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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【Arsenal×West Ham】無力だったチェフ…集中力を欠いたアーセナルが初戦完敗!

ベンゼマを獲得すれば、プレミアリーグ優勝に一気に近づけるし、欧州制覇も夢ではなくなる」。クラブのレジェンド、ティエリ・アンリの「ジルーでは足りない論」に対して、ヴェンゲル監督はこう切り返しました。「アンリのサッカーについての知識はリスペクトするが、彼の話はさほど数学的ではない。ジルーは昨年プレミアリーグでフルにプレイできていれば20ゴールにそう遠くなかった。ウォルコットもいけるはずだ。チェンバレンが10ゴール決める野心を持ってもいいだろう。もちろんアレクシス・サンチェスも決められる。そして、エジルは今季、少なくとも10点を目標にしている。ストライカーの後ろでプレイする選手だからね」。

本日のアーセナルには、ヴェンゲルさんが語る「どこからでも点が獲れるサッカー」を見せてもらいたいと思っていました。ヨーロッパリーグ予選で苦戦続きだったウェストハムは、オグボンナやパイェなどのいい補強をしているものの、新チームが出来上がるのは少し先でしょう。ハマーズファンには申し訳ありませんが、私は、この試合の興味を「アーセナルがいかに勝つか」だと捉えていたのです。

GKはもちろんチェフ。最終ラインにはドビュッシー、メルテザッカー、コシールニー、モンレアル。カソルラとコクランのセンターは鉄板。エジル、ラムジー、チェンバレンの2列めは、アレクシス・サンチェスの不在以外に気になることはありません。トップのオリヴィエ・ジルーには、アンリの懸念を払拭する活躍を見せてもらいたいものです。ビリッチ新監督のウェストハムは、オグボンナとパイェをスタメンで使ってきました。エネル・バレンシアを欠いた最前線にはサコとサラテ。ここ8年、プレミアリーグでアーセナルに勝利がないハマーズは、形はどうあれアウェイでの先制点がほしいところです。

プレミアリーグ初戦はやはり特別なのでしょうか。アーセナルのパスワークがぎこちない一方、ウェストハムもチェンバレンやカソルラを止めるのに苦慮して、6分までにイエロー2枚です。10分、左から攻め上がったジルーが中に入れると、中央からのボレーはチェンバレン。これはバーを越えますが、アーセナルはいつもの自分たちを取り戻しつつあります。しかしこの後、アーセナルの攻勢は実を結びませんでした。エジルは安全運転に終始、時折見せるチェンバレンの仕掛けは後に続かず、ラムジーやカソルラのミドルは枠にいきません。

39分のラムジーのミドルはポストの左。42分にラムジーのクロスからカソルラ、ジルーとつながったシーンもオフサイド。その直後、パイェのミドルしかピンチがなかった守備陣が、ウェストハムに先制を許してしまいます。43分のパイェのFKに、コシールニーはクヤテをフリーにしてしまいました。チェフの飛び出しは明らかに遅く、ヘディングが突き刺さって0-1。エミレーツでの前半をビハインドで終えてしまったガナーズの後半のポイントは、ラムジーの諦め方でしょう。いいミドルはあったものの、ガナーズが敵陣を崩してゴールを奪うためには、彼がサイドに張るのはプラスにはならないのではないでしょうか。ベンチには、ウォルコットが控えています。

50分、カソルラが自陣でボールを失い、アーセナルの最終ラインはサラテのチャレンジに慌てさせられます。52分にエジルのグラウンダーを狙ったジルーの左足はわずかにニアポストの外。55分のジルーのミドルはアドリアンがキャッチします。57分、アーセナルが集中力を欠いているのが明らかになります。クレスウェルの突破を止めた直後にサラテにインターセプトを許し、ニアへのシュートにコシールニーもチェフもノーケアでした。0-2、これは激痛です。昨季プレミアリーグ12位が優勝候補相手にアウェイで勝てば、ジャイアントキリングといっても大げさではないでしょう。

