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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

【MAN.UTD×Liverpool】総額7000万ポンド!ベンテケVSマルシアル、ス―パーゴールの競演!

ダヴィド・デ・ヘアがプレミアリーグのピッチに戻ってきました。金曜日の練習でハムストリングを痛めたルーニーの代役はフェライニ。間に合ったキャリックがシュヴァインシュタイガーとコンビを組み、デパイ、エレーラとマタが前線に飛び出すのがマンチェスター・ユナイテッドの布陣です。対するリヴァプールは、ベンテケとダニー・イングスの2トップの下にフィルミーノというフォーメーション。以前に「リヴァプールはトップ2人のほうが機能するのではないか」と書いただけに、彼らがどういう攻撃を仕掛けてくるのかに興味が湧きます。ミルナー、エムレ・ジャン、ルーカスの中盤は、ホームチームを自由にさせてくれないでしょう。オールド・トラフォードに鳴り響く、レッズサポーターの歌声。7分、マンチェスター・ユナイテッド最初の決定機はミニョレのスローミス。無人のゴールに蹴り込むだけだったフェライニは、焦ったのかシュートを打ち上げてしまいます。

ボールを支配しているのはファン・ハールサッカーですが、相手に持たせたほうがリヴァプールの攻撃は冴えるのではないかと思います。11分、ダルミアンの突破はグラウンダーがわずかに中に合わず。エレーラが最前線まで上がって仕掛ける厳しいプレスで、ホームチームは時折4トップのような並びになります。心配なのは、ベンテケとブリントのマッチアップ。マンチェスター・ユナイテッドは、最終ラインの前でボールを奪いたいところです。12分、ジョー・ゴメスのクロスにベンテケがジャンプ。最初の勝負は競り合ったルーク・ショーがクリアし、フォローしたナサニエル・クラインのミドルは右に外れます。

下がりっぱなしのリヴァプールは、ベンテケへの2本のクロスをブリントに先に触られると、それ以上の攻め手はありません。マンチェスター・ユナイテッドも最前線へのボールに正確性を欠き、デパイはナサニエル・クラインに完封されています。シュートのない神経戦は、当然の0-0。フェライニはプレイが雑でポスト役を果たせず、ダニー・イングスはこの出来では後半のピッチにいないかもしれません。

ハーフタイムを終えると、いなくなっていたのはメンフィス・デパイでした。ファン・ハール監督は、アシュリー・ヤングのクロスに活路を見出そうとしています。49分、マンチェスター・ユナイテッドの先制は、ヤングがナサニエル・クラインに倒されたFKからでした。サインプレーでマタがペナルティエリアの外に流すと、走り込んだダレイ・ブリントが中央からズドン。ゴール左上に飛んだボールにミニョレはまったく反応できませんでした。56分、レッズに久しぶりのチャンス。デ・ヘアのキックミスがナサニエル・クラインにつながり、縦パスにフィルミーノがフリー。中のベンテケにつながれば同点でしたが、スモーリングがぎりぎりで足に当てて難を逃れます。直後のダニー・イングスのボレーは、今度はデ・ヘアがファインセーブ。60分には、ゴール正面からのFKをアシュリー・ヤングが狙うもドライブがかかり切らず、ミニョレの頭上を越えていきます。

64分、リヴァプールはCKにシュクルテルが合わせると、ブリントがゴールライン上でクリア。こぼれ球にフィルミーノが足を伸ばしますが、ボールは右に外れてしまいます。最大のピンチを逃れたマンチェスター・ユナイテッドが貴重な追加点を奪ったのは、マルシアルとジョーダン・アイブという10代の選手がピッチに入った後でした。キャリックのパスで右から抜け出しかけたアンデル・エレーラがジョー・ゴメスに引っ掛けられてPK。エレーラは自らPKを蹴り込み、ホームチームが勝利を決定的にしました。

