イングランドのプレミアリーグ(ときどきチャンピオンズリーグ)専門ブログ。マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、リヴァプールetc.

偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

ラメラ3発、コウチーニョ復帰!若手大胆起用でELのリヴァプールとトッテナムは首位通過!

ブラッド・スミス、ブラナガン、ロシターといった若手を起用しつつ、負傷明けのヘンダーソンとコウチーニョのエンジンを温める場としたリヴァプールのクロップ監督。両SBに「カップ戦担当」のトリッピアーとベン・デイヴィスを使い、ヴィマー、オノマー、トム・キャロル、ヌジエと若手を大胆に起用したトッテナムのポチェッティーノ監督。既にヨーロッパリーグの決勝トーナメント進出を決めているプレミアリーグの2人の指揮官は、それぞれに今後の戦い方を見据えた選手起用をしながら、グループ首位通過を決めました。

真っ赤なシオンに対して、敵地トゥールビヨンで負けなければ1位が決まるリヴァプールは黒いユニフォーム。プレミアリーグファンとしては、赤と戦うレッズに慣れるまでに時間がかかります。カルリートス、フィルミーノ、オリギ、エジミウソンと、序盤はミドルシュートの応酬だった試合は、時間が進むにつれて、「2位に残りたいシオンがスコアレスドローを願っているゲーム」であることがはっきりします。ルビン・カザンがボルドーに勝ち、シオンが負けるとグループステージ敗退決定。リヴァプールにもどうしても勝たなければならない理由が見当たらない一戦は、アウェイチームがボールを持つ時間が長く、シュートが少ない凡戦と化してしまいました。タイムアップの笛が鳴ると歓喜に包まれたシオンにとっても、無理することなく首位通過を決めたリヴァプールにとっても納得の着地でしょう。クロップ監督は、試合が終わった瞬間、アンフィールドにWBAを迎える週末のプレミアリーグに目線を切り替えたのではないかと思いいます。

勝ち点を加えれば首位通過が決まるホワイト・ハート・レーンのトッテナムは、22歳のコンビで左サイドを攻略し、2分に先制点を奪いました。左サイドでフェイントをかけて相手を牽制しながら、ベン・デイヴィスにフリーでグラウンダーを入れさせたのはクリントン・ヌジエ。中で待っていたラメラは、優しいボールを左足にタッチするだけでした。グループJを突破するには勝ち点3が必須条件のモナコは苦しくなりました。勢いに乗った若いトッテナムは、15分に2点めを重ねます。アルデルヴァイレルトのヘディングでのクリアをソン・フンミンが前線につなぐと、中央から右隅を狙ったラメラのシュートをGKスバシッチがキャッチミス。23分には、トム・キャロルとの連携からオノマーがいい形で前を向き、ヌジエ、ソン・フンミンとつないで落としたボールをトム・キャロルがミドル。テンポのいい攻撃は、プレミアリーグ1年めの選手と若手だけで組み立てたものとは思えません。

37分、パサリッチがDFに戻したボールをさらったヌジエの素晴らしいインターセプトから、ソン・フンミンのラストパスを受けたラメラが珍しい右足の一撃で、ハットトリック達成。3-0なら決まりかと思いきや、エリック・ダイアーをベンタレブに代えたスパーズは、セカンドハーフになると後がなくなったモナコの激しい反撃を受けます。

ダイアーがいなくなって中央で優位に立たれることが増え、ルタンが入ったモナコの左サイドに押し込まれるようになったのが、苦戦の要因でした。61分、ルタンのパスを受けたエル・シャーラウィに見事なコントロールショットを決められ3-1。再度勝負がわからなくなったものの、走ることをやめなかったスパーズはここを踏ん張ります。右サイドから何度も強烈なシュートを放っていたヌジエが、77分にもクロスに狙うと、スバシッチが足で止めたボールをエルデルソンがうまく処理できません。これを見逃さなかったトム・キャロルは、ゴールライン際に持ち込み、角度がない難しい状況からニアを射抜きます。4-1となると、一時は落ち着かなかった中盤もベンタレブがハブとして機能するようになり、トッテナムは悠々と試合を畳みました。

リヴァプールもトッテナムも、主力を休ませ、負傷明けの選手や出場試合が少ないサブメンバーのコンディションを上げながら首位通過を決める理想的な形で最終節を終えました。私は、今後出てきそうな若手として、レッズのロシターとブラッド・スミス、トッテナムはヌジエとトム・キャロルに注目しています。今日のヌジエは、ゴールこそなかったもののチェイシングが素晴らしく、彼のインターセプトから何度となくチャンスが生まれていました。試合をこなすたびに選手が壊れるマンチェスター・ユナイテッドと、カソルラとコクランというサスペンションをしばらく失うアーセナルは、若手にチャンスを与えるか、冬に投資をするかしなければ、選手層が厚くなりつつあるレッズとスパーズにプレミアリーグ4位以内の座を脅かされることになるでしょう。

昨季はラウンド16にも残れなかったヨーロッパリーグのプレミアリーグ勢には、今シーズンは期待していいのではないでしょうか。UEFAランキングで追い上げてきているセリエAとの差は、チャンピオンズリーグではなくてこちらです。マンチェスター・ユナイテッドを含む3チームのなかから、ベスト4が出てくれればいいですね。ポルト、セビージャ、ドルトムント、ナポリといった顔ぶれを見ると、軽々に優勝とまではいえませんが…。

おもしろいと思っていただけた方は、お時間あれば、下のブログランキングバナーをクリックしていただけると大変うれしいです。所要時間は5秒です。何とぞよろしくお願いいたします!


“ラメラ3発、コウチーニョ復帰!若手大胆起用でELのリヴァプールとトッテナムは首位通過!” への2件のフィードバック

  1. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    レッズのゲームは深夜だったので観られませんでしたが、スパーズのゲームを観ました。
    若手をカップ戦で登用するポッチェティーノ監督ですが、このゲームで感じたことはスパーズはこの監督になってから一皮も二皮もむけた感じがします。
    レッズもヨーロッパの舞台を理解しているクロップがいるのでELノックアウトラウンドは期待したいところです!

  2. makoto より:

    Mackiさん>
    スパーズ、若手がめちゃめちゃいいですよね。年明けからは、プリチャードも出てくるはずです。

コメントを残す