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偏愛的プレミアリーグ見聞録

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【West Ham×Liverpool】勝負を分けたのは、クロスとシュートの正確さ。焦ったリヴァプール、完敗!

ベンテケの2試合連続決勝ゴールでレスター、サンダーランドに1-0で連勝。年末のタイトなスケジュールのなか、勝負強いところを見せたリヴァプールは、ウェストハムに勝てば今季初のプレミアリーグ3連勝です。負傷したヘンダーソンを欠いたクロップ監督は、ルーカスとエムレ・ジャンを中央に起用。両サイドにコウチーニョとジョーダン・アイブ、ベンテケとフィルミーノは縦に並ぶ形でしょうか。ナサニエル・クライン、アルベルト・モレノ、デヤン・ロブレン、サコの4バックは現在のベスト。キャプテンに加えてスタリッジ、ミルナー、シュクルテルがいないのは寂しいですが、まずまずの顔ぶれです。

本拠地アップトン・パークで新年最初のプレミアリーグを戦うウェストハムには、年末にエネル・バレンシアが復帰しており、本日はベンチにディミトリ・パイェが戻ってきました。ウィンストン・リードとサコがいないものの、サブにソング、サラテ、イェラヴィッチ、オビアング、ジェンキンソンとは豪華です。アンディ・キャロルとエネル・バレンシアの2トップは、セットプレーの守備に不安を抱えるレッズは要注意。マイケル・アントニオとランジーニの両サイドを抑え込めれば、アウェイチームがペースをつかめるはずです。

開始早々、エネル・バレンシアが太ももを押さえ、足を引きずっている波乱含みの立ち上がりです。最初のシュートは3分のリヴァプール。ジョーダン・アイブがクロスに放った右足の一撃は、ポストすれすれを抜けていきます。10分、怖れていたことが起こりました。サイド攻撃を徹底するウェストハムは、アルベルト・モレノが上がった裏を狙います。右からクヤテが持ち込み、パスを受けたエネル・バレンシアがファーにクロスを浮かすと、体を投げ出すようなヘディングシュートはマイケル・アントニオ。ボールはゴール左上に突き刺さり、ホームチームが先制です。17分にはランジーニのミドルがポストを直撃。その3分後には、コウチーニョのCKをキャロルがブロックし、縦に出したボールをマイケル・アントニオが持ち込んだカウンター。エネル・バレンシアが左足で決めるかに思われた決定機は、アルベルト・モレノが必死のスライディングで防ぎました。レッズは最前線に楔を打ちこむ縦パスを狙われ、ハマーズの速攻に手を焼いています。

25分、最終ラインの裏に抜け出しかけたベンテケのドリブルは、トムキンスが戻ってクリア。34分にCKが流れたところをアルベルト・モレノが中に入れ、ベンテケのヘッドのこぼれをフィルミーノがプッシュするも、GKアドリアンが懐に収めて同点を許しません。37分、太ももを痛めてピッチを去ったランジーニを、アップトン・パークのファンは拍手で送り出します。47分、右のジョーダン・アイブから中に出たボールをフィルミーノがエムレ・ジャンに落とすと、右足のコントロールショットはクロスバーに阻まれます。前半はウェストハムが1点リード。レッズはサイドからのクロスに精度を欠き、トムキンス、オグボンナ、コリンズを中心とした堅守を崩せません。

調子がいいときのベンテケはオールマイティで、何をやっても決まるぐらいの迫力があるのですが、今の彼は自信喪失気味で余裕がなく、コウチーニョもミスが目立ちます。押しながらもミドルシュート以外に打開策がないレッズに対して、55分、ウェストハムが追加点を奪います。右サイドに出たマーク・ノーブルがクロスを上げると、中のマークが完全にずれてしまい、ナサニエル・クラインがアンディ・キャロルとエネル・バレンシアを両方ケアしなければならない状態。191センチにフリーでヘッドを喰らっては、ミニョレは右隅に吸い込まれるボールを見送るしかありません。キャロルは2戦連発、プレミアリーグ3点め。劣勢のクロップ監督は、フィルミーノとアルベルト・モレノを下げ、ララナとブラッド・スミスを投入します。