ヴェンゲル監督は、初戦からギャンブルを強いられました。58分にコクランをウォルコット、67分には何とドビュッシーをアレクシス・サンチェス!しかし、この日のガナーズは、指揮官も選手も平常心ではなかったように思います。休み明け間もなく、瞬発力がないアレクシス・サンチェスの彼らしいプレイはロスタイムにアドリアンが足で弾いたシュート1本だけ。昨季プレミアリーグにおけるチームのリーディングスコアラーはプレイに正確性を欠き、ボールを失うシーンばかりが目立ちました。結局、0-2でタイムアップ。ウェストハムが、チェルシーに勝ったばかりの強豪相手に快挙を成し遂げました。何といってもこの試合のMVPはマルセイユからやってきた司令塔パイェでしょう。クヤテとサコも、今後に期待を持たせる出来だったと思います。

チェフにとっては苦い新天地デビュー戦となりました。1点めの飛び出しは無謀、2点めは正しいポジション取りではなかったといわれても、返す言葉はないでしょう。両方とも、直接的にはDFの対応のまずさではありますが、チェフほどの名手なら、どちらかは防げたのではないかと思ってしまいます。昨季チャンピオンズリーグのモナコ戦を思い出させる2失点の後、アーセナルは8人が自陣に引いたウェストハムを崩すことなく、95分を無為に過ごしてしまいました。後半、相手が自陣にこもった後、カソルラやラムジー、チェンバレンらが強引にでも遠めからシュートを放っていれば、勝ち点1で着地させられる可能性はあったように思います。

次戦は、ノリッジとのアウェイ戦を圧勝で終えた好調クリスタル・パレス戦です。チェフをはじめ、ヴァンゲル監督のチームの面々がうまく敗戦を忘れられなければ、ロンドンダービーを連敗する可能性もないとはいえません。ポジティブに考えるなら、こうでしょう。「2月まで首位にいた2013-14シーズンの初戦は、エミレーツでアストン・ヴィラに負けてましたよね」。(ディミトリ・パイェ 写真著作者/Liondartois)

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“【Arsenal×West Ham】無力だったチェフ…集中力を欠いたアーセナルが初戦完敗!” への9件のフィードバック

  1. しん より:

    いつもブログを楽しく拝見させいただいてます。
    一応、グーナーなのですが今日の試合にはガッカリです、、、
    今日は早めのクロスが多く、淡白な攻撃が目立ち、ジルーがサイドに流れても中に誰も入らなず、挙句パイェにちんちんにされて、いいとこなしでほんとにショックです。
    、今年のプレミアはパイェといい、ワイナルドゥム、オグボンナなど、素晴らしい選手が中堅チームにいてほんとに脅威ですね

    これからも更新楽しみにしてます!!

  2. サッカー小僧! より:

    更新お疲れ様です。

    いきなりやってくれたなぁ…という感じです、悪い意味で、アーセナルらしい開幕戦でしたね(苦笑)。
    直前にやっとこさモウリーニョチェルシーにも勝利し、今年こそは!と思うグーナーも多かったでしょうが、
    ふたを開けてみればこの体たらく、期待が大きかっただけに落胆も大きく、現実に引き戻された感じでしょう。

    ただ、冷静に考えてみれば、結局昨シーズンの問題点、ジルーが機能しない時、どう点を取るのか?という
    課題は全然解決していないんですよね、補強の上積みもないわけですから、今回はまさにその問題点を
    見せつけられた試合でした、現時点ではアンリの言う通り、ジルーとは違うタイプのFWが必要!というのを
    認めざるを得ないでしょう、幸いなのは、移籍市場がまだ開いていることです、自分はくどく書いているように
    やはり、CF一人は必要!と思っています、獲得しないと、おそらくシーズン中に、ああここで点取り屋がいれば…
    と悔やむ時が来るのでは…、と、まぁいきなり開幕戦でそれを見せられるとは思いませんでしたが(苦笑)。

