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偏愛的プレミアリーグ見聞録

マンチェスター・ユナイテッドファンですが、アーセナル、チェルシー、トッテナム、リヴァプール、エヴァートンなどなど何でも見てしまう雑食系プレミアリーグファンです。プレミアリーグ観戦記、スタジアム、チーム情報からロンドンやリヴァプールのカルチャーまで、幅広く紹介しています。

前半は快調、後半は停滞…ELで完敗のミケル・アルテタ、最大の課題は主力の疲労!?

PSVアイントホーフェン2-0アーセナル。この結果自体によるダメージは、さほどありません。ヨーロッパリーグで4連勝のチームが、グループ最大のライバルに敵地で敗れた…欧州のフットボールシーンでは、よくある話。プレミアリーグでは、王者マンチェスター・シティに2ポイント差で順位テーブルの最上位に立っており、ヨーロッパリーグもPSVに2ポイント差の首位です。

ポジションだけを見れば、問題はないのですが、今季の公式戦で初のノーゴールに終わったゲームの中身は大いに気になります。プレミアリーグのリーズ戦、セインツ戦に続く、セカンドハーフの停滞。直近の公式戦5試合で4ゴールと、得点力を落としているガナーズは、後半は1ゴールしか決めていません。

一方、3失点のほうはすべて後半です。ハーフタイムにピッチに入ったルーク・デ・ヨングに振り回されたPSV戦は、今季の彼らを象徴するようなスタッツを残しています。前半のシュートは8本、後半は7本と、攻撃においてはさほど変わらないのですが、打たれたシュートは前半2本、後半6本。これらの数字は、今季プレミアリーグの11試合と同じ傾向です。

「デイリー・メール」がまとめた国内リーグのスタッツを見ると、前半はシュート88本で13ゴール、後半は82本で12ゴール。攻撃面は、ハーフタイムに入る前がやや上といったレベルです。しかし守備は、前半は39本の被シュートで3失点、後半は54本打たれて8失点。9勝のうち4つは、先制した後、失点を喫してから突き放しています

多少失点があっても、攻撃力をキープできていればいいのですが、リーズ戦とセインツ戦の後半は攻撃の数字も落としています。シュート数は15対6、敵陣ボックス内のタッチ数は26対13と、後半は半分以下。初めて2点のビハインドを背負った昨夜のゲームは、途中出場のサカ、ジェズス、トーマスを足してもシュート1本と、交代策が機能しませんでした。

後半の停滞を招いた最大の原因は、主軸の疲労でしょう。レギュラーを固定して戦うアルテタ監督のチームは、プレミアリーグ全試合先発の選手が8人もいます。これを上回るのは、9人のブライトンのみ。昨季のTOP4を見ると、マン・シティ、リヴァプール、トッテナムは3人で、チェルシーはゼロです。

PSV戦で最も気になったのは、64分の交代カードでした。ホールディングをガブリエウ・ジェズス。2-0とされてからのエース投入は、ペップ、クロップ、ポッターなら避けたかもしれません。敗色濃厚となれば、出場時間が少ないサブの選手は最後までやらせて、主力を完全休養させるという選択肢もあったのではないかと思います。

ワールドカップ前の5試合は、ノッティンガム・フォレスト、チューリッヒ、チェルシー、ブライトン、ウルヴス。後ろの3試合を勝つために、プレミアリーグとヨーロッパリーグの最下位とのゲームはターンオーバーしたいところですが…。「アーセナルのタンクに、燃料はどのくらい残っているのか」と題した記事を書いた「テレグラフ」のサム・ディーン記者は、こんな例えを用いて警鐘を鳴らしています。

「深みの欠如。サカが負傷したらどうなるんだ? これは、アーセナルの今シーズンのタイトルチャレンジをほぼ確実に妨げるだろう。スカッド全体の強さは、費やした時間とチャンピオンズリーグによって潤う財政とともにもたらされるものだ。それまでは、アルテタは自らのリソースに注意を払う必要がある。なぜなら、主要なプレーヤーに過度の負担をかけるリスクは、週を追うごとに現実のものとなるからだ」


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