偏愛的プレミアリーグ見聞録

クラブワールドカップ制覇、カラバオカップ決勝で惜敗、アブラモヴィッチオーナーのクラブ売却宣言と、メディアを賑わせるニュースが続いたチェルシー。トゥヘル監督の喫緊の課題は、チームをプレミアリーグに集中させることでしょう。後半戦は2勝3分1敗、6試合で7ゴール。目下の課題は、得点力です。

28節は、ターフ・ムーアのバーンリー戦。年明け以降のプレミアリーグで4戦3発と好調のツィエクは、負傷が癒えたばかりでベンチスタートです。前線はカイ・ハヴェルツ、プリシッチ、メイソン・マウント。ひとたびリードして引くとしぶといバーンリーだけに、早い時間にゴールを決めて優位に立ちかったのですが、最初の45分はピンチだらけでした。

先に決定機を創ったのはチェルシー。15分に左からスプリントしたメイソン・マウントが、外から上がったサウール・ニゲスに預けると、絶妙なクロスがファーのリース・ジェームズへ。右足のダイレクトショットは、ニアポスト際をカバーしたピーテルスに跳ね返されてしまいました。

2分後、バーンリーにチャンス到来。コナー・ロバーツのスルーパスで、サウールの裏を取ったアーロン・レノンが中央に折り返すと、ヴァウト・ヴェフホルストのボレーがメンディの脇を襲います。クリアしたのはGKではなく、ジェイ・ロドリゲスを追って枠の前に立っていたチアゴ・シウヴァ。失点を回避したアウェイチームは、29分に自陣でパスをカットされ、背筋が凍るようなピンチを迎えます。

カンテがリュディガーに戻したボールを奪取したのはアーロン・レノン。斜め後ろにいたウェストウッドがゴール前にハイクロスを入れると、落下点に入ったメンディがパンチをミスしてマクニールの足元にこぼしてしまいました。枠に入れるだけでOKだった11番のフィニッシュはまさかのクロスバー越え。俯いて頭を抱えたマクニールは、43分にジェイ・ロドリゲスがゴール脇でチャロバーから奪ったチャンスも、判断が遅れてラストパスをブロックされてしまいました。

前半は0-0。決定機の数は、下位チームが上回っています。苦しかったチェルシーは、開始2分の先制ゴールで別なチームに生まれ変わりました。左サイドを突破しようとしたメイソン・マウントは無理をせず、ニゲス、カンテ、チャロバー、リース・ジェームズと右に展開。マクニールを2回の切り返しで振り回したWBが、豪快なショットをファーのサイドネットに叩き込みました。

復帰して間もないリース・ジェームズの今季プレミアリーグ2発めで、チェルシーの前線は緊張から解き放たれました。0-1となってから5分後の52分、ボックス左のプリシッチがファーにクロスを入れると、カイ・ハヴェルツのヘッドがニアに突き刺さって0-2。これでしびれたバーンリーは、3分後に3発めを喰らって勝負を決められてしまいました。

左サイドをドリブルで突破したプリシッチは、難しい体勢でクロスを入れず、ボックス手前のカンテに戻します。7番はすかさず右のリース・ジェームズへ。先制ゴールと同じ位置に持ち込んだWBは、角度が厳しいとみてグラウンダーを選択しました。中央に入ったカイ・ハヴェルツが、後方に出てきたボールに足を伸ばし、倒れ込みながら枠に収めました。

今季プレミアリーグで3失点以上が1回しかない堅守のチームは、69分にダメ押しの4点めをゲットします。カイ・ハヴェルツをポストに使ったカンテが左にまわし、メイソン・マウントからサウール・ニゲスへ。グラウンダーはタルコフスキの足元に出るも、触ったボールがオフサイドポジションにいたプリシッチの前に転がってしまいました。蹴ればOKのダイレクトショットがネットを揺らして0-4。前半と後半は、別なゲームでした。

プリシッチとリース・ジェームズが1ゴール1アシスト。ここぞというチャンスにベストポジションを取ったカイ・ハヴェルツは、クラブワールドカップ決勝とCLのリール戦でも決めており、2月以降は7戦4発です。ヤングスターたちが躍動したチェルシーは、圧勝をきっかけに序盤戦の強さを取り戻すことができるでしょうか。34節のハマーズ戦までは、ボトム10との5連戦。目標は、もちろん全勝です。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします！

---