偏愛的プレミアリーグ見聞録

「何回、完全な嘘だといえば、人々はそのアカウントをフォローするのをやめるのだろうか。フォローする人がいる理由がわからない。やめたほうがいい」

「フットボールインサイダー」のツイートに激怒しているのは、アストン・ヴィラのコミュニケーションディレクター、トミー・ジョーダン。月曜日に流された「アストン・ヴィラは既にスティーヴン・ジェラードを解任。マウリシオ・ポチェティーノやウナイ・エメリが後任候補」というスキャンダラスなコメントは、クラブのオフィシャルなメッセージの直後に削除されています。

完全な嘘…確かに誤報ではありますが、根も葉もない話ともいえません。プレミアリーグ10試合2勝3分5敗という冴えない戦績で、16位に沈むチームの指揮官は、早ければ今週の末に任を解かれると目されています。木曜日はアウェイでフラム、日曜日はヴィラパークでブレントフォード。連敗して降格ゾーンに転落したら、間違いなくアウトでしょう。

「テレグラフ」や「デイリー・メール」が週明けに配信した記事は、解任決定と断定していないだけで、伝えていることは「フットボールインサイダー」と同じです。次なるターゲットは、トッテナムをチャンピオンズリーグのファイナルに導いたマウリシオ・ポチェッティーノ。両者とも、日曜日のブレントフォード戦が、ファイナルアンサーのトリガーになる可能性があるといっています。

「ジェラードが解任された場合、ポチェッティーノがファーストマンだ。共同オーナーのナセフ・サウィリスとウェス・エデンズがあらゆるプロセスを主導し、最高経営責任者のクリスチャン・パースロー、スポーツディレクターのヨハン・ランゲが深く関与している」（テレグラフ）

「フラムに勝ち、ブレントフォードを克服できないという結果だったとしても、ヴィラの役員会は決断を迫られる可能性がある。ポチェッティーノは、そのシナリオを演じるNo.1ターゲットであるといわれている」（デイリー・メール）

2021年11月、スコティッシュ・プレミアシップで首位に立っていたレンジャースとの契約を打ち切り、3年半の契約でバーミンガムへ。プレミアリーグ27試合10勝5分12敗という初年度の戦績は、ディーン・スミス監督の下で3勝1分7敗と苦しんでいたチームを立て直したといえるのでしょうか。

冬のマーケットでチャンバース、ディーニュを獲得。夏にはブバカル・カマラ、デンドンケル、ジエゴ・カルロス、ベドナレクを引き入れ、守備を強化しています。しかし現在、彼らのネックは10戦7ゴールの攻撃陣です。

ダニー・イングス、オリー・ワトキンス、レオン・バイリー、ブエンディア、ジェイコブ・ラムジーという錚々たるメンバーが揃って1ゴールのみ。マッギンはノーゴールで、フィリペ・コウチーニョはまったく機能していません。シュート18本を放ちながら、ケパのビッグセーブに屈したチェルシー戦は明るい兆しでしたが、問題は継続性です。

「フットボールインサイダー」の配信は、完全な嘘なのか、あるいはちょっとしたフライングなのか。プレミアリーグで下位に沈む監督のなかで、最も厳しい状況を迎えているのがジェラードとブレンダン・ロジャースであるのは衆目の一致するところでしょう。チェルシー戦と同じメンバーを選ぶであろうフラム戦に注目です。