【Saints×Arsenal】眠れるアーセナル…4発喰らってプレミアリーグ首位ならず!
両チームとも慎重な立ち上がり。モンレアル、バートランドと、互いに左SBの攻め上がりが目立つ序盤戦。17分にペナルティエリアの中でモンレアルがフリーになった決定的なチャンスは、シュートがGKの正面にいってしまいます。するとその1分後、とんでもないゴールが決まり、セインツが先制です。バートランドの左からのクロスをメルテザッカーがヘディングでクリア。このこぼれ球に詰めたクコ・マルティナが右足を振り抜いた位置は、ゴールから25メートルはあったのではないでしょうか。力を入れず、アウトにかけた一撃は、チェフも諦めるしかない左のサイドネット。1-0とリードされたアーセナルは、いつもより運動量が少なく、単発のドリブルを止められてばかりでなかなかシュートに持ち込めません。
エジルを自由にさせないよう、執拗についているのはクラーシです。セインツのプレスが見事で、攻めの糸口がなかったガナーズは、37分にウォルコットが右からするすると上がって左足でシュート。これはステケレンブルクの正面でしたが、ようやくエンジンがかかってきました。39分、エジルのCKをフリーで合わせたウォルコットのヘッドはサイドネット。アーセナルペースに傾きかけていた43分、セインツが決定機を創ります。厳しいプレスに音を上げたガナーズがボールを奪われると、マネに縦パスを浮かされ、メルテザッカーとシェーン・ロングが駆けっこになります。当然のように勝ったシェーン・ロングの前に立ちはだかったのは、隙がないチェフ。背番号7は冷静さを失い、右足のつま先で打ち上げてしまいました。前半は1-0で終了。セインツの組織的な守備にことごとくパスがつかまり、グーナーからすればイライラが募る展開です。
48分、マネが右から突破して折り返したシーンは、中を締めたガナーズ守備陣の勝ち。51分にはFKをチェフと競ったファン・ダイクがヘッドで押し込みますが、オフサイドを告げる旗が上がっています。55分、今度は疑いようのない追加点です。ウォード=プラウズがシェーン・ロングに縦パスを通したカウンター。ダイレクトではたいたボールを受けたマネは、右から上がってメルテザッカーの股間を通す見事なラストパス。シェーン・ロングと接触したコシールニーがつまづいて転倒し、どフリーになったロングは右足で軽く触るだけでした。0-2、アーセナルはまだ眠っています。
64分、ジョエル・キャンベルout、チェンバレンin。その3分後、足がつったクラーシがピッチを後にして、ロメウが同じポジションに入ります。69分、セインツはアーセナルに何もさせないまま、ここで勝負を決めました。ニアに飛んだCK。フラミニがかぶった後ろに入り込んだのは、ホセ・フォンテ。至近距離からジャストミートされては、チェフは何もできません。74分、ウォード=プラウズと代わったタディッチが強烈なミドルは、ガナーズの守護神が右に飛んで弾きますが、後半のチャンスはすべてセインツです。
ヴェンゲル監督がイオビを投入したのは、プレミアリーグの経験を積ませるためにはいい展開になったからか、ウォルコットを休ませたかったからか。78分、モンレアルのクロスをイオビがGKの目の前でタッチしてコースを変えたものの、ボールは右ポストの近くを転がり、クリアされてしまいます。エジルとジルーがこれだけ何もできない試合はなかなか観られません。戦意喪失のガナーズ守備陣は、素晴らしいスピードで右から突破するシェーン・ロングを止められず。メルテザッカーが抜かれた1発めはポストに助けられますが、92分にモンレアルが振り切られた2発めはチェフの足に当たって決まりました。何と何と、4-0。9週間2位にいながら、プレミアリーグ首位が一度もないアーセナルは、レスターにおつき合いして10週めの2位キープとなってしまいました。
チェンバレン、ウォルコット、チャンバースと元セインツのスパイが3人もいるのだからしょうがない…という冗談は置いといて、敗因はズバリ「ギリシャ&マン・シティ激戦シンドローム」ではないでしょうか。緊張感の高い戦いを短期間で2つもこなした反動です。おそらくこれは慢性化するような症状ではないので、次節から始まるプレミアリーグとFAカップのホーム3連戦をしっかり勝てれば、なかったことにできるでしょう。処方箋は、とにかく記憶から消すこと。「セインツのプレス、あっぱれ!」「クコ・マルティナ、シェーン・ロング、ファンタスティック!」とつぶやいて、深い睡眠をとって忘れてしまえばいいと思います。ペッレがいないのでチャンスと踏んでいたのですが、シェーン・ロングがここまでやるとは…。セインツは今季最高の出来。とにかく素晴らしかったです。(ホセ・フォンテ 写真著作者/Ronnie Macdonald)
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更新ご苦労様です。
セインツ天晴!です。しかしガナーズも激戦をモノにしたと思ったら、たまにこのような負けがあるんですよね。
これがPLの面白いところでもあるのですが、、、今日はセインツの日でしたね。これだけ守備網もしっかり作られると吉田の出番はメンバーの負傷がない限り今季は少なくなりそうですね、、、。
いやはや久しぶりの解消ですね!
