更新ご苦労様です。
今後の予定がうまく運べばセインツはやりくり上手の上したたかですね。
このチームは是非ともEL本戦に出て欲しいチームですね。クーマンの戦術をヨーロッパの舞台でみたいです。
Mackiさん>
同感です。昨季のエヴァートンよりうまくやってくれるのではないかと期待しています。
獲得するかどうかはともかくとして、クラーシはいい選手だと思うんですが
中盤の底でシュナイデルランの代わりというのは厳しいんじゃないでしょうかね?
クラーシの身長は170cm無かったはずです
プレミアのゴツゴツしたプレイング、しかもアンカーということは空中戦も避けられませんし
そこに体格不利の選手を置くのは難しく感じます