    さて、監督は動くでしょうか?ここまでは、今シーズンは動かないかも…と思っていましたが、
    タイトルを取りたいんだ!というなりふり構わないヴェンゲル監督の姿が見られるのか!?、それとも
    やはり、今まで通り、自分のやり方を貫き通すのか、移籍市場が閉まるまでどうなるのか、注目したいと思います。

  3. 実はグーナー より:

    アカン時のアーセナルって感じの試合でしたね
    一方ウエストハムはELの件での批判を跳ね返そうという気迫に溢れていて
    守備が荒すぎではありましたが迫力がありました。

    この試合の結果を受けてベンゲルも戦力補強に本腰を入れるとともに
    戦術の見直しを進めてくれたらと思います。

    —–
    うーん、完敗
    やっぱりCFがもう1人必要だ
    中ガチガチでジルーが徹底マークされてたから本来なら身長高い2トップにして負担を分散させるべきだったけど居ないから仕方ない
    「アーセナル?セットプレーを1回でも取れれば点を取るチャンスがある」と思われてるのが痛いなぁ
    実際その通りだから相手はモチベーションが落ちないんだよね
    あとコクランは調子悪くても下げちゃダメだってベンゲル
    相手のカウンターを遅らせる役割がいなくなって精神・肉体的にスタミナ削られるから攻撃面でもマイナス
    まあ切り替えていきましょう

  4. makoto より:

    しんさん>
    ありがとうございます。中に入る選手が早く奥に入りすぎ、サイドからのボールが限定されてしまっていました。全体的に焦りがかんじられましたね。

    サッカー小僧!さん>あれだけ引かれると、トップの選手に勝負させてゴールをもぎ取るのも難しいので、外からのシュートがほしかったですね。引かれたのは「先にゴールを奪われたから」で、元の問題はそちらではありますが、先制される機会は今後もあるはずですので。

    ゆうまさん>
    自陣でのミスはいただけなかったですね。戦略・戦術もあるのかもしれませんが、マインドの問題が大きかったのかなと思いました。

    実はグーナーさん>
    ラムジーをウォルコット、がよかったのではないかと思いました。彼が前に出る頻度が上がり、攻撃が中央偏重になることがときどきありますが、昨日のゲームはそれがマイナスに作用したゲームでしたので。

  5. nao より:

    シティファンとしてはアーセナルチェルシーが勝点3を取れなかったので明日の初戦は絶対勝ってほしいです。
    アーセナルは鉄板だと思ったんですがねー次はクリパレですか。。クリパレ勝ちそう

  6. プレミアリーグ大好き! より:

    序盤調子悪くて移籍期限ギリギリに選手を買うイメージがあるのでベンゲルはわざとつまずいてオーナーに金を出させようとしているのでは?

  7. queen より:

     はじめまして、ぐーなーです。
    リバプールサポの友人に指摘されたんですが、ツェフもまずいが特に二失点目はディフェンスラインふあんていだなー、とのことです。かれのリバプールはクラインの加入がライン落ち着かせつつある兆候があるそうです。うらやましいなあ。サイドバックできて守れる人、、、ウンティティさんはきついですよね。あー、こんな試合がま繰り返させれるのだろうか(悲観)

  8. makoto より:

    naoさん>
    マン・シティ快勝でしたね。WBAは元気がありませんでした。

    プレミアリーグ大好き!さん>
    首脳陣は元より金は出すと公言しているので、しくじっただけでしょう。メンタルの問題ではないでしょうか。2点めのインターセプトのされ方はあまりに不用意でした。

    queenさん>
    チェフよりもまずは最終ラインと3列めですね。不安定というよりは、持ってはいけないところで持ってしまったというケアレスミスだったと思います。

  9. へんだーそん より:

    全体的にコンディションの差があったとは考えられないですかね?始動の時期が全然ちがいますからね。
    コシェルニーは何度もちぎられていたし、モンレアルは少しボンヤリしているような凡ミス多かったし、パイェは相当自由にやれてたし、オグボンナのコンディションの良さも感じました。
    シーズン通して戦えれば楽しみですね!

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