シュナイデルランが入れば盤石、このまま終了と思って観ていると、ラスト5分からドラマが2つもありました。最初のスーパーゴールは85分。ジョーダン・アイブのクロスをブリントがクリアし、宙に舞ったボールを打点の高いバイシクルで決めたのはベンテケ。その2分後、逃げ切りが怪しくなったマンチェスター・ユナイテッドを救ったのは、この日がプレミアリーグデビュー戦だった19歳の素晴らしいシュートでした。チームに入って早々、リヴァプール戦というビッグゲームに出てシュクルテルをドリブルでちぎるなどという芸当は、並のストライカーにはできないでしょう。アントニー・マルシアル、ブラボー!ミニョレを見て右隅に流し込んだインサイドは冷静でした。プレミアリーグ初ゴールを先に決められたデパイは、どんな気持ちで歓喜の輪を眺めていたでしょうか。

3-1、退屈な前半、エキサイティングな後半。コウチーニョ、ララナ、ヘンダーソンがいないリヴァプールの攻撃は単調でしたが、後半から動きがよくなったダニー・イングスには見せ場があり、彼に代わって入ったオリギともども次につながるのではないでしょうか。デ・ヘアが戻り、CBとセントラルMFが機能したマンチェスター・ユナイテッドにとっては、収穫の多い勝ち点3だったと思います。

いやー、興奮しました。今日は、ベンテケの超人的なゴールと、スーパースターの誕生を予感させるマルシアルのドリブルが観られただけで充分です。「アンリの再来」というネーミングは的を射ているかもしれません。移籍金総額7000万ポンドの競演にテンションが上がり切ってしまった今夜は、空が明るくなるまで眠れない時間を過ごすことになりそうです。

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“【MAN.UTD×Liverpool】総額7000万ポンド!ベンテケVSマルシアル、ス―パーゴールの競演!” への8件のフィードバック

  1. 汗かきスター より:

    更新お疲れ様です。
    いやー、興奮しました!
    色々と気になる点や、前線の迫力不足はあっても、今日は、何も言いますまい!
    スモーリング、ショーの今年の成長ぶり別人ですね!慌てる事も減り、ここは遅らせればいいなど判断が抜群に良くなりました。又、シュバインシュタイガーの走り。これは、チームに勇気を与えますね!ブリントといい、ダルミアンといい、今年の守備陣は、安定感がありますね!
    これで、デ・ヘアがトップフォームに戻れば、そう簡単に点を獲られる事は少なくなるんではないでしょうか?
    又、一番触れたいのはマルシャル。なかなかボールに触れない部分はありましたが、得点シーンのドリブルの突っかけ方、雰囲気、デビュー戦のロナウドを思い出しました。早くルーニーとの攻撃をみたいと思いました。
    ベンテケのスーパーゴールといい、後半はお腹一杯で、ちょっと疲れました(笑)

  2. しん より:

    更新お疲れ様です。
    前半で寝ようかと思ったのですが、起きてて良かったです。
    マルシャルのアンリ2世の異名に偽りはなさそうですね。ロブレンの厳しい当たりにも余裕があり、フィジカルも強そうです。
    あとシャバイニーは走る走る走る、ほんといい選手ですね。
    にしても、フィルミーノは酷すぎますね、、、
    こういう試合こそ個人技が期待されるのに、ロストの嵐、、、

  3. makoto より:

    汗かきスターさん>
    シュヴァインシュタイガーがぐんぐんフィットしてきているのがうれしいです。3人のセントラルMFは、どの組み合わせでも安心して見ていられます。ベテランを休ませながら使える体制になってますね。おっしゃるとおり、マルシアルはいい雰囲気を持ってますね。ベンテケのゴールといい、後半はテンション上がりすぎて私も疲れました(笑)

    しんさん>
    シュヴァインシュタイガーの戻りと体を張ったボール奪取に、チーム全体がいい刺激を受けている印象があります。フィルミーノは時間が必要ですね。なじめば力はある選手だと思います。

