偏愛的プレミアリーグ見聞録

監督人事に関しては、プレミアリーグとセリエAが騒がしくなりそう、と以前に書きましたが、まさにそのプレミアリーグからセリエAにひとり、優秀な監督が移ることになりました。今季、チェルシーをヨーロッパリーグ制覇に導き、来季チャンピオンズリーグ出場権もきっちり確保した名将、ラファエル・ベニテスです。

チェルシーで「暫定監督」という何とも微妙な肩書きだったために、その真価と実績が忘れられそうなベニテスですが、リヴァプールではプレミアリーグは獲れなかったもののチャンピオンズリーグを制しており、バレンシア時代にはバルセロナ、レアル・マドリードを差し置いて2度のリーグ優勝を果たし、UEFAカップ（現在のヨーロッパリーグ）優勝も果たしている一流の監督なのです。

ナポリはセリエAで今季2位。来季のチャンピオンズリーグ出場権を獲得していますが、4季指揮をとったマッツァーリ監督が退任し、インテルに移籍することが決まっていました。2010年にジョゼ・モウリーニョの後任としてインテルに渡ったものの、成績不振とモラッティ会長との確執から半年で解任の憂き目にあったベニテスにとっては、イタリアでのリベンジをこの南部のクラブで果たすことになります。ここ12シーズンはユヴェントス、インテル、ミランで優勝を分け合っているセリエAですが、13シーズンぶりにトロフィーをを南に持ってくることができるでしょうか。絶対的なエースであり、ぶっちぎりの得点王だったウルグアイ人、カバニの移籍もささやかれているなか、そのチーム作りに視線が集まります。（写真著作者/Djdannyp)