感動しました!デンベレの決勝スーパーゴール。競り勝ったトッテナムは、あと1勝!
13分、ポストプレーから左隅を狙ったティーレマンスのシュートは、GKロリスの指先を越えてわずかに外。21分にベン・デイヴィスのパスで中に侵入したラメラのシュートは、左足アウトで曲げきれずにポストの右に外します。その2分後には、アンデルレヒトに決定機。カウンターから中央でパスを受けたオカカがフェルトンゲンをかわしますが、ライアン・メイソンが滑ってシュートをブロック。今にもゴールが決まりそうだったゲームの均衡を破ったのは、28分のハリー・ケインでした。ライアン・メイソンが中央に入れたパスをエリクセンが打ちやすい位置に巧妙に流すと、調子を上げているエースが右足でズドン。このゴールは、天才エリクセンのホスピタリティが高いお膳立てがすべてでした。チャントが鳴り響くホワイト・ハート・レーンは、これぞプレミアリーグのスタジアムという雰囲気です。1-0となり、トッテナムの最終ラインは落ち着きを取り戻します。
42分、執拗なプレスがアンデルレヒト最終ラインのパスミスを誘い、デル・アリのクロスにハリー・ケインがヘッドで合わせるも、GKプロトがキャッチ。1-0の折り返しは上々でしょう。ライアン・メイソンが真ん中に入ったことで、前線やサイドへの攻撃的なボールが格段に増えました。スパーズが欲しいのは、早い時間のセーフティリードです。
後半最初のシュートは、アンデルレヒトのデシャフトが右から放ったミドル。48分、ドリブルで攻め上がったドフールが右足を振り抜くと、ロリスは右に飛んで確実にセーブします。守勢にまわったトッテナムのカウンターはゴール前でスピードが落ちてしまい、ハリー・ケインもラメラもシュートが打てません。おお、負傷が癒えたソン・フンミンがピッチの脇で準備しています。59分に韓国代表のアタッカーに後を譲ったのは、アシストを決めたエリクセンです。
61分、ソン・フンミンのグラウンダーがベン・デイヴィスの足元へ。迷わず左足で打ったシュートは、バーを叩いて2点めはなりません。63分に左から横にドリブルで流れたラメラは、右足の前に出たボールを左足のアウトにかけてシュート。メッシでも右で打ちそうなボールを…。彼の右足はどれだけおもちゃなのかと思わず笑ってしまいます。
69分、最終ラインがクリアしてラインを上げたところをムボジに破られたシーンは決定的でしたが、トラップが大きくなり、フォローしたオカカのシュートも力がなく助かりました。しかし71分、トッテナムはまたもラインを上げた瞬間を狙われます。左のドフールからクロスが出たとき、フェルトンゲンは背後にエゼキエルが入ったことに気づいておらず、スライディングボレーが左ポストの内側を弾いてゴールに転がります。1-1、同点。2分前に入ったばかりだったエゼキエルが、ハシ監督の采配が正しかったことを証明しました。スパーズは、ホームゲームです。若い選手が多いベルギーのクラブに、ここで引き分けるわけにはいきません。
ポチェッティーノ監督はデンベレ、オノマーを次々と投入するものの、自らのチャンスよりエゼキエルに翻弄される回数のほうが多い状況。ライアン・メイソンとエリクセンがいなくなったチームは、パスのずれや持ち過ぎが目立ち、勝ち点3は望めない展開に陥っていました。しかし87分、ホームのサポーターはポチェッティーノ采配も悪くなかったことに気づかされます。ペナルティエリアのすぐ外からソン・フンミンが戻したボールを右足で叩いたのはムサ・デンベレ!これには感動しました。ドライブがかかったボールが一瞬でゴール左隅に突き刺さる、とんでもないスーパーゴールです。母国ベルギーのクラブを打ち砕く勝ち越し弾は、その後の時間を静かに終わらせるには充分な衝撃でした。アウェイゲームと同じスコアできっちりお返ししたトッテナムは、勝ち点7で首位浮上。次節のグラバグ・アグダムに勝てば、グループステージ突破が決まります。
エリクセンのパス、ハリー・ケインとデンベレのシュートとゴールシーンが素晴らしく、おもしろい試合でした。とはいえ、抜け目ないチームなら、後半早々に複数あったカウンターのいずれかを決めて、悠々と逃げ切っていたのではないかと思います。トッテナムがプレミアリーグや欧州で上位を狙うためには、カウンターの精度を上げなければなりません。加えてもうひとつ気になったのは、アウェイでアチェンポン、ホームでエゼキエルと2戦連続でアンデルレヒトに裏を取られた右サイドです。右から中に入るプレイが多いラメラやデル・アリがうまく連携してケアしないと、SBが同時に2人を気にしなければならない状況が増え、速いアタッカーに狙われてしまいます。ポチェッティーノ監督が課題をつぶせれば、トッテナムの2015-16シーズンは満足感の高い1年になるはずです。
今週は、プレミアリーグ勢は5勝フィニッシュ。ようやく結果が揃うようになりました。マンチェスター・シティが先陣を切ってグループステージ突破を決め、アーセナルとチェルシー以外は「次節勝てばOK」とリーチがかかっています。決められる3チームは、それぞれ勝てる相手ですので、くれぐれも最終戦まで引っ張らないようにしてください。何せプレミアリーグは、クリスマスも元旦もサッカーです。どこかで抜かないと、そのうち失速しますので。(ムサ・デンベレ 写真著作者/Paul Blank)
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更新お疲れ様です。
とりあえず勝ててホッとしてますし、何よりケインが本来の力を取り戻していることが嬉しく思います。またデンベレはいい値がつけば売却もありとシーズン前は思ってましたが、香川がプレミアで一番衝撃を受けた男はそれを証明してます。ヴィラ戦のゴールといい素晴らしいの一言に尽きます。
さて問題の守備ですが、なんだかんだで4試合連続失点中なんですよね。前に無失点だったのはストライカー不在のリバポでしたし、最近の失点の多さは地味に気がかりです。サイドを制することが次のNLDの鍵になると思うので、筆者様が仰る通り右の守備どうにかして欲しいです。
いやーデンベレの一撃は凄まじかったですね!
しかもそれを苦手の右足でやっちゃう辺りに彼の調子の良さが伺えます。
次のノースロンドンダービーにも期待しちゃいますね!
カウンターの精度に関しては前々から気になってたとこで、特にスパーズファンにとってはベイル・レノン時代の高速カウンターが目に焼きついてる人も多いと思うので尚更気になります。。
そーゆー意味でもソンフンミンにかかる期待はかなり大きいですね!
にわかスパーズファンさん>
トリッピアーの個人的な問題だけではなさそうですよね。サイドの選手が中に入った時のケアの仕方と、奪われたときの追い方、遅らせ方に工夫が必要なのではないかと思います。
noriさん>
デンベレ、感動しました!カウンターについては、ソン・フンミンに加えて、仕掛け人としてのデル・アリやフィニッシャーのヌジエにも期待してます。試合の後半に、若手が思い切ったプレイで決定的な仕事をしてくれると盛り上がりますね。