アーセナルの動きが鈍かったのでラッキーでした。この結果、まだまだ混戦が続きそうですね。
去年もセント・メリーズで完敗を喫しましたし、相性が悪かったと諦めました。いやあ、しかし、サウサンプトンのプレッシングを見てたら、昨季の躍進を思い出しました。
アーセナルに目を向けると、セントラルに問題ありでした。フラミニ、ラムジーは持たされる展開では生きないことが明るみになったので、やはりウィルシェアやロシツキといった基点となれる選手の復帰が待ち遠しくなりました。
ラムジーに関して思うのは、相手を背負った際のかわしかたが上手くならないとセントラルでは大成できないだろうなということです。そこが治らない限り、ヴェンゲル監督のコンバートが正解だったということになるでしょう。
時間の関係で観られませんでしたが、なんじゃこりゃ?という結果ですね。
せっかくシティとの対決で貯金ができたのに勿体ない。
この安定感のなさが悪い意味でのアーセナルらしいといえばそれまでですが。
結果論で言えばこれなら無理やりターンオーバーした方がよかったです。それで負けてたら、また文句言ってたでしょうけど(笑)
悪い時のアーセナルがもろにでてしまいました
こういう試合で負け無いチームが優勝するんですけど…
初投稿です。プレミア愛に満ちあふれるレビューをいつも楽しませていただいて本当にありがとうございます。最近試合後は必ずチェックしにお邪魔しています。
セインツのプレスが非常に良かったのもあるのですが、ゴツゴツ身体で当てられてファールも取られないと、うまく運べなくなりますよね。もともと個々の技術に自信のあるメンバーが多いので、展開をボールホルダー任せにする傾向があり周囲のサポートがちょっと遅れ気味だったり少な目だと感じていました。いつもはそれでも技術で交わしちゃうんですけど、フィジカル勝負のゲームでは目立ちますね。持たされて前のめりになったところをガツンと狙われる。
強豪チームと戦う時の引いてカウンターを狙う「プランB」は形になってきているので、技術的に劣るもののフィジカル勝負を挑んでくるチームに対する「プランC」が必要なのではないかと思った試合でした。イメージとしては去年のシティ戦2-2だったゲーム。中盤の距離を近くして当たり負けせずボールを奪ってショートカウンターを狙うという感じです。
次のホームゲームでは立て直してほしいですね。
Mackiさん>
気持ちいいぐらいにダメでしたね。ここまで悪いのは珍しいです。
爪楊枝さん>
アーセナルの選手が、しょっちゅうスリップしてたのが気になりました。
新参さん>
ラムジーは、運動量と攻め上がりのセンスがいいので、さらに大きくなってほしいのですが…。
queenさん>
ターンオーバーは今日のゲームでした。エジルを休ませられたらいいのですが、今の顔ぶれでは難しそうですね。
ガナユさん>
今季は、レスター以外すべてのチームが「こういう負け方」しているので諦めることはないのでは…いや、まさか、レスター?
ガイオさん>
ありがとうございます。ワンタッチ、ツータッチでボールを回せているときのアーセナルは、ごついチームも苦にしないので、運動量と集中力の問題が大きかったのではないかと思いました。お疲れだったか、あるいはピッチがやりにくかったか…。