  4. プレミアリーグ大好き! より:

    更新お疲れ様です。寝た後に2つも素晴らしいゴールが決まるとは…やはり最後まで見届けねば損でした^^;
    レッズファンとして試合を見ていて感じたのはビルドアップの稚拙さです。4-3-1-2、ないし4-3-3をベースとしてシステムを組んでいるため基本はCB2枚+CMの3枚がその第一段階を担うのが基本であり、ロジャースはそういった攻めの準備を組み上げるのがうまい監督だとスワンズ時代に感じていたのですが時間と共に悪化しているように感じます。(体感ですが)その辺り諦めてミニョレから打ち上げるべくベンテケを取って来たのだとするとゴールの計算のできない不安定なチームとしてリーグを戦うことになり、CLを狙うのは難しくなると思います。例年にも増して中堅や下位クラブが戦力を高めていて、油断の出来ない今季のPLは守備の安定は元よりゴールの方程式をいくつ持っているかが強く順位へと反映されると思います。
    ベンテケ、グッドゴール!毎試合頼みます。

  5. リバサポ より:

    お疲れ様です。
    前半は明らかに引き過ぎで攻め手がなかく、ダービーだというのに熱量が足りないような物足りなさがありました。なんというか、少し寂しくもありました。これで勝率は5分。ロジャースも首が寒くなってきましたね。

  6. グローリーグローリー より:

    スピードもパワーも創造性も無かったピッチにヤングが火をつけてくれましたね。足を痛めた後も懸命にプレーする姿からマンチェスターユナイテッドのスピリットが見てとれて嬉しかったです。マルシャルのゴールはYOUTUBEで何回も見てしまうようなゴールですね!ベンテケのスーパーも含めて衝撃的な終盤戦でした。試合内容にはまだまだ不満ですがなんだかんだで暫定2位。なんとかシティーに最後まで食らいついていってほしいです。あとデパイに関しては彼ができることはプレーオフでわかってるのであまり焦らずやっていってほしいですね。昨日のプレーからは苛立ちや気負いが見て取れたので。次節は彼にとっていきなりの凱旋試合。マルシャル同様デパイにも期待したいです!

  7. chop-マンUファン より:

    初めてコメントさせていただきます
    いつも投稿楽しみにしてます♪

    この試合の全てはマルシャルですねw
    全部持っていった感がすごいです
    ただこちらが引き気味だったとはいえ
    ボールに触れず消えている時間が
    長かったように思うので
    まだ活躍できるかどうかはわかりませんが
    少なくともデビュー戦がダービーで
    しかもゴール決めるっていうのは
    なにか持ってますよね( •̀ω•́ )
    オーラも良いですし大切に育てて欲しいです

  8. makoto より:

    プレミアリーグ大好き!さん>
    「守備の安定は元よりゴールの方程式をいくつ持っているかが強く順位へと反映される」→賛成です。前線でスペースに入る動きや、ダイレクトパスをかわして数的優位を作るといった変化をつけないと、引いて守られたときにサイドからのクロスしかなくなってしまいますね。ベンテケは、バイシクルもさることながら、ボールを呼び込もうと仕掛ける動きもよかったと思います。

    リバサポさん>
    昨年と同様に、秋を試行錯誤で終わらせるようであれば、ロジャース監督も限界だといわれて返す言葉を失ってしまいます。

    グローリーグローリーさん>
    アシュリー・ヤングは何よりも真摯な姿勢がいいですね。デパイに関しては賛成です。PSV相手にはやってくれると思いますし、プレミアリーグでも1本出れば波に乗れるのではないでしょうか。

    chop-マンUファンさん>
    グローリーグローリーさんもおっしゃってましたが、「YOUTUBEで何回も見てしまうようなゴール」でしたね。マタやキャリック、シュヴァインシュタイガーらが彼を走らせるボールを狙って出せるようになると、ゴールシーンが増えるのではないかと思います。

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