【MAN.UTD×Sunderland】感動の3発…デパイ、マルシアル、ルーニー、マタで首位奪還!
試合開始から、マンチェスター・ユナイテッドの守備はどことなく緩く、致命的なスペースは与えていないものの、マークを離す場面が多く感じられました。9分、最初のチャンスも、ペナルティエリア外からのキャリックの意表を突くパスにデパイのトラップはぎこちなく、シュートを打てずに終わります。14分、中央に侵入してパスを受け、ひとりかわしてミドルを放ったマタはキレキレで、今日のゲームでゴールを決める人を選べといわれれば、過半の観客が彼を指名したでしょう。カッタ-モールが足を伸ばしてCKに逃れましたが、当たらず抜けていればGKパンティリモンが止められたかどうかはわかりません。
押しているのはホームチームでしたが、サンダー―ランドが24分に決定機を迎えます。右から最終ラインの裏を取ったのはイェレマイン・レンス。GKの足元を襲う強烈なシュートは、足でのセーブがうまいデ・ヘアの落ち着いた対応で止まります。この試合ぐらいは、ワールドクラスの守護神にはゆっくり休んでいただきたかったのですが、案の定、お世話になってしまいました。25分、右サイドからドリブルで上がったルーニーのクロスのクリアを受けたデパイは、得意の角度からの右足インフロントをパンティリモンに弾かれて先制ならず。38分にも直接FKを枠におさめにいって失敗した背番号7は、プレッシャーとストレスに苛まれている人間ならではの表情を見せています。
前半はこのまま終わるかと思いましたが、48分という最高の時間にスコアが動きます。ブリントがCBにいるメリットは、セントラルMFが抑えられているときに後ろから決定的なボールが出せることです。前線へのフィードに関しては、現在のプレミアリーグでは彼とコンパニが双璧をなすのではないでしょうか。DFの頭を越えたボールは、右から走り込んだマタの足元にピタリ。マタがダイレクトで横に流すと、左から飛び込んだのはメンフィス・デパイ、プレミアリーグ初ゴール!
このシーンが感動的で、思わず涙腺が緩んでしまったのです。デパイの安堵の表情もさることながら、心を動かされたのはマタがブリントを見つけてハイタッチをしたシーンです。ツイッターでルーク・ショーに励ましの言葉をかけていたファン・マタのチーム愛が、どれだけマンチェスター・ユナイテッドをポジティブなムードにしてくれているかと思うと、頭が下がります。前半は1-0。セカンドハーフはいいメンタルで試合に入れるでしょう。
後半開始直後、ホームチームはまたしてもこの男のプレイから2点めをもぎ取ります。ボリーニを当たりの強さで飛ばし、カブールをあっさり抜いて右サイドを完全に崩したのはアントニー・マルシアル。ニアに出たボールに体ごとぶつかり、ひざに当ててゴールを陥れたのはキャプテン・ルーニーでした。こちらも今季プレミアリーグで最初のゴール。今のサンダーランドに2点は無理でしょう。62分、左からマタの背後に飛び出したファン・アーンホルトの強烈な左足は、デ・ヘアがタイミングを合わせて右足でクリアし、破られる予感はありません。67分、自陣から縦パスが出ると、トラップ一発でDFをかわしてしまったマルシアルがドリブルで進み、デパイと2対1の形を創ります。「マルシアルのパスでデパイがGKと1対1」という形が逆だったら、冷静な19歳が3点めを決めていたかもしれませんが、気負ったデパイがパンティリモンの懐にシュートをぶち込み、絶好機をつぶしてしまいます。
それにしても、すべてがうまくいった試合でした。ブリントとキャリックをお役御免で下げ、ヴォルフスブルク、アーセナルと続く強敵対決を前にフィル・ジョーンズの2回めの慣らし運転と、シュヴァインシュタイガーのウォーミングアップができました。試合終了直前のマタの完璧な3点めをお膳立てしたのは、15分前に入ったアシュリー・ヤングのドリブル突破。ファン・ハール采配がまたも当たりました。3-0、点差以上の手ごたえがあった快勝。ケガ人続出で苦しいマンチェスター・ユナイテッドは、久しぶりにプレミアリーグ首位に立ち、いい感触でチャンピオンズリーグを迎えることができそうです。
…すみません。プレイを観る前に「マルシアルは高すぎる」と文句をいったことをお詫びしたいと思います。彼は凄いですね。中でも外でもクオリティが高く、1人2人は軽く抜いてくれるので、ルーニー、デパイ、マタがラクになります。何かと騒がしかった今年の夏ですが、セントラルMF強化、本職SB獲得、デパイ入団、デ・ヘア残留、そしてスペシャルな19歳の電撃移籍と、マンチェスター・ユナイテッドの強化は結果的にベストの着地だったのではないかと思えるようになりました。しかし、まだまだ本番はこれからです。低調だったトッテナムとリヴァプールには勝ったものの、本当に強い相手と対等に戦えるかどうかはわかりません。長いシーズンです。私は、今後の展開次第では、先のプレミアリーグで完勝したリヴァプールに逆転される可能性すらあると思っています。テンションは緩めずに、応援してまいりましょう。まずはチャンピオンズリーグとアーセナル戦での快勝を期待します。
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記事待ってました!w
ブリントのCBでの起用に関して、リオを始め不安視する声が上がっていますし、守備面では自分もベストだとは思っていません。しかし先のイプスウィッチ戦でのルーニーへのアシストしかり、今回のマタへのフィードしかり、攻撃面での貢献はとても大きいと思います。特にシュナイデルランには決定的な縦パスはあまり期待できないので(体張って守ってくれてるだけで十分ありがたいですが)、その分バスティやキャリックに加えてブリントも精度の高い縦パスを入れられるというのは相手チームからしたら嫌だと思います。ブリントのせいで1点取られる間にブリントのおかげで2点取れればいいのでは? と少し楽観的に見えるかもしれませんが、思っています。
ルーニーとメンフィスに待望のリーグ初得点が生まれましたし、首位に立てましたし、最高の週末でしたね。あとはCLと来週末のガナーズ戦ですが……まあなんとかなるでしょう()
あと、贅沢を言うならば、ヤングよりペレイラが見たかったです。ヤングがアシストを決めたので文句は言えませんがw
「チェルシーはプレミアリーグ勢のなかで最も欧州の頂点に近いチーム」と管理人さんにはおっしゃっていただいていますが、正直ヨーロッパで上に行くならバイエルン・マドリー・バルサのようにどこからでもボールが出せるチームが戦術に幅も生まれるので有利だと考えている自分としては、ユナイテッド・シティの方が近いかなと思ってますよ。まあ戦術は監督次第なのでシティはちょっと落ちますし、ユナイテッドは前線の経験値という所で不安もあるのでルーニーが引っ張れるかどうかにもかかってるとは思いますが・・・。
aさん>
ありがとうございます。私も、この展開ならペレイラ出せばいいのに…と思ってました。ブリントに関しては賛成です。デ・ヘアに助けてもらいながら、攻撃的なサッカーを展開してもらえればと思います。欧州では守ったほうがいいのかもしれませんが…。
シュナイデルランは、セインツではサイドへのロングフィードが秀逸で、攻撃面でももっとやってくれると期待しています。
パチさん>
昨秋のチェルシーなら優勝まで狙えたのではないかと思ってます。チェルシーは速攻型に徹したほうが、欧州では戦えるのではないでしょうか。持たされたときに、ダヴィド・シルヴァやエジル、カソルラのような崩しのアイデアがある選手がいませんので…。