シンガポールでプレミアリーグ観戦記 (1)エヴァートンVSストーク、アーセナルVSシンガポール
プレミアリーグのシーズンオフには、多くのクラブが世界のさまざまな地域に出かけて、プロモーション活動を兼ねたイベントゲームを行っています。最近の行き先では、国を挙げてサッカー振興に取り組んでいる(らしい)アメリカ合衆国がメジャーになりつつありますが、アジアにも毎年どこかしらのクラブが訪れ、「アジアツアー」などの名称で試合を開催しています。日本にいると、イギリスまでプレミアリーグの試合を観に行くのは時間的にも経済的にもなかなかハードですが、アジアなら現地観戦もかなり身近に。もちろん日本に来てくれれば理想的なのですが、新規市場開拓の意味も大きいオフシーズンのツアーでは、すでに一定の市場が成立している日本は後回しになりがちなのが現実。逆にアジア方面への旅行を兼ねて行ってみるというのも楽しいものです。
各チームが個別にアジアで開催する試合もありますが、今回ご紹介する「バークレイズアジアトロフィー」は、プレミアリーグの3チームと地元の1チームが参加するトーナメント形式。以前は「FAプレミアリーグアジアカップ」と呼ばれていた大会で、2003年から2年おきにアジア各地で開催されています。参加クラブはまちまちですが、複数のチームの試合を観たい場合には魅力的。2015年は7月15日(水)、18日(土)にシンガポールのSingapore Sports Hub(旧National Stadium)で開催されています。今回、この大会にアーセナルが参戦するということで観戦に行ってまいりました。
15日と18日に2試合ずつ行われる今大会。15日の試合は、エヴァートン対ストーク(18時キックオフ)と、アーセナル対シンガポールセレクトイレブン(20時30分キックオフ)という組み合わせ。18日には勝者同士、敗者同士が対戦をして順位を決めるという形式になっています。というわけで、15日はエヴァートン対ストークから観戦です。
エヴァートンのスタメンは、ハワード、ヒバート、ギャロウェイ、ジャギエルカ、ブラウニング、バリー、マッカーシー、ピーナール、バークリー、ミララス、ルカクと、19歳のギャロウェイ君と21歳のブラウニング君以外は割と本気なスタメンといった印象。イベント試合ではどうしても主力選手が温存されがちですが、これはエヴァートンに詳しくない者にとっても見応えのあるスタメンといえるでしょう。
対するストークは、ハウゴーア、バーズリー、キャメロン、ムニエサ、ティシェイラ、シドウェル、シェントン、オデムウィンギ、アイルランド、アルナウトビッチ、ホセル。今季獲得した新戦力のGKハウゴーアとFWのホセルを使ってきたほか、筆者が名前を知らない若手もちらほら。シェントン君は17歳で、昨年、お母さんを亡くした直後のマンチェスターシティ戦で起用され、ランパードにユニフォームをもらったとしてちょっと話題になっていた選手のようです。こうした起用は、チームに詳しくないと楽しみにくいところもあるのですが、ファンにとっては逆に、シーズン中に見る機会の少ない選手の品定めをする楽しみがあるともいえます。
かといって、退屈な試合かというとそういうわけでもなく、後半開始と同時に投入されたエヴァートンのネイスミスがいきなりシュート、キーパーがかろうじて指先ではじくエキサイティングなシーンも。このあともエヴァートンはオズマン、クレヴァリー、デウロフェウといった主力&新規獲得選手を次々と投入して、サポーターは大喜びです。
とくにデウロフェウがピッチインした際の歓声はひときわ。プレミアリーグ2013-14シーズンにローンで在籍した際の彼の輝きを、ファンはよく覚えているのでしょう。ストークの方も、後半から入ったアダムがゲームを組み立てる形で、意外と(失礼)パスをつないでゴールに迫るシーンもありました。61分には新加入のファン・ヒンケルとクラウチも投入し、最終的には双方かなり見応えのあるメンバーに。しかし結局はスコアレスドローからのPK戦で、ファン・ヒンケルのキックをハワードが止めてエヴァートンが勝ち抜けとなりました。
なおこのデウロフェウ、第1試合が終わって第2試合の選手がウォームアップのためにピッチに入る際、アーセナルのベジェリン、トラルとかなり長いこと話し込んでいました。スペイン×若手(そして×バルサ?)のコネクションですね。
Iwobi君の読み方は、イオビ?アイオビ?詳しい人の話によると、とにかく得点力のあるウインガーといったタイプで、下のカテゴリーでは大活躍していたとか。慌てて調べてみたら、あのJ.J.オコチャの甥だそう!なかなかのイケメンでもあり、これは観るのが楽しみな選手が出てきました。(プレミアリーグメインということで、シンガポールイレブンのスタメンは省略させていただきます)
トップチームにいながら実は21歳(チェンバレン)と23歳(ウィルシャー)という若いお兄さんたちに支えられバリバリ点を取って見せたのは19歳のアクポム君。2年前の日本ツアーでも出場していただけに、まだ19か!と驚くのですが、最終的にPK含めてハットトリックの活躍に、スタンドからは“He scores when he wants♪ Chuba Acpom, He scores when he wants♪”という、以前はファン・ペルシーなどに歌われていたチャントを歌う人まで現れました。
そんなこんなで後半は、前の方で「うえーい!」ムードの少年たちを、後ろで兄さんたちが大人っぽくまとめる展開。ときどきシンガポールイレブンのサイドチェンジを伴う長いボールにやられ気味なのは若干気になりましたが、まあその辺は「アーセナルあるある」だし。実力的に余裕を持って臨める相手だったとはいえ、今後に期待の持てる試合だったのではないかと思います。
ちなみに試合が終わりに近づいたころ、大型ビジョンにベンチのチェフがアップで映されて、スタンドからも催促するような歓声が上がりましたが、この試合では彼の出番はなし。18日にはきっと登場してくれることを、筆者も楽しみにしています。
以上でございます。プレシーズンマッチが始まると、もうすぐプレミアリーグも開幕だなという気分になります。この現地レポートは、アーセナルVSエヴァートンの決勝戦、公開練習レポートなどなど、まだまだ続きます。次回配信は週明けの予定です。ご期待ください。
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ベジェリンとデウロフェウは、確かどちらもバルサのカンテラーノだったとだったと思います!
続報楽しみにしときます!
ちくちくさん>
ありがとうございます。現地レポ―トの次回は明日か火曜日朝UPです。
ちくちくさん>
ありがとうございます。現地レポ―トの次回は明日か火曜日朝UPです。
羨ましい
観に行きたいなー