64分、プレミアリーグのピッチにディミトリ・パイェが戻ってきました。ベンチに下がるエネル・バレンシアをねぎらうスタジアムは、優しい空気に包まれています。68分にパイェのパスからクレスウェルが左サイドを崩したチャンスは、キャロルのヘッド、マイケル・アントニオのフォローともミニョレが触り、3点めを逃れます。ララナが入ってからパスがつながるようになったリヴァプールは、ブラッド・スミスやコウチーニョがあと一歩に迫るものの、オグボンナのチェックやアドリアンの冷静なセーブに阻まれ、スコアを動かせません。78分、CKをエムレ・ジャンが後ろにそらすと、ルーカスのヘッドはポスト際にいたノーブルがクリア。オグボンナとコリンズが効いているウェストハムの守備は、どうやら崩れそうにありません。

残り1分という時間に、ストライカーではなくクヤテが最前線に上がってシュートを放っているあたりに、ウェストハムのペースでゲームが進んでいたことが表れています。90分、コウチーニョのクロスをフリー外してしまったジョー・アレンのヘッドが、リヴァプールのラストチャンスでした。2-0、昨季のTOP6から5勝めをゲットした「大物喰いウェストハム」は、レッズ相手にプレミアリーグ初のダブル達成です。

枠内シュート10対2が示すように、クロスとシュートが正確だったチームの完勝でした。エネル・バレンシア、ノーブル、クレスウェルと素晴らしいクロスが3発入ったハマーズに対して、リヴァプールの左右からのボールはことごとくベンテケの頭上を越え、最終盤までは中盤の選手がペナルティエリアに入る形を創れませんでした。1-0とされると、ベンテケとフィルミーノには迷いが見られ、コウチーニョ、ジョーダン・アイブ、エムレ・ジャンには気負いが感じられました。単調で緩急のない攻撃、冷静さを失った守備。ヘンダーソンとミルナーという正副キャプテンを欠いたレッズの敗因は、精神面にあったのではないでしょうか。

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“【West Ham×Liverpool】勝負を分けたのは、クロスとシュートの正確さ。焦ったリヴァプール、完敗!” への4件のフィードバック

  1. nyonsuke より:

    今年もよろしくお願いします。

    今節のメンバーでは、上位はねらえないでしょう。
    レッズは今シーズン、新体制に向けた準備期間とするか、トップ4を狙うかでこの移籍市場の動向が決まるのではないでしょうか。
    準備期間とするなら、怪我人の回復を待つほうが現状メンバーの成長は期待できますが、勝ち点はひろえないでしょう。
    守備陣は前からですが、ヘンドとミルナーがいない中盤とベンテケが問題かと思います。
    レスター、サンダーランド戦で得点したとはいえ、ベンテケがトップでは前々節から全く試合が作れておらず、物足りなさを感じました。
    移籍市場、どうするか動向が気になります。

  2. より:

    後半戦に強いロジャーズをまだ見たかったなぁー

  3. Macki より:

    更新ご苦労様です。
    コンディションが厳しいのは分かっていましたが、ハマーズ戦は今季ワーストゲームの1つになりましたね。
    このチームは勝つために必要な事が出来ていない感じを受けます。ベンテケのゴールで前2試合はゲームに勝利してますが、うーん何というかやはりチームにあっていないと言うか、、、今季は建て直しである事は理解してますが、上位を狙うにはコマ不足は否めません。補強どうするか注視ですね。

  4. makoto より:

    nyonsukeさん>
    ベンテケは、自信満々モードに入ればもっとできると思います。このところ、ボールが足についてない感じですが…。

    あ さん>
    新しいスタイルをインストール中なので、当面は波があるのは甘受すべしではないでしょうか。ロジャース監督は好きだったのですが、彼の時代も負けゲームの内容は厳しかったので…。

    Mackiさん>
    ヘンダーソンとミルナーがいないなか、冷静さを欠きましたね。勝負は夏と腹をくくって、補強はさほどしないのではないかと読んでます。

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