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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

最終ラインは駒不足、残留争いは初めて…大ピンチのランパードに現地記者が厳しい評価!

ブレンダン・ロジャースの後を継いだユルゲン・クロップには、チームのムードを一変させる明るさがありました。オーレ・グンナー・スールシャールとミケル・アルテタは、クラブをよく知るOBというドラマに支えられていました。アントニオ・コンテとトーマス・トゥヘルは、冷遇されていた選手や不振の主力をモチベートし、明快なシステムに組み込む優れた戦術家でした。

シーズンの途中に招聘され、解任ブーストやトロフィー獲得を実現した監督には、明るさ、フェアネス、カリスマといった要素があるようです。さて、フランク・ランパードは?イングランド代表のレジェンドという眩い看板はあるものの、プレミアリーグでは指揮を執った経験は18ヵ月のみ。エヴァートンとのつながりはなく、ベニテスのコンセプトを踏襲するタイプでもありません。

背景も動機も、経験もない監督は、明るさも失おうとしています。プレミアリーグ4試合で1勝3敗、トッテナム戦は5-0の惨敗。オウンゴールを献上したマイケル・キーンはミスを連発し、ピックフォードは守備範囲に飛んできたシュートをセーブできず。前半で決着したゲームで、戦う姿勢を見せていたのは21歳のアンソニー・ゴードンだけでした。プレスルームではポジティブな言葉を選んでいた指揮官は、ドレッシングルームでは厳しい言葉を並べたと伝えられています。

「ウルヴス戦とニューカッスル戦が待ちきれない。私は準備ができている。選手たちも、彼ら自身のために準備しなければならない」

「私は、魔法の杖を持ってこのビルに足を踏み入れたわけではない。ここに来たときは、クラブの雰囲気が悪く、このままつぶれるかもしれないとすら思った。しかし、状況を変えられるかどうかは自分次第だ。これは試練だ。プレーヤーとして20年を過ごしてきたなかで、こういう時期は何百回も経験している」

現状の不振について、若い指揮官ばかりを責めるわけにはいかないでしょう。ファルハド・モシリオーナーが、ベニテス解任に踏み切ったのは、ディーニュがヴィラに移籍した3日後。指揮官交代の決断がもう少し早ければ、クロスの精度が高い左SBを失わずに済んだはずです。ランパード就任は1月31日。デッドラインデーにやってきた新しいマネージャーは、最終ラインを強化できずに後半戦の18試合を戦うことになりました。

ランパード監督と入れ替わるように、ジェリー・ミナとベン・ゴドフリーが相次いで負傷リタイア。コンディションが悪かったマイケル・キーンを起用したのも、スパーズに大敗した理由のひとつでしょう。デューニュの後釜として獲得したマイコレンコは、未だプレミアリーグにフィットしておらず、最終ラインは改善しようにも駒が足りない状態です。

「エヴァートンの勝ち点22は、トップリーグにおいて25試合を終えた時点で、クラブ史上最低の数字である。プレミアリーグのアウェイゲームでは、最近の11試合で2分9敗と勝利がない。また、直近の3試合のうち2試合でオンターゲットが1本もない。これは、今までの80試合で1度もなかったことだ。現状を好意的に捉える材料は何もない」

「BBC」のフィル・マクナルティ記者は、不振を物語る数字を並べたうえで、「バーンリー、ワトフォード、ブレントフォードは、今やれば彼らを倒せると信じているはず」「降格レースは、チームの評判や歴史をリスペクトしてくれない」と警鐘を鳴らしています。

過去19試合で2勝しかしていないクラブは、残留に漕ぎ着けることができるでしょうか。4月以降にマンチェスター・ユナイテッド、リヴァプール、チェルシー、アーセナルがごっそり残っていますが…。


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